共同通信 (06/05/29)


北日本新聞


山形新聞

参院本会議でがん告白山本孝史議員

国民の命、政治が守る

自殺対策法今国会でぜひ成立

 −参院本会議の場でがんを告白した心境は。

   「自殺対策で超党派の法案作りが進んでいる。がん対策では与野党の案が衆院に上程されている。議場の皆さんに『今国会での成立にぜひ力を貸してください』とお願いしたかった」

  −迷いは無かったか。
 
  「昨年十二月にがんと分かった。候補者選びや支持者との関係を考え公表しなかった。しかし、抗がん剤治療で髪の毛が抜けたり、やせたりしてみんなからおかしいと思われ、コミュニケーションもおかしくなってきた。幸い国会で代表質問するチャンスを得た」
   「僕は治療が始まったばかりで“若葉マーク”の初心者。あえて公表した方が、たくさんのがん患者の立場や思いが伝わると思った」

 −自殺対策基本法制定に取り組む理由は。

   「年間三万人以上が自殺するという状況は、やはりおかしい。救える命がいっぱいあるのに、それを救えないのは問題だ。政治の仕事は国民の命を守ることだ」
   「自殺に至る経緯を見てみると、経済的な理由や過重労働、生活上、健康上の悩みだったりする。悩みを受け止める仕組みを作り、破産のあり方や労働環境を変えれば、減らすことはできる」
   「交通事故死も年間三万人を超え“交通戦争”と言われた時期があったが、国を挙げて取り組んだ結果、七千人まで減らす」とができている」

  −なぜ基本法が必要か。


   「行政や市民団体のネットワークが機能している地域もある。全国に広げるには、市民運動を支えるためにも、国や地方自治体が責任を持つ根拠法が必要だ」

  −自殺が多いのは小泉内閣の失政の結果では。

  「そういう見方もある。しかし、対決姿勢を強調するあまリ何もせずに、その結果、死ぬ人たちが続いていくのが良いわけがない。今やるべきことと、政局判断は冷静に分けて考えるべきだ」

  −残り会期は短い。

   「衆参の厚生労働委員会が与野党対決の場になっていて法制定は大変難しい。だが僕には、いつ開かれるか分からない臨時国会を持つ時間がもったいない。来週よりは今週、明日よりは今日というのが正直な気持ちだ」

   −今後の議員活動は。

   「随分、仕事を整理した。うまい具合にがんを抱きかかえながら、やってきた仕事を一つ一つきちんとした形にできるよう、一生懸命頑張る」

 ▽やまもと・たかし氏は5歳の時に兄を交通事故で失う。立命館大在学中から交通遺児育英会(現・あしなが育英会の活動に参加。1993年の衆院選で日本新党から初当選。2001年から参院(大阪選挙区)。56歳。

 

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