夕刊フジ (07/06/19)

余命半年…がん闘病議員の参院選出馬

「身を持って患者のイメージを変えたい」

山本孝史氏

 末期がんを抱えて、夏の参院選に民主党から比例代表で出馬する山本孝史参院議員(57)。約1年半前にがんが発見されたとき、医師に告げられたのは「余命半年」だったが、政治に対する意気込みはまだまだ熱く、日々、政治活動に取り組んでいる。選挙戦を控えた山本氏を直撃した。

  「気力は必要だが、がん患者でもさまざまなことができると、身を持って示したい。患者のイメージを変えることで、がん医療はどうあるべきかの議論も変わる気がする。国会議員が患者になったのは、1つの使命を与えられたのだと思う」

  再選を目指す動機をこう語る。がんの発見は2005年末。進行した「胸腺がん」だった。昨年5月の参院本会議の代表質問で、突然がんを告白し、周囲に衝撃を与えたのは記憶に新しい。

  6年前は大阪選挙区から立候補したが、選挙区で激しい票の奪い合いをすることは、今の体ではリスクがある。だが、議員としてやり残したこともある。最終的に比例代表からの出馬を決断した。

  とは言うものの、比例代表は投票で個人名が多かった順に決まる「非拘束名簿」方式。それほど知名度が高くなく、組織内候補でもない山本氏としては当選のハードルは高い。そのことは本人も分かっている。

リスク大きいが…「命のメッセージ届ける」

 「手探り状態だが、自分の体力の許す範囲でやれることをやる。昔から付き合いのある仲間や友人でどの程度、(支持が)広がっていくのかなあと思っている。名前を書いてもらうことがいかに難しいか…」

  参院選では「命のメッセージ」を訴えることにしている。
  「命って本当にはかないのので、突然奪われてしまったりするわけだけど救える命はたくさんある。交通事故、薬害エイズ、自殺…。救える命を救えないというのは政治が責任を果たしていないからだ」
  みなぎる気力の源泉は「政治家としての魂」ということなのか。

妻は「できるだけのサポートをしたい」

 「格好よく言えばそうでしょう。(自分を)支えているのは国会での仕事。仕事をすることは命を削っているのと同じ。しかし、自分が手掛けられる仕事があれば、やるべきだし、それが自分に与えられた使命だ」

  取材に同席した妻のゆきさん(56)は、今回の出馬をこういう。
  「心配はあるが、本人の『命のメッセージを伝えたい』という意思がハッキリしており、反対しなかった。できるだけのサポートをしたい」

 

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