第5回がん対策推進協議会 傍聴記  2007年6月7日記
 

 第5回がん対策推進協議会が5月30日開催され、「がん対策推進基本計画」が概ね了承されました。垣添座長が最終的な修正を加えた案によって、協議会各委員、関係省庁との調整、さらに与党内での了承を経て、閣議決定、国会報告となります。

 今回の基本計画策定が評価できるのは、今後、国を挙げて推進する「がん対策」が総合的、体系的に整備されたことと、当然のことではあるのですが、がん患者や家族並びに遺族の代表が「がん医療政策」を議論し、決定する場に参画したことです。

 評価できない点は、全体目標が、死亡率の20%削減(75歳以下。年齢調整死亡率)と、緩和ケア充実の2つだけになったことです。これでは、進行がんや再発・転移のがん患者は、「標準治療」が終われば、あとは緩和ケアにという、まるでベルトコンベアーに乗せられたような流れができてしまう恐れがあります。

 これまで政府・厚労省等は、そのような施策は世間に判らないようにそっと実施していました。しかし、患者も加わった協議会で議論されることで、今後、政府が打ち出す政策の一端が明らかにもなりました。

 先月の厚生労働委員会で私が質問した「がん等の疾患別の患者の年間総入院日数の短縮に関する数値目標を設定し、医療費適正化につなげる」という考えも、「厚労省内部では、健康保険法改正案の国会提出直前まで検討していた。しかし、疾患別に策定するのは、やはり無理がある。でも、データとして持っていることは大事だ」という現段階での結論に至ったそうです。少なくとも5年後までには、医療費の削減状況を見ながら、地域医療での「受け皿」整備とあわせて、表立った議論となるでしょう。

 こうした厚労省内部での議論を聞きだしていると、今後も協議会を適宜開催して、進行がん患者等への医療の充実とともに、「がん対策推進協議会委員からの意見集」に押し込められてしまった課題、すなわち(1)がん医療の成果などを測るための指標(個別目標)の設定、(2)医師の必要数などの検討、(3)診療報酬の引上げや、たばこ税による医療財源の確保などの懸案事項について、議論を深めなければなりません。がん診療連携「協力」病院構想や、診療所と拠点病院との連携強化のための施策の充実なども、議論を要する大きな課題となってきました。

 「意見集」の取扱いについて厚労省は、「都道府県説明会等で配布し、委員から、このような意見があったと説明する」と言っています。しかし、本体の「基本計画」に盛り込まれていない事項について、都道府県の受け止め方が軽いものになるのは必然です。

 協議会には専門委員を交えての作業チームの設置ができると、政令で定められています。今後、国会閉会後になりますが、「都道府県がん対策推進計画」の策定状況や、来年度予算編成の進展状況などを勘案して協議会を開催すること。また、専門委員会を組織し、課題の議論も続けなければなりません。患者側委員が提出した「実施計画」を具体化する作業もあります。

 患者側代表委員の皆さん、昨年以来、ほんとうにご苦労様でした。

 ゆっくりしてくださいと申し上げたいところですが、まだまだ仕事が続きます。これからも頑張って取り組んでいきましょう。私も頑張ります。

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