メールマガジン「蝸牛のつぶやき」バックナンバー
               
(vol.14  2004年1月、2月)

2月29日(日)号

 2月24日、アナン国連事務総長が国会で演説。議員の集まり具合を心配した筋からは、「ぜひ、出席してください」との呼びかけがあったが、議場は、定刻10分前から満席。来日を要請した政府・自民党の皆さんが、声を掛け合って参加されたようです。

 アナン事務総長が「貴国は、困難な議論を経て、人道復興支援を行うためにサマワに自衛隊を派遣されました」と述べたとき、自衛隊のイラク派遣を評価してほしい政府や与党議員は、「待っていました」とばかりに大きな拍手を送りました。

 アナン事務総長はイラクについて、「主権の回復が安定にとって不可欠であり、緊急に取り組むべき課題は、政治的移行についてのイラク国民の総意を見いだすことだ」と述べました。しかし、この過程がもっとも困難なようです。
 国連の調査団は、イラク国民の暫定政府に主権を移譲するとした6月30日までに、総選挙を実施することは困難と報告。隣国イランでは、総選挙で改革派は立候補すら拒まれ、イスラム教の教えが最高の法典とされました。
 それらの過程を見ていても、暫定政府の立ち上げの困難さや、政権移譲後においてもアメリカ軍等が駐留することへのイラク国民の反発は想像に難くありません。

 しかしながら、小泉内閣は、国連の現地復帰よりも前に自衛隊を派遣しました。現地での日本への期待と、自衛隊の能力が食い違っている結果、失望が生まれ、軍隊である自衛隊への反発が高まることが心配です。そうならないように、経済復興や雇用、教育、医療などへの総合的な支援が必要だと感じます。


◆ 今週の「何でやねん!?」

* C型肝炎感染源と目されているフィブリノゲン製剤について、厚労省が方針を転換して、納入先をすべて公表することに。C型肝炎の治療は早ければ早いほど効果的とされるなか、使用の記録が残っていないため、追跡調査が不可能とされていた。それならば、納入先を公開して、患者自身に感染の有無を検査してもらうしかないと訴えていたが、無用の混乱を招くと厚労省は消極的だった。ようやく厚労省が重い腰を上げたが、この間の時間のロスも大きかった。

* 社会保険庁の職員宿舎を年金の保険料で建設していたとして追及の矢面に立たされた坂口大臣。大臣は「保険料は年金給付以外に使わない」と答弁したそうだが、保険料でなければ税金しかない。保険料でダメなものが、税金ならよいという理屈も理解に苦しむ。

* 2月25日、自民党の部会が、臓器移植法を見直し、家族の承諾のみで臓器の摘出を可能にする改正案を決定した。現在の法律は、本人の生前の臓器提供の意思が明らかな場合のみ臓器の摘出を認めるものであり、それは、長い議論の末に辿り着いた結果であった。今回の自民党案は、本人の意思とは関係なく、家族の同意で良いとする内容で、これまでの議論の経過をないがしろにするものである。臓器の提供数が少ないのには様々な理由があり、日本人の死生観、遺体に対する思い、移植医療に関する情報公開の欠如、移植コーディネーターの整備の遅れ、度重なる医療ミスによる医療不信などが挙げられよう。97年の法案採決では、党議拘束を外して投票に臨んだ。国会に当時の熱気が失われている中で、改正案に慎重審議を求めるのは容易でない。

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2月22日(日)号

 
 2月18日、今年初めての党首討論が開かれました。今国会から、私もメンバーの一員となったので、出席。

 「両院で10名以上の議席を得ていること」という与野党の申し合わせを満たさないため、社民党の割り当てはなく、民主党40分、共産党5分の持ち時間です。

 菅代表は、冒頭、党が力を入れている農水産林業の問題を取り上げ、「食料自給率を、知っていますか」と小泉総理に質問。質問で取り上げる項目は、事前に総理側に通知されているそうですが、総理は「カロリーベースで、40%ぐらいですね」。菅代表が「農政が失敗した結果ですね」とたたみかけると、小泉総理は「農家を考えての施策が思うように進んでいなかった。改善の余地がかなりあると思う」と受けました。

 論戦が始まりました。

◆ 党首討論を聞いて
 菅代表は、前フランス大使の小倉和夫氏が著した「吉田茂の自問」を取り上げて、満州事変以降、戦線を拡大する旧日本軍の動きを止めることができなかった日本外交の過誤が、今日また繰り返されているのではないかと指摘。道路公団民営化を巡る、道路公団民営化推進委員会と官邸サイドの食い違いも問題だとして取り上げました。

  菅代表は、党首討論への臨み方を工夫したほうが良いと思いました。どうしても、相手方を論破することに力点が置かれがちですが、それで決定的なポイントをあげるのは容易ではありません。イラクの戦争についても、「アメリカの開戦には正当な理由がなかった。しかし、困っているイラク国民を放置はできない。」これが大半の日本国民の想いではないでしょうか。そう考えると、憲法に違反すると指摘しても、相手が小泉首相では、論戦がすれ違うだけで終わってしまいます。

  自衛隊はどんな活動ができるのか、現地の状況はどのように変化しているのかなど、現地のNGO関係者等からの情報をもとに、民主党の考えを述べるのが良いと思います。

  農業問題でも、もっと関係者の生の声が質問に織り込まれていたら、もっと身近な問題として、視聴者に感じてもらえたのではないでしょうか。

◆ 今週の「何でやねん!?」
* 超党派で取り組んできた児童虐待防止問題で、最近、多発する事件を受けて、法改正の準備作業が超党派で進んできました。ところが、自民党が独自に動いて法改正案を取りまとめ、公明党も遅れてはならじと、これまた独自案をまとめているとか。参議院選挙など、国政選挙が近づくと、こうした独自行動が目立ってきます。一刻を争う児童虐待問題です。早く超党派で合意して法改正をすべきですが、手柄を目指しての仁義なき戦いが静かに、激しく続いています。

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2月15日(日)号
 
 2月8日、大阪大学大学院教授の大熊由紀子さんの退官記念集会が開かれました(山本たかしの活動レポートに詳細)。
 会場で、秋田県鷹巣町の岩川元町長と再会しました。老健施設「ケアタウンたかのす」の開設に至る経緯が、映画「住民が福祉を選択した町」として紹介されていますが、昨春の町長選で、なぜか落選。
 特養の個室化(ユニットケア)の先駆けであり、老健施設で終の看取りをしていることでも有名でした。「今度は、住民が福祉を選択しなかった町、というビデオが出来ますね」と冗談半分でいったら、「もう撮影してるみたいですよ」。このビデオは必見です。完成が待ち遠しい。

◆ 議員年金の廃止論 続編
 議員年金を廃止するとの意見に対して、私は「もともとの退職金の姿に戻すべきだ」と主張しています。ところが、先日の毎日新聞で、議員年金廃止に反対していると受け取られる表現で、私の名前が掲載されました。
多分、記者さんが、部屋の外から扉に耳を押し付けて聞こえた話(国会では「壁耳」と呼んでいます)を記事にしたのでしょう。新聞は原稿量が限られているので、正確に発言が伝わらないことが時折あります。ご留意ください。

◆ 今週の「何でやねん!?」
* 参議院幹事長になって、党本部の会合に出席する機会が増えました。テレビカメラが会合直前の風景を撮影します(国会では「頭撮り」と呼んでいます)。「もっとにこやかな顔をすれば」と、テレビ放送を見た方からご忠告。仏頂面をしていると、出席者間の不仲が噂されそうですが、決してそうではありません。国会が緊迫している時などに談笑風景が放送されると、支持者からお叱りをいただくことが多いので、自然と黙り込んでしまうのです。ご了承ください。

* 牛丼最後の日とかで、テレビは、吉野家の店前の列をずっと放映。国会では衆院の予算委員会で総理出席での審議が始まったのに、報道は少しだけ。9日に参院でイラク派遣承認案件が野党も出席して採決されれば、テレビの解説者は「淡々と採決されました」と、強行採決でなかったのが不満のご様子。

* 映画「ラストサムライ」。さすがハリウッド映画、騎馬武者の戦闘シーンはまるで西部劇。吉野と紹介される場面は、ニュージーランドでの撮影とか。アメリカでは武士道への関心が高いそうですが、この映画と武士道は関係ないようです。西洋文明を積極的に受け入れた明治政府と、武士としての矜持をもつサムライたち。その両者の対決は、今日のアメリカとイラクの対決にダブって見えました。

* 池脇千鶴の映画「ジョゼと虎と魚たち」(原作は田辺聖子さん。関西ノリノリの映画)も鑑賞。さすが「ほんまもん」の演技力です。障害者福祉を正面から見据えています。映画館は71席と小ぶり。シートはすべて二人掛け。つれあいと一緒に行って、正解でした。

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2月8日(日)号

  補正予算案を審議している参議院予算委員会で、辻泰弘議員(民主)が総理に質問。
 辻「あなたの年金は何ですか?」
 総理「議員年金と思います」。
 辻「議員年金は公的年金ではありません。公的年金は何ですか?」

 院内テレビの画面から、小泉総理の顔が消えました(恐らく、周りの誰かが耳打ちしているのだろう)。
しばらくして、「国民年金、だと思います」

 年金法案が今国会の最重要法案に挙げられています。しかし、厚生大臣を3度も務めた総理は、自らが加入する年金を知りませんでした。そんな認識しかないのに、年金の空洞化や保険料のアップ、給付の大幅カットについて、責任ある答弁ができるのでしょうか。どこかの会社の厚生年金に入っていれば、当然給与所得があるでしょう。そうでなければ、国民年金に入っていなければなりません。まさか、無年金?

 ◆ 議員年金の廃止論
 「議員年金を廃止する法案を提出します」と、議員グループから案内状。何度も言いますが、議員年金は退職金なのです。国会議員も公務員ですから、退職金を受けても良いと私は考えます。
問題は、年金の形で受け取る退職金の総額が定まっていないことです。終身支給されるために、高齢で退職すると、死亡時までの期間が短いので総受給額は少なく、若くして退職すると総額が増えます。もう一つの問題は、互助年金なのに、国庫負担が大幅に入っていることです。議員年金の問題点を精査し、退職金制度にすることも含め、公平な制度に変えていかねばならないことは確かです。
 退職金を受けるべきでないというのも、ひとつの考えでしょう。しかし、その考えを、一部の議員が議員立法で提出するのは、どうかと思います(彼らの廃止論も、単なる廃止でなく、制度の変更なのかも知れませんが、詳細は書いてありません)。

 また、参議院の議員定数の是正問題でも、「議員定数を増やすべきでない。減らすべき」との意見が声高に主張されます。
私が、この両方の問題に共通して感じることは、国会議員が自らの地位や身分を賤しめているのではないかということです。確かに、感心できない議員もいますが、議員への道を狭めてしまうことや、議員定数の削減で民主主義の機能が弱まることで、喜ぶのは誰なのか。その観点をもって議論すべきだと感じています。

◆ 薬害を自ら経験
 顔の肌が荒れて、ぼろぼろ。湿疹も出て赤ら顔。自らの薬害(薬の副作用)経験談です。
2年前から、花粉症に似た症状に悩まされ、地元の耳鼻科で受診。アレルギーの原因は不明のままです。
2種類の処方薬を飲み続けて1年半ごろ、「今度は、軽めの薬にしましょう」と耳鼻科の医師(A医師)に1種類だけ別の薬を処方されました。その薬を飲んで、しばらくして冒頭の症状に。「薬が合わないのですね」と元の薬を処方され、症状は治まりました。

 この時、調剤薬局の薬剤師に頼んで、処方薬の添付文書を見せてもらって、元の薬が副腎皮質ホルモン、すなわち、ステロイドであると知りました(それまで、医師も、薬剤師も教えてくれませんでした。薬局の窓口でもらう薬の説明書にも書いていません)。

 数ヵ月後、再度、別の「軽めの薬」に替えたところ、再び同じ顔に湿疹ができ赤くなる症状が発現。
そこで、国会内の医務室(皮膚科)で受診したところ、これまで飲んできた抗生物質(変えずにずっと服用してきた薬)の副作用の日光過敏症ではないかと言われました。一緒に服用していたステロイド剤が発症を抑えていたけれど、服用を中止したので、抗生物質による副作用が出たという診断でした。
 
 2年も通っていた耳鼻科のA医師も、調剤薬局の薬剤師も、処方している抗生物質の副作用に気づかず、また、ステロイド剤を処方しているとの説明も患者(私)にしませんでした。
 
 国会内の皮膚科の医師の診断を持って、再度A医師を訪ね「皮膚科の医師から、『この薬はステロイドが処方されていて強いから、頓服的には服用しても、1年半も飲まないほうが良かった』と言われました」と話したところ、彼は「皮膚科はそう言うでしょうが、耳鼻科では良く効く薬なんです」と、『私の治療法に文句があるのか』と言わんばかりに不機嫌に。
 薬剤師にも同じように説明したところ、私の話をメモに取るでもなく、その日に処方された点鼻薬を手渡しました。窓口には「薬歴管理をしています」との貼り紙があるのです。調剤薬局にも、その責務を果たしていただきたいと願います。

 薬の副作用は避けがたいけれど、それだけに医師や薬剤師は処方薬に細心の注意を払うべきだし、患者も知識を持つべきでしょう。政府や製薬業界は、服用している薬に関する正しい情報をホームページで得られるよう、また、標準的な治療法を知ることができるようにすべきです。医薬品の販売規制緩和よりも、その方が優先課題です。

◆ 今週の「ヘ〜!?」
* 選挙ボランティアだった青年が、ふらっと国会事務所に。モー娘のコンサート帰りとか。一番前の席はネットオークで70万円。旅費20万円のハワイツアーには1500人が参加し、全員が数日がかりでモー娘との記念写真を撮ったそうです。グッズも飛ぶように売れていて、日本の景気をしっかり下支えしているようです。彼は、某国立病院の事務をしていて、医師の力量不足、薬の大量処方、国立病院の経営難など、医療現場の状況も教えてくれました。

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2月1日(日)号

 「民主党は派遣に反対なんでしょう。治安の良し悪しは関係ないでしょう」と国会の場で口にした小泉総理。歴史に残る暴言です。小泉流でいけば、「野党が反対する法案にどれだけ答弁しても、結局は反対なのだから、答弁するだけ時間の無駄」ということになります。

  国会は国権の最高機関です。したがって国民を代表する国会議員から質問を受けた行政府の長である総理大臣は、真摯に答弁する責務があります。立法府と行政府の役割分担を認識しない総理大臣は大問題です。

  そうかと思えば、本会議で、一院制や一票の格差についての認識を総理大臣に質問する国会議員がいるのも問題です。立法府のあり方を考えるのは国会自らであって、行政府に意見を求める事柄ではありません。

  三権分立は、民主主義の根幹をなすものです。そのことをわきまえない(否定する)人が、総理大臣であったり、国会議員のなかにいたりして良いのでしょうか。


◆ 自衛隊派遣計画承認を巡る議論

 アメリカでは、調査団長が大量破壊兵器は存在しないと発言。戦争の大義が揺らいでいます。
日本の国会では、サマワの評議会が存在するのか否かを巡る答弁が二転三転。現地情報を日本政府が一元的、かつ正確に把握していない実態が白日の下に晒されました。

そんなお粗末な答弁を覆い隠すべく、1月30日夜、自民・公明両党は強行採決。
「与野党委員が入り乱れて」と言うのは、事実と異なります。野党の委員は自席にいたし、委員長席に抗議に詰め寄った野党側は委員会理事の数名だけ。そうした当然の職務を果たそうとした野党理事に、委員会に所属していない自民党の若手議員たちが委員長席を取り囲んで、暴力を振るったのです。
その後は、与野党協議の間もなく、与党は、予算、財政金融委員会、そして本会議と、すべて単独で議事を進めました。

小泉総理は、もう一度、きちんと説明すべきです。
・ 自衛隊が現地人に銃を向けることはないのか。最悪の場合、どのように対処するのか。
・ 軍隊を送り出したことで、在外邦人が狙われることはないのか。
・ 現地の人たちのための給水施設や病院、学校を整備することに反対する勢力があるのか。民生の向上に帰する支援策が、なぜ攻撃対象となるのか。
・ 日米協調を強調するが、ブッシュ政権が退いた後も、アメリカの姿勢は同じなのか。
・ 派遣している隊員の、交代までの期間はどのくらいか。精神的ケアは万全か。
・ いつ全員帰国ができるのか。

先遣隊の佐藤隊長は当初、「連合軍」とか「転進」という言葉を使って記者に行動を説明していました(途中から言葉遣いを変えたようです)。小学校に出向いたときも戦闘服でヘルメット姿。自衛隊は正真正銘の軍隊です。でもイラクに必要なのは、軍隊なのでしょうか。


◆ 国民年金保険料の引き上げ幅を大幅に圧縮

厚労省案では月額6百円としていた国民年金の引き上げ幅を、与党は、半分以下の280円に圧縮しました。負担が軽くなるということは、誰かが余分に負担することを意味します。今回の場合は、国民年金の将来世代と厚生年金加入者が、より重い負担をすることになります。

公明党の北側政調会長はテレビで、「国民年金は世帯で二人分払うから、560円(280円×2人。年に6,720円)のアップは、厚生年金の引き上げ幅1万円と均衡が取れる」と、「妥当性」を強調しました。
国民年金と厚生年金は、制度が別ですから、そういう比較はすべきではありません。それぞれの財政が今後とも健全であるために、どのような制度改正(保険料の引き上げなど)を行なうかが課題なのであって、他の制度と関係付けて説明することは、国民の年金制度に対する正確な理解を妨げます(ついでながらに言うと、公的年金制度と、退職金である議員年金とを混同することも避けるべきです)。

このマジックのような自公政権のやり方は、参院選を前にして、自らの支持層である自営業者などに配慮した結果です。そして、近い将来、消費税が引き上げとなった時に、年金財政に消費税の増収分を投入して、最終保険料を引き下げて帳尻を合わせる魂胆でしょう。しかし、それでも、負担を先送りし、制度の抜本改革を遅らせることを糊塗する効果しかありません。今回のような案を決めることこそ、「年金を政争の具にしている」というのではありませんか。

自民・公明両党の政策は、すべての点で、自営業者の負担をサラリーマンに押し付けることで一致しています。定率減税を廃止して、国民年金の国庫負担を引き上げると言う公明党の主張も、まったく同じ構図です。税制の歪みの是正、都市と地方の財源確保策の整備、公共事業に代わる地方の振興策、社会保障財源の確保策など、議論すべき点を置き去りにして、負担構造のゆがみをさらに拡大させる。それでは抜本改革にはなりません。


◆ 今週の「何でやねん!?」

* 2月1日のフジ系「報道2001」での、中曽根元総理の中国発展論に同意。ただし、だから憲法改正、強い指導者が必要と続く論理構成には飛躍がある。靖国問題を日本固有の文化として理解を求めるとも言う。しかし、靖国問題が中国の統治手段に組み込まれていることは無視できない。やはり、日中首脳が自由に往来できる環境を作らない小泉総理は、国益に反しているといわざるを得ない。

* 古賀問題では支持者、国民の皆様にご迷惑をおかけしました。お詫びします。留学生にとって、単位数の獲得は死活問題。落第すると、即帰国(あるいは不法滞在)となるからだ。古賀さんは、留学(遊学でもいい)を通して、大いに成長し、人間の幅も広がったと思う。一番楽しい時だったのではないか。だから、経歴を間違えて公表することはありえないと思う。対応の拙さは誠に残念です。

* 某代議士が、「海外留学したという国会議員のうち、卒業しているのは1〜2割じゃないか。(古賀を除名にすると)そうした議員にも波及して、大混乱になるぞ」と暴言を吐いたが、悲しい言葉だ。中山千夏が、「選挙公報に学歴を掲載しないことにすれば」と提言。いいアイディアだと思う。

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1月25日(日)号

◆ 年金改革の与党案作成大詰めに
 23日の夜、日本テレビ系の衛星放送番組で、津島・自民党税調会長(元厚生大臣)とご一緒に、年金改革について1時間半に渡り討議しました。

 津島先生には、超党派の年金勉強会の座長をお願いしていますが、自民党の税制調査会会長や年金の与党協議会の重責も担っておられるので、なかなかにお会いできませんでした。テレビ局の控え室で久しぶりに意見交換。毎日、公明党と最終協議を続けているそうですが、口ぶりからは、参院選前の衆参国会での強行採決は避けられないと感じました。私には、それが最悪の結果をもたらすと断言できます。

 現行の年金法では、5年以内に一度、年金財政を再計算することが決められています。大概は、人口構造の変化や経済状況の変動で、事前に予測された保険料率の設定等では年金財政が行き詰まるので、さらなる保険料の引き上げや給付の抑制策を講じてきました。
 それが、改正法が成立すると、保険料は毎年自動的に引き上がりますし、給付額も自動調整されることから、制度変更につながる財政再計算は行なわず、年金財政の検証で済ませることができるというのです。すなわち、今後は改正法案の提出が不要となります。それで大丈夫でしょうか。5年に一度、国会に法案を提出しなければならないから、年金に関する国民的議論があったのではないでしょうか。ずっと先になって、帳尻が合わなくなったときに、慌てても遅すぎます。

  前回改正以降の5年間、与党は年金改革議論を全くしてきませんでした。もし、強行採決となったら、もはや年金の話題は国会から消えてしまいます。それが不安です。「大丈夫、山本さん。秋からは与野党協議を行うからね」と、与党側から言われそうですが、参院選前に強行採決して、参院選後に、にっこり笑って与野党協議の場を設置したいと提案するというのは、いかにも与党らしいやり口ですね。

 23日の朝に開いた民主党年金PTの会合では、新人の若手議員から、鋭い質問が飛びました。なかには社会保険労務士の資格を持つ議員もいて、心強い限りです。

◆ 一票の格差
 前回お知らせしたように、参議院民主党の会派内でも議論を始めました。
都道府県単位での議員選出を前提に、人口最小県の鳥取を基本に据えて考えると、格差の是正は極めて困難。ちょっとした手直しにしかなりません。
 小選挙区での増員を、比例区定員の減員で賄おうとすると、比例区選出議員数が極端に少なくなって、選挙費用倒れになります。
 考えた結果、至った結論は、総定数の増員です。この経費節減の時代に何を言うてんねんと怒られそうですが、日本の議員数は、人口の多さと比較しても諸外国よりも少なめです。それに、民意を反映するには、定数が多いほうが良いに決まっています。一人当たりの参院での経費は、約1億5千万円だそうです。10名増やして15億円。多すぎますか?
議員歳費を削ってでも、総定数を増やすことを提案します。

◆ 今週の「なるほど」
* 大阪府堺市出身の与謝野晶子が「君死に給うことなかれ」と詠って、今年でちょうど100年だそうです。「何か記念のイベントをしませんか」と中川おさむ代議士が提案。中川代議士らしい発案です。すごい代議士です。

* 寒風のなかで、太田知事の応援演説。口が回らず、「日本初の女性知事」と言うところを、「日本初の女装知事」となっていました。なるほど、男気のある知事さんですが……。

* 小泉政権一千日突破の感想を聞かれた中曽根元総理の言葉。「ツキ、気力、小選挙区制が小泉政権長期化の要因」とか。なるほど。でも、小泉総理の気力が薄れてきたように感じます。そろそろ政権は終末期なのでしょうか。

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1月18日(日)号

◆ 憲法を創る時の必須条件

 1月13日に開催された民主党大会での挨拶で菅代表は、「論憲から、創憲へと進みたい」と述べました。

 私は、民主党憲法調査会のメンバーとして、プライバシー権や環境権、自己決定権などの「新しい人権」を憲法に追加することに関して検討したことがあります。「新しい人権」を巡る議論を振り返ると、憲法も時代を反映したものでなければならず、一字一句も変更してはならないものではないと思います。
 しかしながら、現行憲法については、その誕生と同時に改正議論が始まり、相当の議論が積み重ねられてきました。そのことを考えると、これまでの議論の延長線上でのさらなる議論が必要なのであって、それらを顧みることなく、白紙に書くように、いきなり創憲という表現に、私は違和感を覚えます。

 党大会後、次期衆院選出馬予定の新人候補者を対象とした第1回研修会が開かれました。参加者のリストを眺めていて、その若さに驚きました。ほとんどの人が30代です。これから国政に挑戦するのですから、若くて当然かもしれません。直木賞を19歳と20歳の女性が受賞しました。出版界の思惑も秘められているそうですが、あらゆる分野で、若い感性が求められているのは確かでしょう。
 一方で、最近の選挙で「若さ」が大きな判断材料とされていることに、少しばかり危惧を感じます。国会が日本社会の縮図とすれば、現実の老若男女にわたる人口の構成とあまりにかけ離れた議員の構成で良いとは思えないのです。

 30代の人たちは、1970年前後の生まれです。70年といえば、大阪万博が70年でした。彼らが小学生になって物心ついたのは80年前後。日本社会がバブル経済に浮かれ、その後の崩壊を味わった時代です。すなわち、現在30代の人たちは、日本経済が大きく発展した姿とその後の崩壊の姿しか知らないのです。

 戦中、戦後の大変だった時代を体験していないことは幸せなのですが、そんな人たちの感性が、これからの日本をどのような方向に導いて行くのでしょうか。

 若い者には(自分も含めて)、貧しい国々や、戦争で疲弊した地域に眼を向けて、かつての日本を追体験することが求められています。日本国憲法は、そのうえで論じられるべきではないでしょうか。

◆ 1票の格差「違憲」判決

 1月14日、最高裁は、前回01年の参院選での1票の格差について、15人の裁判官のうち、6人が違憲、4人が「このまま次の選挙を行えば違憲の余地がある」との見解を示しました。

 参議院の定数は、選挙区150人、比例区100人の合計250人でスタートし、沖縄返還に伴って選挙区の定数が2人増えて252人になり、格差是正のための8増8減(宮城、埼玉、神奈川、岐阜を増員し、北海道、兵庫、福岡を減員)や、定数削減(岡山、熊本、鹿児島の定数を4人から2人に)などの措置を講じてきた結果、現在は選挙区146人、比例区96人の、合計242人が定数となっていますが、いまだ格差是正が不十分との判断です。

 議員一人当たりの有権者数が一番少ない鳥取県(定数2人)と、最大の東京都(定数8人)の格差(当時は5.06倍。現在は5.13倍)を是正しようとするならば、東京都の定数を2人増やすことが考えられます(参議院は3年ごとに半数改選のため、定数変更は偶数で行います)。しかしながら、総定数を増やさないとすれば、どこかを減らす必要があります。

 比例区で2人減らすことが考えられますが、選挙区と比例区のウエイト付けが選挙制度発足時から変らずに来ていることを考慮する必要があります。定数2人の鳥取を、例えば、お隣で、同じく定数2人の島根と併せて1選挙区として定数2人とすることも考えられますが、選挙区議員は都道府県単位での代表選出との意味合いを考えると問題でしょう。1人区を作ることも考えられますが、6年に一度しか選挙ができないことになり、これも問題です。

 2人区(定数4)を1人区(定数2)とすることも考えられます。現在、2人区で一票あたりの有権者数が一番少ないのは栃木です。しかし、東京を増やして栃木を減らしても、最少の鳥取と、千葉、大阪、神奈川、北海道、兵庫、福岡との間で4倍を超える格差が残ります。4倍を超える状態を解消しようとすれば、福岡を除く上記の選挙区で増員し、2人区での減員を栃木だけではなく、群馬、福島、岐阜、長野、宮城でも行えば、鳥取と福岡との間で4.079倍の格差まで縮まります。

 しかしながら、このような変更は、平成6年に行った8増8減の対象となった選挙区の定数を再度見直すことになりますし、人口の少ない選挙区の方が定数の多い「逆転現象」が生じます。まさに抜本的な改正がなければ格差是正は実現しません。

 7月の参議院選挙が近づいてくる中で、すでに候補者も決定され活動しています。難題です。


◆ 日経「交遊抄」と亡兄の50回忌
 
 日経新聞の朝刊最終面に掲載されている「交遊抄」への執筆を依頼され、人生の師である玉井義臣氏について書かせていただきました(13日掲載)。
 文中でも触れた、交通事故のため小学校2年生で夭折した亡兄の50回忌の法要を18日に営みました。父母を始めとして、遺された家族それぞれの人生に大きな影響を与えた兄の死が、50年経った今も、昨日のことのように想い出されます。

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1月11日(日)号

 穏やかな天候に恵まれたお正月でした。各種団体や党所属議員の新年会などが続いて、今日はもう11日。

 大阪は十日戎で、私も「残り福」を求めて参拝。「商売繁盛で、笹持って来い!」と、元気な声が境内に響きます。景気に明るさが見え初めたと言われますが、6年前、橋本政権下での増税・負担増路線で景気回復の腰が折れたことを思い出します。今年は、その二の舞にならなければ良いのですが。

 参議院選挙が7月11日と決まりました。ちょうど半年後の今日が投票日です。「政権交代への、ホップ・ステップ・ジャンプ」。参院選はステップの重要な選挙。頑張ります。


◆ 与党議員も訪中

 自民党の額賀政調会長、公明党の北側政調会長らが中国を訪問。昨年暮れに民主党訪中団が懇談した方々とも会っておられるようです。

 新聞報道によれば、中国側は小泉総理の靖国参拝を問題視したようです。「一般の人々が靖国神社を参拝することに異議はないが、A級戦犯が祀られている限り、政治家の参拝は認められない」との中国側の見解を述べたとかで、民主党訪中団への言葉と同じです。

 この件に関連して一部新聞が、民主党訪中団が中国側に対して「自国を批判することで相手の機嫌をうかがった」と書きました。私は岡田幹事長と中国側との会談に同席していましたが、「日本の野党責任者は、外国を訪問すると決まって日本の悪口を言い、自国の政府を批判する」と指摘されるような発言を岡田幹事長はしていません。正確に報道してほしいものです。

 靖国参拝問題が日中間での懸案になってしまった背景には、中国側の教育やマスコミ報道に問題があったと指摘する声があります。しかしながら、現実問題として、靖国参拝が報道されるたびに、中国社会に反日感情を引き起こしていることを正視しなければなりません。今後、日中関係がさらに重要性を増すと考えるならば、靖国参拝問題は深慮が必要な懸案だと思います。


 年金改革への道筋

 いよいよ年金改革法案を審議する時期が近づいてきました。厚労省担当者によれば、法案は、国庫負担の引き上げが盛り込まれていることから予算関連法案として、2月中旬には国会に提出されるようです。

 昨年来から、経団連や連合、さらにマスコミや有識者は、「与野党協議機関」を設置して、抜本改革について1年程度をかけて議論すべきだと主張しています。

 私も7日に上京し、民主党の執行部や、厚労省、連合などと意見交換をしました。また、大阪でも、北側政調会長や福島代議士などの公明党の政策担当者とも、新年会でお会いした折に、立話ではありますが意見交換をしました。

 結論として、与野党協議はかなり難しいように思います。それは、国会での年金審議の姿が参議院選挙に直接的に影響すること(強行採決は野党に有利、あるいは与党に有利の、両方の意見があります)、与野党協議をすることで、せっかくまとまった与党内に亀裂が生じたり、法案審議が止まったりすることを心配する意見があること、さらには、そもそも協議を要するということは提出法案の内容に瑕疵があると認めることになるのではないかとの指摘もあるからです。

 かねての例では、年金法案は一国会で成立したことはない重要法案ですが、与党側は、参院選挙の前に(すなわち、予算成立後、6月中旬の通常国会閉会前までの2ヶ月半余りの間に)、衆参両院で法案を可決する強硬手段に出るかも知れません。「与野党協議は、いずれにしても参院選後」との認識が広がっていますが、強行採決後に与野党協議機関が設置されるかどうかは微妙でしょう。

 私としては、今井澄先生の「遺言」でもある「年金を政争の具とせず、与野党の枠を超えて議論すること」を守って、与野党協議を通じて、真の年金改革につなげたいと願っています。そのための働きかけを続けます。

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1月1日(木)号

  新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。

 03年12月21日から23日までの3日間、民主党訪中団(団長・岡田克也幹事長)の一員として、北京を訪れ、中国政府や党の要人と、北朝鮮や台湾との関係、中国経済などについて意見交換をしました。

 北朝鮮問題で民主党は、6者協議の議長国である中国の尽力に感謝するとともに、早期開催を求めました。中国側の交渉責任者である王毅外交部副部長は、「交渉は進展した。しかし、成果の見通しのないままに次期会合を開くことは無意味」との考えを示し、再開の時期についての明言を避けました。

 会見を通じて中国側は、拉致問題と核問題とを切り離して交渉すべきとの考えを示しましたが、訪中団からは、拉致被害者家族の早期帰国は日本国内での重大関心事であり、交渉で棚上げすることはできないとの立場を説明しました。
 中国にとっては、核問題で半島情勢が緊迫することを回避することが重要テーマであるのに対して、日本は拉致問題の解決が最大テーマとなっており、北朝鮮問題で日中間には大きな隔たりが存在していることを改めて感じました。
 訪中団が、北朝鮮への送金規制や万景峰号の入港制限措置などを検討する動きが日本国内にあることを説明したところ、王副部長は、「北朝鮮を刺激することは避けて欲しい」と、日本に冷静な対応を求め、「外交がすべて国民感情で動いて良いのか」と言葉を続けました。

 10年ぶりで訪れた北京の街は、自転車に変わって自動車が溢れていました。街の変貌には驚くばかりです。中国の石油消費量は日本を抜いて世界第2位。2020年には、石油消費量は4億トン、自動車保有台数は10倍近い1億5千万台に達するとの予測もあるそうです。
 有人宇宙飛行を成功させ、核も保有する国でありながら、全国的には発展途上国並の所得水準しかありません。都市部と農村部の格差の拡大、失業者の増大、エネルギーや水不足、環境汚染、未整備の社会保障制度など、国内問題も山積していると中国側も認めています。
 「中国は決して他国の脅威とはならない」「中華民族は侵略的ではない」と呉官正・中央政治局常務委員ら中国側は強調しました。軍事的には、その通りでしょう。しかし、13億もの人口がやがて16億人となり、経済成長率8.5%の猛スピードで動く巨大な国、中国が、経済成長の軟着陸に失敗して、制御不能の事態に陥らないようにと祈るばかりです。

 西北大学事件への反応に表れたように、中国国民の対日感情は決して良いものではありません。一方、日本側でも、宇宙飛行に成功した中国にODAでの援助を続けるのは理不尽だとか、日本に先んじて、積極的に東南アジア諸国と自由貿易協定(FTA)を締結し、アジア諸国をリードしようとする中国の姿勢に覇権主義的な臭いを感じると主張する人もいるなど、中国に向けられる視線には厳しいものがあります。
 中国とどのように付き合っていくのか――対米追随外交に終始し、アジア戦略が欠如している日本にとって、直視すべき大きな課題です。

 中連部の王家瑞部長、劉洪才副部長や、周強・共青団中央書記処第一書記らは、「民主党が外交面でもリードすることを期待する」と表明。会談では、次代を担う若手政治家や青年などの日中交流が、これまで以上に重要になっているとの認識で一致し、さらに交流を深めることで合意しました。

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