メールマガジン「蝸牛のつぶやき」バックナンバー
               
(vol.25  2005年11月、12月)

12月18日(日)号

■ 「99.99%」の波紋

 前原代表が自民党との大連立は99.99%ないという発言が、波紋を呼んでいます。16、17日に開会された民主党定期大会でも、本意を尋ねる質問が相次ぎました。

 鳩山幹事長が「私は科学者だから、120%ないとは言えないが、100%ない」と発言したのに、前原代表は「私は、政治家はぶれてはいけないと思うので、99.99%の発言は変えない」と重ねて発言しました。その瞬間、私は、「後になって、前原代表はウソをついたと言われるのを避けたのかな」と受け止めました。

 しかしながら17日の大会では、選挙による政権交代を成し遂げようと訴え、自民党政治では二極分化がみ、セーフティネットも不足していると批判し、民主党は第三の道を進もうとの趣旨の挨拶をされました。そ流れであれば、大連立を志向していないと受け止めたいのですが、99.99%の余波は、かなり長期に続くといます。

 最終的には、来年秋の自民党、民主党のダブル代表選で、大きな動きになるのでしょうか。新進党の悪夢がよみがえったのですが、杞憂であって欲しいと願っています。

■ 私のしごと館を前原代表と一緒に視察

 12月18日、民主党決算行政監視調査会特別会計作業チームの一員として、関西文化学術研究都市にある「私のしごと館」を、前原代表と一緒に視察しました。

 同館は、雇用・能力開発機構が雇用保険料を原資として、総工費581億円で建設したもので、いろいろな仕事の一端を体験したり、パソコンを活用しての適正検査や相談事業を通じて、学生などにキャリアプランを考える糸口を与えようとするものです。

 視察に参加した同僚議員からは、「贅沢な施設だ」「当初から大赤字が予測される施設を、なぜ建設したのか」と、厚労省などを批判する意見が相次ぎました。

 私はすこし違った意見を持っています。確かに、収支は大幅赤字で、来場者に補助金を出して来館してもらう図式ですが、人材立国をめざす日本としては、このような事業も必要ではないでしょうか。

 費用対効果は、なかなか測定できません。しかし、在学校での職業教育や職業体験ともあいまって、来館者のキャリアプラン形成に、何がしかの影響を与えるだろうと思います。いや、与えられるような総合的な取り組み計画を、文科省と厚労省、産業界、地域が一体となって作る必要があります。また、遠方からの来館者は少ないので、ここで作成されたり洗練されたりしたノウハウを、全国に流布させる仕組みを持つべきだと感じました

 当面予測される最大の問題は、施設や備品の老朽化です。総工費581億円の内で、土地取得費が150億円、建物が266億円、展示関係に140億円、その他25億円だそうです。何年か後には、建物や展示品の修繕・更新費が多額に発生します。その費用をどうするのかについて、早期に結論を得ておく必要があります。私は、産業界が人材を育成するための費用を負担することには合理性があると考えています。

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12月5日(月)号

■ 日本社会に巣食う病巣が現れた?

 耐震強度偽装事件について、設計の専門家などに聞くと、「図面を見れば、直感的に鉄筋の本数が少ないと思うはずだ」と言います。

 私も、同感です。検査担当者も、建設に携わる人も、設計監理者も、誰も気付かなかった。本当でしょうか? もし、それが本当なら、日本社会における専門家の地位は、まさに地に落ちたものです。大変な時代に入ったとの認識を持たなければなりません。

 私は、住宅販売会社や建設会社、コンサルタント会社、そして設計事務所らが共謀しての犯罪だと思います。不心得な人は他にもいるのかもしれません。全件調査を行なうべきだとの意見があります。何事も性悪説に立たざるをえなくなるのでしょうか。日本社会の隠れていた病巣が明らかになりました。早急の根本的な治療が必要です。

 今後、建築確認担当者の増員や中間検査の徹底などの検査体制の強化が必要です。建設業の許可基準も見直すべきです。また、瑕疵担保責任で10年間の保証があっても、倒産すれば、空証文になります。瑕疵担保責任の実効性を担保する公的制度が必要でしょう。

 小泉政権や与党の自民党・公明党は、阪神淡路大震災で問題となった住宅再建について、「国が個人住宅(個人資産)の構築を手助けすることはできない」と、民主党の要求を拒否してきました。今回の事件は自然災害が原因ではありませんが、購入者にすれば、災害にあったのと同じ気持ちでしょう。

 住宅販売会社や建設会社などの賠償責任、建築確認担当官庁の責任を明確にしたうえで、移転費用や購入代金の返還費用等を国が一旦立て替えて、まずは住民に安全な住居を保障する。立替費用については、関係者からの賠償金や、国民全体で補填する制度を創設して返還するような仕組みを創設すべきではないでしょうか。

■ 市役所が提供すべきサービスは?

 12月5日、大阪市従業員組合「総合政策シンクタンク」主催のシンポジウムに出席。3年前から、独自にシンクタンクを設置し、公共サービス提供者としての職員の働き方などを研究しきました。その成果の中間報告会です。ゲストに北川正恭元三重県知事、中邨章・明治大学大学院長を迎え、研究に携わった大学教授らがパネリストとして発言しました。

 市民の自発的な取り組みを促すファシリテーター、個々の市民活動を調整しネットワークを構築するコーディネーターとしての公務員の役割を認識すること、市民との対話(討論ではなく、ダイアローグ)、管理から支援へ(市民活動のエンパワーメント)など、心豊かに暮らすために、共生社会(ネットワーク型社会)を目指しての、キーワードが飛び交いました。

 公的サービス民営化の動きに対して、職員の意識変革や働き方の見直しが必要でしょう。同時に、「なぜ公的サービスでなければならないか」への回答を求められています。

 民営化は、その業務だけが独立して行なわれるのに対して、市役所職員だからこそ、福祉や保健など、縦割り行政を超えて多面的なサービスが総合的に提供できるメリットがあります。公権力の行使も、公務員だからこそ許されるのです。

 公的仕事を守るのか、公務員を守るのか。この問いに、公務員自身が答える番です。

◆◇◆ 今週の「そうなんや!」 ◆◇◆

* 大阪船場の「学・文・芸・美」の資産掘り起こしに取り組んでおられる藤井秀昭氏の自宅で、「龍村光峯の織物美術展」が開催された。「作家と職人の違い。作家は自分の思いのままに創り、職人は施主の意向を99%受け入れ、残りの1%に自分を込める」のだそうだ。初めて見た菅楯彦の浪速風俗画の絵にも魅せられた。日本画家として初めて日本芸術院賞恩賜賞を受賞し、大阪市名誉市民でもある有名人と後から知った次第。もっと大阪文化を知らなければ。

◆◇◆ 今週の「なんでやねん!?」 ◆◇◆

* 効率だけを優先させれば、安全性は後回しとなる。しかも、金持ちは、安心できる建設会社を選び、多少、住宅価格が高くても「保険」だと割り切る。一方、お金のない人は、広くて安い物件を、危険性と引き換えに購入する。これは、不公平だ。だからこそ、安心や安全に関わる事項は、公的責任として、経費がかかってもしっかりと講じるべきだ。

* 国会で、耐震強度偽装事件の関係者を呼んで質疑。薬害エイズ事件で私も経験したが、事件の中心人物を国会に呼ぶのは至難の技。警察や検察当局の邪魔になるというのだが、今回は、警察も検察も何故か動きが鈍く、強制捜査や関係者の逮捕が行なわれていない。衆院側の迅速な行動を評価しつつ、警察や検察の鈍い動きが気になる。

* 広島の女児殺人事件。加害者に接見した弁護士が、テレビカメラの前で雄弁に語る。テレビ局が長々とその場面を放送する。逆に、警察署での発表風景は報道されない。報道機関が、警察よりも早くと思うぐらいに、逮捕前から犯人に接触しているのも腑に落ちない。加害者の母国にいる家族への取材も異常に感じる。マスコミの意図は何なのか。日本に住む外国人ということを強調したいためなのか。

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11月27日(日)号

■ 小泉さんの掛け声が隠す日本社会の実態

 週末、いくつかの集会に出席して感じたことです。

 「国や地方自治体は、お金が足りなくて大変だ」「医療費が膨張して大変だ」。
 そんな挨拶を聞きながら、出席者が妙に納得してしまっていることに気付きました。小泉政権の4年間に、私たちは、すっかり、飼いならされてしまったのでしょうか。
 
 明らかに二極分化が進んでいるのに、誰もが、勝ち組とまではいかなくとも、少なくとも負け組みとは思っていないようです。日々の生活に行き詰っているわけでもありません。そもそも、そうした人は、集会には来ないし、来られないでしょう。
日本社会が病んでいると感じつつも、貧困や、さまざまな格差、差別が見えない、あるいは隠された社会になっています。

 私たち、特に国会議員には、想像力や先見性が不可欠。そして、現場を踏むことが大切だと、改めて心に刻んだ次第です。

■ 公的サービスがなくなると、困るのは国民

 同じ公的サービスを受けるのならば、より安く。公務員より民間で。そんな流れを、小泉政権は進めています。

 「民間の方が良いサービス、安全なサービスが提供できる」ことが前提ですが、耐震強度偽装事件は、「現実は、そんなに甘くない」ことを示しました。職業倫理感の崩壊は、深刻な社会問題です。手間暇がかかっても、安全や安心に繋がる部門は、公的部門が担うべきではないでしょうか。

 血友病患者や血液製剤によるHIV感染者の救援運動を展開していた、屋鋪恭一さんを偲ぶ会がありました。そこでも同じことを感じました。

 患者の少ない血友病や、偏見の強いHIV患者への治療体制は未確立なままです。民間病院も、不採算部門からの撤退を進めています。全国一律とまではいかなくとも、医療の提供体制を整えることは厚労省や公的病院の責務でしょう。

 ガンやエイズなどの拠点病院である国立医療センターの独立行政法人化が検討されていますが、先に独立行政法人化された国立病院は、採算重視の姿勢を強めています。先ずは、医療のナショナルセンターが果たしている役割について、細かな検討と関連情報の公開が行なわれるべきです。


■ 飲酒運転防止対策シンポに出席

 交通事故問題を考える国会議員の会で、私は事務局長として、飲酒運転の防止対策に取り組んでいます。日本損害保険協会が標記のシンポを開催するとの情報に接し、飛び入りで傍聴しました。

 シンポでは、JRバス関東株式会社の山村陽一元会長が、東名高速バスの飲酒運転事件から得た教訓を、また、NPO法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)の今成知美代表が、飲酒運転事故防止策について講演されました。

 今村氏によれば、アルコール依存症の人は、酒気が抜けると集中力が落ちて運転できなくなるそうです。そこで、3段階での予防、すなわち、(1)未然に防ぐ(予防教育・啓発活動・社会体制)、(2)悪化を防ぐ(早期発見・早期介入)、(3)再発を防ぐ(継続的サポート)が効果を上げると指摘されました。アルコール依存症患者の早期発見と、その後の治療と指導がポイントのようです。

 常習犯に対する、車輌へのアルコール感知器の設置を諸外国では義務付ける動きもあります。
パネリストによれば、効果を上げるには、エンジン始動時だけでなく、運転中もアルコールの感知を遠隔操作によって行なう必要があり、今後のさらなる検討が必要とのことでした。


◆◇◆ 今週の「なんでやねん!?」 ◆◇◆

* HIV感染者が爆発的に増えています。病院で感染が判り、「あ、やっぱり」という若者もいるそうです。しかし、自民党内では、性教育ではなく、純潔教育を求める意見が多数を占めています。この落差は、どこから来るのでしょうか。

* 公務員がサービスを直接に提供するのではなく、市民と一緒にサービスを提供していく。福祉や教育などの分野には、そんな業務が多くあります。単に民間委託するのではなく、社会の動きを先取りする先見性や先駆性、市民と一緒に行動する指導性や専門性を身につけた公務員が求められています。でも、そんな意識の高い公務員は、どのぐらいいるのでしょう。投票率34%、得票率40%で大阪市長に関淳一さんが再選されました。


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11月20日(日)号

■ 参院財政金融委員会で沖縄を訪問

 11月16、17日の両日、参院財政金融委員会で沖縄県を訪問。政府系金融機関の統廃合に関連して、対象機関である沖縄振興開発金融公庫の存廃を巡って、稲嶺知事や地元金融機関、商工団体、融資対象団体などから意見を聴取しました。

 沖縄振興開発金融公庫は、本土における日本政策投資銀行、国民生活金融公庫、住宅金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫及び独立行政法人福祉医療機構(社会福祉貸付を除く。)の1銀行4公庫等に相当する業務を一元的に取り扱っています。したがって、すでに沖縄県では、政府系金融機関の一部統合がなされています。

 沖縄には、みずほ銀行の支店しか全国銀行の機能はなく、地元金融機関の預金額も大きな規模ではありません。沖縄振興開発金融公庫が、低金利での融資によって沖縄経済を支えているのが実態です。

 意見を聴取した稲嶺知事を始め、全員が現状での存続を希望しました。その理由としては、(1)本土機関と統合されると、沖縄県への融資額が制限される。(2)融資の決定を本土にある本店で行なうため、時間がかかるなどが挙げられました。

 経済的に厳しい状況下にあることや米軍基地の存在など、沖縄の特殊事情は理解できますが、それでもなお、沖縄振興開発金融公庫の組織を単独で残すことと、その機能を残すことは、別次元の問題だと思います。要は、低利息での融資を可能にするような、税金による利子補填の仕組みがあれば良いということです。

 沖縄振興開発公庫を存続させるのであれば、本土の政府系金融機関を統合し、都道府県単位に支店を設け、その支店での機能を大幅に認める仕組みを構築することも、政府系金融機関統廃合の選択肢となるのではないでしょうか。

■ 普天間基地の移転先、辺野古沖を眺望

 参院財政金融委員会での沖縄視察の途上、普天間基地移転予定地の辺野古沖を、近くの高台から視察しました。財政金融委員会の所管事項ではありませんが、国会議員が沖縄に行くのだから、説明を受けるべきだと指摘し、手配を求めました。

 那覇防衛施設局の西正典局長が示した海域は、サンゴ礁のきれいな色が拡がっていました。米軍基地の縮小を望む沖縄県民にとって、今回の移転計画案は、軍用飛行場が移転するだけの内容であり、貴重な海洋を失うことを承認できないとの想いは、まったくその通りだと思います。

 米軍の再編計画は、日米安保体制を大きく変える内容となっています。北東アジアにおける有事をどのように想定し、どのように対応するのか。また、そのために在沖縄米軍は、どのような役割と機能を果たすのか。政府には、明確な説明が求められます。

■ 糸数慶子委員 マイクを握って説明

 今回の沖縄視察では、財政金融委員会に所属する糸数慶子委員(沖縄選挙区・無所属)に大変お世話になりました。

 糸数議員は、高校卒業後にバスガイドに就き、「平和ガイド」の先駆けとなりました。その後、県議を3期務めた後、04年の参院選で全野党共闘の力で、沖縄選挙区で初当選されました。移動のバスのなかでマイクを握り、自ら案内役を務めてくださいました。

 「沖縄に上陸した米軍は、激しい戦闘が展開され、多くの人命が失われた、まさにその土地の上に、米軍基地を築いている」との説明に、沖縄県民の辛い気持ちに触れた思いがしました。

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11月13日(日)号

■ 祝 大阪ボランティア協会創立40周年

 大阪ボランティア協会(通称ボラ協)が創立40周年を迎えました。ボラ協は、私の人生の進路を決めた場所です。

 立命館大学3年生の昭和45年、大阪万博の年に、私は同協会主催の第12期ボランティアスクールを受講しました。そこで、岡本栄一事務局長(当時)の紹介で、協会を頼って来阪していた秋田大学生と出会い、彼らの提唱する「交通遺児育英募金」に参加。そのことがきっかけとなって、「大阪交通遺児を励ます会」を結成。大学卒業後は交通遺児育英会に就職し、そして国会議員へと歩むことになったのです。

 大阪ボラ協は、まだ「ボランティア」という言葉が国語辞典にも載っていなかった1965年(昭和40年)、産声をあげた、日本最古のボランティアセンターです。

  自治的に社会を創造する担い手というボランティアの意味に着目し、自立した市民が育ち、その自由で主体的な社会活動の推進を通じて「市民社会」構築の拠点となろうとのビジョンを持って活動を続けてきました。

 社会が多様化し、行政経費にも限界がある現在、行政から独立しつつ、行政と協働するボランティアによって動く「市民社会」の形成が望まれます。

 大阪ボラ協の使命は、ますます大きくなっています。市民の皆さんの参加と支援をお願いします。


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11月10日(木)号

■ 交通事故議連の事務局長として再登板

11月1日、交通事故問題を考える国会議員の会の役員会を開会しました。総選挙によるメンバーの異動を受けて、新役員体制を確認。私が事務局長として再登板することになりました。

協議の結果、11月21日に、警察庁や内閣府などの関係省庁からヒアリングを行なうこと、2003年2月に国会議員会館で開催し大きな成果を得た「いのちのメッセージ展」を、来年前半に開催することなどを決定しました。


■ 大阪市長選挙に辻恵前代議士が立候補

11月8日、民主党大阪府連の常任幹事会が開かれ、大阪市長選挙への対応を協議しました。

平野博文代表(衆議院議員)から、独自候補の擁立をめざして働きかけてきたが残念ながら整わなかったことの経過報告と、大阪市会議員団から協議結果の報告を受けて出席者間で協議した結果、大阪府連としては自主投票とすることとなりました。

その後、辻恵前代議士が民主党を離党して立候補することを発表しました。

早くから政令指定都市として活動してきた大阪市では、国の地方公務員共済制度が整備される以前に、労使間協議によって厚生制度が設けられました。その後の時代変化に対応しての、制度の適切な見直しが遅れたことが市民の大きな批判となりました。

関市長の「辞任して再び立候補する」との姿勢は理解しがたいものがありますが、改革の姿勢は評価されるところもあります。地方政治に強引に政党色を持ち込む自民党の姿勢には疑問を感じます。

いずれにしても、どんな大阪市を創って行くのかを巡って候補者間の論戦が高まることを望みます。告示は13日、投票は27日です。

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