メールマガジン「蝸牛のつぶやき」バックナンバー
               
(vol31  2006年11月、12月)

12月24日(日)号

 いよいよ今年も残すところ1週間となりました。年末年始のメール事情や、ちょっと「蝸牛のつぶやき」から離れて過ごそうとの思いもあり、今週は合併号とし、年末最後の「蝸牛のつぶやき」です。

■ この1年を振り返って

 あしなが育英会の機関紙に下記の拙稿を寄せました。


『継続は力なり、蓄積は宝なり』

 昨年末にがんが見つかってから、丸1年が過ぎようとしている。
 門松は冥途の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし
 私には、めでたい門松だ。

 今年の後半は、フル活動だった。@自らもがん患者と公表して成立を訴えた「がん対策基本法」の成立Aずっと個人的に準備してきた「自殺対策基本法」の成立B国会がん患者と家族の会の立ち上げCパネルディスカッションの企画と開催Dがん対策情報センターなど政府のがん対策のチェックE決算委員会で安倍総理に質問などなど。

 がん患者となって活動量は落ちたが、がん患者となったからこそできた仕事も多い。「仕事とは命を削ること」と銘じてきたが、文字通りになるとは思いもよらなかった。

 自民党議員が多数を占めるようになったからだと思うが、国会審議が雑になり、運営も手荒になっている。これでは、国民に政治が見放されてしまう。国会議員となって実感したのは、「継続は力なり、蓄積は宝なり」という言葉だ。
 
一議員として、しつこく一つの事柄を追いかける。それが大切な政治姿勢だと思う。いつの間にか、追随を許さない存在になっているし、頑張っていると、思わぬ金脈に当たることもある。

 世相を表す今年の漢字は「命」と決まった。政治も、突き詰めると「いのち」を守ることだ。そして、「たった一度の人生」を大切にすることだと思う。
 
皆さんにとって良い年となりますようお祈りいたしております。

◆◇◆ 今週の「なんでやねん!?」 ◆◇◆

* 政府税調会長は「一身上の理由」で辞任。任命権者の安倍総理も「一身上の理由」との説明を繰り返すが、安倍総理は「一身上」では説明責任を果たしていない。武士の情けと仰るのだろうが、<何が適切で、何が適切でなかったのか>は、明確にする責任が、任命権者にはあるのではないか。

* 銀行が自民党への政治献金を再開するのはおかしいと先週の本メルマガで指摘したら、安倍総理は国会閉会時の記者会見で「当面は受けない。国民の理解が得られない」と発言。打ち合わせがなかったのだろう、同時刻に銀行協会は献金再開を表明。民主主義を守るためというなら、「すべての政党に献金する」と言ってもいいのではないか。要するに、財界の利益を擁護したい、企業権益を守りたいと思うから政治献金するのでしょう? やはり、企業献金は止めた方が良い。

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12月17日(日)号

 先週は発行をお休みしましたので、今回は2週間分です。いろいろありました。

◆◇◆ 2週間分の「なんでやねん!?」 ◆◇◆

* 本間先生へ。「売り払え」と言っていた高級公務員宿舎に、自分も住んでいたのでは、シャレにもなりません。大阪人は、そこまでがめつないで! そもそも、経済界の代弁者が、経済財政諮問会議から横滑りして政府税調の会長になる。この人事が大間違いなのだ。総理、しっかりしてや!

* 全国銀行へ。自民党への政治献金を再開する? ちょっと待って! 利益が出たのは、国民の税金を投入したからやないですか? 寄付をするなら、国庫か、社会貢献活動に出すのが筋でしょう。

* 安倍総理へ。タウンミーティングの実態は、自民党の選挙広報を仕切っている電通が、安倍官房長官らと示し合わせて、小泉人気を盛り上げようと画策した茶番劇。

2〜3百人の会場で、この手の会合をしたら、どのくらいの費用がかかるか。それは、同様の会合を何度も開催している政治家なら、すぐにわかる話。大臣には鞄持ちの秘書官や警護の警察官が付くし、エレベーターのボタンを押すのは、ホテルなどの従業員の仕事でしょう。

国民の懐をいじめたお金で、内閣支持率アップを狙った「政治ショー」を繰り返す。「総理としての歳費を3カ月分返えす」というのは、国家公務員法上、どのような「処分」なんでしょうね? 莫大な税金を、異なった意図で使うのは、罪にはならないのですか。

* 「刺客は、仕事が終われば死ぬ運命」と森元総理が言っているが、彼・彼女らは、刺客ではなく、党公認候補であったことをお忘れなく。復党組には「県総支部長」という新たな肩書きを用意して、政治資金の受け皿も作ってあげる。「黒い猫も、白い猫も、票を稼げる猫は良い猫」なんだね。

■ 12月4日、参院決算委での安倍総理とのやり取りから

* 政府の決算をチェックする会計検査院の最高意思決定機関は、3名で構成される「検査官会議」。現在は、大学教授、元総務事務次官、元国税庁長官(内閣官房副長官も歴任)の3名となっている。

これでは、余りに政府よりの人事ではないかと質したが、任命権者である安倍総理は「問題ない」と答弁。

実はこの3名体制も、日本が占領下にあった昭和22年、戦前からある会計検査院法が改正されて定まった人数だ。言わずもがなだが、教育基本法などと同じ年だ。

戦後60年以上経って、制度の見直しが必要なのは、会計検査院も同様ではないか。

* 中国残留孤児の帰国促進・自立支援を巡る裁判で、大阪地裁は国に過失なし、神戸地裁は国に賠償責任ありと断じた。両訴訟は、やがて大阪高裁でひとつの判断となって示されるだろう。

ところで、安倍総理の祖父、岸元首相は「満州国」の今で言う「通産大臣兼副首相」だった。戦後は岸内閣を組閣し、中国敵視政策をとり、中国残留孤児らの帰国を遅らせる要因になったとも言われている。さらに1959年には「未帰還者に関する特別措置法」を制定し、約1万3000人の邦人がいることを知りつつ、戦時死亡宣言を行った。ようやく日本に帰国し、自分の名前が消されている戸籍に呆然としたり、自分の墓に対面して涙した残留孤児も少なくない。中国残留邦人は、岸・安倍一族に、また捨てられるのだろうか。

同様に、抑留中の強制労働に対する対価を受け取れないまま、10万円の旅行券を配られて「これでおしまい」と告げられたシベリヤ抑留者の、苦しみ、悲しみ、無念さは晴れるのだろうか? 日本は美しくない!

◆◇◆ 今週の「がんちゃん日誌」から ◆◇◆

* 沖縄のホスピス医からメールをいただいた。沖縄では、公職選挙法上、50床以上の病院でないと不在者投票の出来る施設(指定施設)とは認められない。当院は48床。「残された家族の未来をたくす最後の選挙に、小さな病院に入院しているという理由で投票できないというのはおかしいと思う」とのこと。

調べてみて驚いた。総務省は、病院は「50床以上」との基準を行政指導しているが、どの施設が「指定施設」となるかは、「都道府県の選挙管理委員会が、その施設は公正な投票を遂行できる体制にある」と認めればよいとされているため、大阪府、京都府、兵庫県は40床以上、北海道は30床以上、神奈川県では20床以上と、ばらばらの状態なのだ。

投票に不正があってはならないが、菅総務大臣に「都道府県選挙管理委員会が、公正な執行が行われると認められる施設であれば、施設の大きさに係わらず、不在者投票の「指定施設」と指定することができる」との趣旨を都道府県選管に徹底せよと迫ったが、「選管で決められます。これは、国会でも答弁しています」と答えるのみ。

民主主義の根幹をなす「参政権」。その参政権を実質的に奪ってしまう指定制度の運用が、ばらばらの状態であることを、総理も意に介していないような答弁だった。安倍総理は「民主主義」を軽く見ている。

その後にいただいたメールを紹介する。

「投票の手段はないと患者様にその旨を伝えましたところ『おかしいよなあ・・・しかたないか・・・』との返事でした。本人が納得したんだからいいじゃない、という人もいますが、違います。とても重い「しかたない」なのです。病気になるということは、失ったりあきらめたりの積み重ねです。ある日入院が必要といわれ、歩くのは無理といわれ、トイレもベット上でといわれ、食べることもあきらめ・・・。結果としてそれを強いている医療者が、投票まで無理といわなくてはならないのが無念です。また、何とか車椅子で投票できそうな方々も地元の人に自分の変わってしまった容姿を見られるのはつらいということで誰も投票しないということになりそうです」。

 私の仕事は、まだまだ終わらない。そう痛感した質疑だった。

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12月3日(日)号

 明日、12月4日(月)、参議院決算委員会で「平成17年度決算」に対する総括質疑が予定され私も質問します。

 NHKテレビでも放映されますので、ご覧ください。質問時間は、午前11時40分から50分までと、午後1時から1時45分までです。

 質問では、中国残留孤児への支援、参政権の保障を指摘します。また、高齢化社会にも係わらず社会保障関係予算を毎年度2,200億円削減するため、頻繁な制度変更がなされ、その結果、社会保障制度に対する国民の信頼を損ねていることなどを指摘します。

■ HIV感染者、エイズ患者の増加に関して

 11月28日、参院厚労委での感染症予防法改正案の審議に関連して、HIV感染者、エイズ患者の増加に対する対応策を充実するよう求めました。

 質問準備のために資料の読み込みをしていて、木原雅子京大助教授の分析に、思わずうなずきました。木原助教授は、性行動が早く、活発化している子どもの特徴として、次の要因を挙げています。

(1)性描写のある漫画を読む、(2)自分の住む地域の性感染症の流行情報に疎い、(3)携帯電話を持っている、(4)先生の生徒に接する姿勢が公平でないと思っている、(5)家族との会話が少ない、(6)人生の生きがい感が乏しい。

 そして対応策として、性感染症の予防教育をコンド−ム装着法や、パートナーとの交渉スキルといった「技術」のみに矮小化するのではなく、戦略的視点に立つことが必要で、(1)性情報等の社会的節度を回復させる、(2)エビデンスなき教育や対策から脱却し、保健行政や学校教育のプログラムとマスコミからの情報提供を強化する、(3)人間的つながりを回復し、社会の有機性を高めるため、意識的にさまざまな努力を重ねることを挙げています。

 ここ数年、国会では「過激な性教育」を巡って、焚書や言葉狩りに似た状況がありました。その結果は、教育現場での教師の萎縮を招き、結果的には、有効な性感染症やHIV感染者の拡大防止には繋がらず、時間を浪費したと思っています。

 ログラム実施後に、生徒の行動がどの程度変わったかをしっかり分析し、プログラムの改善に努めておられる木原助教授の姿勢に、科学者としては当然なのでしょうが、感服しました。

 政治も積み重ねが大切だと思います。党首が変わったからと言って、それまでの政策をひっくり返すのは、愚策です。

◆◇◆ 今週の「なんでやねん!?」 ◆◇◆

* 教育再生会議が、いじめた側の子を「出席停止」や「別教室での指導」するという子供に対する「懲戒処分」を討議したそうです。いじめっ子を排除すれば問題が片付くわけではないことは皆が認めるところでしょう。しかし、こういった案しか出てこないことに、教育再生会議の貧弱さを感じます。戦国時代や軍隊組織など、非民主主義的な社会では、自らのルールに従わせたい時、力ずくで従わせるか、見せしめにするなどの強硬な措置を取ってきました。いじめる子や、いじめられる子にこそ、友達が必要なのです。小学校時代の苦い思い出に心が疼きます。

* 防衛庁を「防衛省」に昇格させることに、私は慎重であるべきだと考えます。自衛隊の法的位置づけも、また、国連の平和維持活動への参加も否定はしません。しかし、軍事色を強めることが外交上、得策とは思えません。また何より、シビリアンコントロールの主体としての国会議員が、自衛隊の制服組の意見に押されてしまうことを懸念します。国会議員は、それほど有能ではないとの自覚を持つべきだと思っています。

◆◇◆ 今週の「がんちゃん日誌」から ◆◇◆

* 12月8日と13日の2週にわたって、国会がん患者と家族の会の勉強会を開きます。テーマは「検診」です。がんで亡くなる人を減らすには、検診が鍵です。正確かつ簡単に検査が出来る体制と、受診体制の整備について、2回に分けて検討します。

* 抗がん剤が効いているのか、腫瘍マーカーが下がってきました。主治医によれば、「急速に腫瘍が小さくなると、その部分に空洞が生まれるので、それも良くない」とのこと。一喜一憂です。

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11月26日(日)号

11月25日に開催したパネルディスカッション「最善の抗がん剤治療を受けたい」は、多くの皆様のご支援のおかげで、無事修了しました。各領域を代表する皆さんに、パネリストとしてご参加いただいたことが、厚みのある議論になったと思います。キャンサーネットジャパンの皆さん、パネリストの皆さん、ご来場いただいた皆様に、御礼申し上げます。

■ パネルディスカッションで明確化された問題点

 パネルディスカッションでの議論を、私なりに総括してみました。問題は3点に絞られます。

(1) 抗がん剤だけでなく、がん治療全般に精通した医師を、どのように養成し、配置するか。

 医師の不勉強は否定できない。ただし、看護師らの職員を規定の定員以上に配置しないと、医師は燃え尽きてしまう。がん医療関連学会の役割も大きい。最終的には、医療費の多寡に行き着くのだが、「負担増を負担すべきは、保険料、税金、患者か」と会場の参加者に挙手を求めたところ、意外と患者という意見が多かったように思えた。「医療は、箱モノではなく、人への投資が必要」との認識が共有された。

(2) 医師が、どれだけの抗がん剤を使用できるか。

 既承認薬を使用して、患者によりメリットのある治療法を開発すること、未承認薬を早期に患者に届けること、日本発の医薬品や治療法の開発。いずれの問題も、治験を含む臨床研究の体制整備が不可欠。

 医師以外にも、薬剤師、看護師、データを整理する専門職員、統計学者などが配置されないと、うまく進まない。臨床研究の重要性が認識された。

(3) 医療従事者や行政の取り組みはもちろんのこと、がん患者・家族も「当事者」として、自ら学び、発言し行動すること。それが、がん医療に限らず、日本の医療を向上させる。

 がん患者が医師に、「こんな情報がありますが」と持ちかけることも大切。「当事者運動」として、がん患者会の活動を広めていくことが求められる。医療費抑制策が強化されるなか、急増する医療費を誰が負担するのかの議論の収束、巨額になっている構造の解明が必要。患者の「延命」についても議論の緒についた。患者会の果たす役割は大きい。

 今後は、国会がん患者と家族の会や、キャンサーネットジャパンとの協働で、勉強会を開いて、課題解決の道筋を考えてまいります。また、民主党内での勉強会も行います。今後とも、よろしくお願いします。

◆◇◆ 今週の「なんでやねん!?」 ◆◇◆

* 自民党の復党問題。戻りたいのか、戻したいのか。「戻り橋」という歌謡曲があったっけ? 統一会派というのも、単なる先送りの、姑息な手段ですね。そもそも、小選挙区で二人の自民党現職議員では、次の選挙での調整がつかないでしょう。それに、落選した自民党前職の復党問題は話題にもならないのですが、復党というなら議席のある人だけではなく、落選中の人も含めて取り扱うべきなのではないでしょうか。他党のことながら、政治の信頼回復の点から、心配しています。それにしても、自民党の要職には、かつての「復党組」がいっぱいおられるのに、「なぜ今回は、こんな騒ぎになってしまったのか」。そんな言葉が、自民党の中堅議員から聞こえてきます。

◆◇◆ これからの予定 ◆◇◆

* 11月28日(火)、参院厚労委での「感染症予防法改正案」の審議で、私も質問する予定です。12月1日の世界エイズデーを前にして、HIV感染者・エイズ患者の増加に対しての予防啓発、検査・治療体制の充実、性感染症に関する学校での教育、さらには、エイズ治療のナショナルセンターである国際医療センターのあり方、そして、国立高度医療センターの独立行政法人化について、質問します。

* 12月4日(月)、参院決算委員会で「平成17年度決算」に対する総括質疑で、私も質問します。安倍総理と全大臣が出席し、NHKテレビの放映も予定されています。社会保障関係予算が、医療や介護保険、障害者施策の変更に係わらず、今後とも毎年2,200億円ずつ削減されることの問題点を指摘し、政府方針を変更するように求めます。その他の質問も準備中です。

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11月19日(日)号

 今週は、教育基本法改正案が衆議院で与党単独で採決されました。立花隆さんが指摘するように、教育現場が抱える問題の解決が目的ではなく、教育基本法の前文を消し去りたいというのが、安倍総理の本音なのでしょう。

 大学の「全入時代」が望ましい姿か、私学助成はどのようにあるべきかなど、教育制度を巡る議論が足りなかったのではないでしょうか。いじめの問題にも、社会問題との観点からの鋭い切込みが求められていると思います。

 国会の混乱で今後の日程は未定ですが、私は、参院厚労委での「感染症予防法改正案」の審議と、決算委員会で質問する予定です。

 感染症予防法改正案では、HIV感染者・エイズ患者の増加への対応策、性感染症に関する教育などについての質問を予定しています。

 国会での仕事も順調、体調も落ち着いていました。質問準備に追われています。

◆◇◆ 今週の「なんでやねん!?」 ◆◇◆

* 教育基本法改正案は、自民・公明の与党が衆議院で単独で採決しました。タウンミーティングでの、謝金を払っての「やらせ質問」には驚きました。内閣府からの文書を見せてもらうと、「依頼されたと言わないこと」「棒読みしないこと」「自分の言葉を足して発言を」などと、こと細かな「指導」がなされています。税金を使って「国民の声を聞く会」を、世論の誘導に使うとは、あきれ果てますね。民主主義を理解していない人たちに、「教育」を委ねて良いのでしょうか。

◆◇◆ 宇井先生のご冥福をお祈りいたします ◆◇◆

* 11日に亡くなられた宇井純先生には、議員になる前に勤めていた職場が開催する「大学奨学生のつどい」で、講師を務めていただいていました。やさしい語り口ですが、権力を振りかざす者に対しての姿勢には、揺るぎのないものを感じました。沖縄大学で教鞭をとられた時に住んでおられたお住まいでは、クーラーではなく、扇風機で過ごしておられたとか。多くの大学奨学生が、宇井先生の姿勢から学び、自らの人生を決めた者も少なくありませんでした。宇井先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。

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11月12日(日)号

 今週は、驚くような事柄に、たびたび遭遇しました。

■ 教育基本法の改正が必要?

 8日(水)、安倍総理と小沢代表による「クエスチョン・タイム」がありました。

 「非核三原則を守るが、核武装議論をすることはかまわない」という安倍総理の発言は、矛盾しています。非核三原則を守る限り、核武装議論は不要です。

 そして、教育基本法をなぜ改正しないといけないかと問われての安倍総理の答弁が、次のようなものでした。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)我々は、正に今起こっているいろいろな問題に対応するためには、やはり新しい理念とこれは基本的な原則を示すべきであろうと、こう考え、政府の改正案を提出をしたところであります。

例えば、海水浴に行った子供が平気で空き缶を捨てる、その子に対してこれは注意をするわけでありますが、しかし、その子に対して、これはやはりそういうことをしてはいけないんだという規範を身に付けさせる必要があります。その中で、例えば私たちが出した基本法の改正案の中には公共の精神を培っていく、あるいはまた社会に参画する、そして社会に参画するという意識の中で貢献をしていくという態度を養っていく、また道徳、自律の精神、そうしたものをやはり今の子供たちにはしっかりと教えていく必要があるだろう。そして、それは現在の、現行の教育基本法には欠けているものであるという認識の下に我々はこの改正案を提出をしたわけでございますので、よろしくその成立に向かって更に議論を深めていただきたいと、このように思います。(拍手)

 大人社会で、道徳に反する事態が続発しているのに、子どもに向かって「ルールを守れ!」は、はなはだ勝手な言い分ですね。教育基本法を変えたら、子ども社会は変わるのでしょうか。

 東京都足立区が、テストの成績によって、予算の配分を変えるという案を発表しました。成績の良い学校に、より手厚く配分するそうですが、私は、成績の振るわなかった学校にこそ、手厚く配分すべきだと思います。

 未履修問題、タウンミーティングでの「やらせ発言」など、国や地方を問わず、私などの理解がまったく及ばないような、行政担当者の行動に驚きます。

あしなが育英会の街頭募金の集まりが悪かったと聞きました。助け合いの気持ち、社会貢献への企業の姿勢などが薄れていくのが気がかりです。教育基本法の改正や教育委員会制度の改革などよりも、社会の見えないところで起きていることに、どう対応すればよいのかを真剣に議論すべきです。

◆◇◆ 今週の「なんでやねん!?」 ◆◇◆

* 今週の秀逸な発言は、小泉前総理が「刺客」に対して「総理も使い捨てだ」と、バッサリと刺客を切り捨てたことです。最高権力者の総理と同列に扱われて笑い者にされた刺客組は、切り返しもできなかったのでしょうか。見事な切捨て御免ですね。

* 未履修問題に続いて、タウンミーティングでの「やらせ」問題。今の与党や内閣府、文科省は、大変なことをしているとの認識がないのでしょうね。政府が国民世論を誘導しようとする。これでは政府発表の統計数字は、どれも信用できないということになりませんか?

* 国立劇場でのこと。大石内蔵助の坂田藤十郎が花道を引き上げていく。その脇を、帰りを急ぐおじさんが、まるで足軽のように腰を曲げて小走りに行く。ひゃぁ〜。さらにさらに、花道を横切ろうとしたおばちゃんのグループがいた! さすがに、係りの人に止められていた。一般的なマナーを守っていないのは、何も子どもだけではありません。

* NHKに拉致問題に関する報道を増やすようにとの報道命令。いつかは報道管制に変わるのでしょう。弱腰のマスコミに、背筋が凍ります。ところで、NHKは、番組の宣伝が多いのではありませんか。それらの制作費にも受信料が使われているのでしょう。 自殺やいじめの予防、禁煙の奨励、がん検診の勧めなど、公共広告機構が苦労して放送しているような内容を、自局番組の宣伝の時間を使って、NHKも流せないのですか? 受信料を払うのが、益々いやになります。

* 民主党、歴史的な勝利。日本のことでないのが、ちょっと残念です。

◆ 自殺総合対策会議が初会合(朝日新聞11月7日東京本社版夕刊)

 政府は7日、先の通常国会で成立した自殺対策基本法に基づく自殺総合対策会議(会長=塩崎官房長官)の初会合を開いた。塩崎長官や高市男女共同参画担当相、伊吹文部科学相ら10閣僚が出席。来年6月をめどに、いじめによる子どもの自殺問題も含めて、防止策や自殺者の親族らへの支援を充実させるため「自殺総合対策大綱案」をとりまとめる。塩崎長官は「自殺は個人的問題としてのみとらえるべきものではなく、その背景に様々な社会的要因があることを踏まえて、総合的な対策を早期に確立すべき時期にある」と対策を急ぐ考えを示した。

 10月28日に施行となった「自殺対策基本法」が動き始めました。うれしいニュースです。

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11月5日(日)号

忙しく、また充実した1週間でした。

10月29日(日) がん患者ネット主催の「医と可笑し(いとおかし)」に参加。癌研有明病院緩和ケア科の向山雄人部長 の講演を聴きました。とても示唆に富んだお話しでした(要旨は、私のHPに載せています)。

30日(月) 前日からの流れで、がん患者会の方々と行動。厚労省との懇談会も行いました。地方での患者会の奮闘に、もっと中央で頑張らないといけないと思いました。

31日(火) 治療日でした。

11月1日(水) 国会がん患者と家族の会の設立総会。100名を超える国会議員の参加となりました。記念講演での、土屋了介・国立がんセンター中央病院長のお話も、なるほどと思えるところがいっぱいありました。

2日(木) 参院厚労委で1時間の質問。いじめ自殺、石綿被害者救済、腎臓売買、社保庁改革、がん対策と、相変わらずの盛りだくさんの質問でした。10時から5時まで、きっちりと他の質問者の質問も聞いていました。

3日(金) 文化の日。久しぶりに大阪に戻りました。移動日。

4日(土) 午前中は、難病団体からの要請行動を受け、午後は、大阪ボランティア協会の早瀬昇事務局長に頼まれて講演。「市民活動団体が政治家を利用する方法」や「がん患者って、どんな患者?」などをお話ししました。たくさんの方に、「元気な山本」を見ていただいて、安心していただきました。

5日(日) 日本死の臨床研究会の総会を傍聴。その後、東京へ戻りました。

元気ですよ。ちゃんと国会活動もしていますからね。ご安心ください。


■ 11月2日、参院厚労委での質問要旨と答弁

〇 いじめ自殺の報道が、「群発自殺」の引き金になる恐れがある。報道各社に「WHOの自殺報道のガイドライン」を守って報道するよう要請されたい。
内閣府答弁:WHOガイドラインは、厚労省関係のHPに載せている。見てもらっていると思う。(政府全体として、もっと真剣に取り組んで欲しい。そのために「自殺対策基本法」を策定し、自殺は社会問題だと訴えたのだからと念押し)

〇 石綿健康被害救済法ができたが、中皮腫治療薬のアリムタが承認審査中で自己負担でないと使えない。仏作って魂入れずの状態だ。同法の趣旨に沿って、被害者救済を進めるため、アリムタの購入費を国費で負担せよ。これは政治的判断の事項だ。
環境大臣政務官答弁:現行制度では困難。安倍内閣は、効率の良い小さな政府を目指すが、国民の声を聞く、温かい政府だ(ホンマかいな!?)、現行制度のなかで対応する。

〇 臓器移植法を参院で可決した時の附帯決議で、毎年、現状を委員会に報告することになっている。その報告を受けて質問。(1)健康保険証に臓器提供の意思表示欄が設けられるが、自発的意思であること、いつでも撤回できることを、保険証を受け取った人に伝えられたい。名前の上に線が引いてあれば、それは提供意思が撤回されたとみなすのか。
健康局長)よく検討する(ほんとに、トラブルが起きないように検討してよ。生殖補助医療に代表されるように、医療技術の進歩に、社会が追いついていない。国会にこそ、そうした生命倫理の問題を議論する場が必要だと思う)。

〇 宇和島での腎臓売買について。移植ネットワークを経由しない死体腎や生体間での腎移植も、届出・登録制度を作るべきだ。
健康局長)生体間での移植について、審議会で検討中。ガイドラインを策定したい(病気で摘出した腎臓まで移植されていたことが、翌日判明。やはり、届出・登録制度が必要。場合によっては法律改正も必要)

〇 社保庁改革案の取り扱い。
柳澤大臣)同法律提出後、社保庁の不祥事が発覚。与党側が、法案内容について、自分たちでもっと議論させよと言っている。厚労省の意向を与党が汲んでくれないので、厚労省としては選択の余地がない(与党は、来年の参議院選挙前に社保庁改革案を国会に提出するようだ。選挙を有利にする材料に、社保庁改革案を使わないで欲しい)

〇 年金は高齢者の消費活動を支え、介護や医療は、地域の雇用も生み出しているのに、社会保障制度の縮小は地方財政をさらに疲弊させる。
柳澤大臣:有効求人倍率で見ても、地方との格差は否定しない。しかし、社会保障の根幹部分で、地方政策まで入れるのは無理がある。国庫補助事業の国費2分の1までについては、施策によっては増額を検討したい(東京の一人勝ち。東京栄えて、国滅びる)。


■ メインの質問は、がん治療薬の保険外適用について

〇 乳癌治療薬にハーセプチンという薬がある。転移の場合の治療薬となっているが、手術後に使うと、転移を抑えられる効果があると言われている。分子標的薬のグリベックも、いろいろながんに効きそう。いずれも良心的な医師は、さまざまな困難をかいくぐって使用している。ところが、レセプト点検ではねられる。このような抗がん剤は、他にもいくつか例があると思う。学会や医師に依頼してデータを集め、早期の適用拡大につなげることが望ましいのではないか。
医薬食品局長:併用療法検討会でプロセスを迅速化した(その検討会は昨年2月に店じまいしている。もっと患者の利益を優先して欲しい)

〇 病院で多くのがん患者が「もう治療法がありません」と言われるが、それは、「保険の範囲内での治療法はありません」という意味。ガイドラインでいろいろな治療法が示されていても、病院独自の治療方針を持っている。包括払い(個々の患者の症状に関係なく、病状ごとに一定額を公的保険から支払う仕組み)が拡大しているが、新しい抗がん剤はみな高額なので、包括払いでは治療の選択肢が限られ、患者の追い出しにつながる。包括払いの危険性を認識して欲しい。アメリカの間違った医療体制を追随してはダメだ。
〇 最大量投与での縮小至上主義は、良い結果を生まないように思う。根治が困難となった時は、QOLを維持しながら、日常生活をいかに長く続けられるかの勝負。財政難から、「抗がん剤治療の延命効果は短い」という議論が、やがて出てくるだろう。しかし、それは平均値で、患者によって薬の効果がない人、短い人もいれば、長い人もいる。平均では語れないことを理解して欲しい。患者の側も、単なる延命ではなく、治療の結果生み出していただいた時間に、何をするかを考えないといけない。

残念ながら、質問時間切れで、ここは指摘に止まりました。


◆ パネルディスカッションのご案内

11月25日(土)、午後1時から、東京ウイメンズプラザ(渋谷)で、パネルディスカッション「最善の抗がん剤治療を受けたい!」を開催します。

第1部は、私が、がん患者としての体験を踏まえて、「なぜ標準的な治療が受けられないのか」「なぜ、治療法がまだあるのに、もう治療法はありませんと言われるのか?」など、患者が抱いている疑問を、パネリストの医師、薬学教育者、臨床研究担当者らにぶつけます。第2部では、私の発言を受けて、パネリストが熱い討論を展開します。

ぜひ、ご来場ください。詳細ならびに参加申し込みは、私のホームページをご覧ください。

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