2006年12月4日 決算委員会
 

   山本孝史君 民主党・新緑風会の山本孝史です。午前中に引き続いて御質問させていただきます。

  まず、安倍総理にお礼を申し上げたいというふうに思います。さきの通常国会で官房長官として自殺対策基本法の成立にお力添えいただきまして、本当にありがとうございました。また、がん対策基本法も、皆様の御協力のおかげで来年四月の施行に向けて準備が進んでおります。本当にありがとうございます。

  私事で恐縮でございますけれども、昨年十二月の末に胸腺にがんが見付かりまして、既に肺や肝臓にも転移をしているということで、治療をしなければあと半年の命ということを言われました。しかし、その後、治療のおかげでこうして今日も元気に質問に出させていただいております。ありがとうございます。

  この間に感じましたことは、自分の命は自分だけのものではない、自分だけの人生じゃないということです。そして、生きていることに価値があるということです。私も、来年夏には改選を迎えますけれども、引き続き国会議員として活動を続けたいと願っております。

  さて、がん患者となりまして、多くのお手紙をいただくようになりました。先日も沖縄のホスピスに勤めるお医者さんから、どうしても納得ができないというメールをいただきました。それは、公職選挙法による病院や特別養護老人ホーム等での不在者投票制度についてであります。沖縄県の場合は、五十床以上の病院でないと不在者投票ができる公職選挙法上の指定施設にはなれません。その病院は四十八床でした。残された家族の未来を託す最後の選挙に、小さな病院に入院しているという理由で投票できないのはおかしいと思うとお医者さんはおっしゃっておられました。

  調べてみて驚いたのですけれども、総務省は、病院は五十床以上との基準を行政指導しておりますけれども、どの施設が指定施設となるかは、都道府県の選挙管理委員会が、その施設は公正な選挙ができるという体制にあると認めればよいということになっております。このため、大阪府、京都府、兵庫県は四十床以上、北海道は三十床以上、神奈川県では二十床以上の病院であれば不在者投票ができる指定施設と認めることができるということになっています。

  投票に不正があってはならないことは当然ですけれども、総務省には、都道府県選挙管理委員会が公正な選挙の執行が行われると認められる施設であれば、施設の大きさにかかわらず不在者投票の指定施設と指定することができるという通知を是非各都道府県選管に発していただきたいと思っております。総務大臣の御見解をお伺いをします。

国務大臣(菅義偉君) 不在者投票制度でありますけれども、投票当日に自ら投票所に出向いて投票するという仕組みの例外でありますから、投票の秘密や選挙の公正を確保する、そういう必要性から厳格な手続が定められております。

  そういう中で、不在者投票を適正に行っていただくためには、やはり人的、物的に相当の規模の施設であることが必要であることから、設備や人手といった点を考慮し、従来より五十人規模と、こういうことを行っております。このおおむね五十人規模というのは絶対的なものでなくて、今委員から御指摘がありましたように、都道府県の判断によって、一番少ないところは神奈川県二十人、そういう、行われておるのがこれ現実であります。

  今委員の意見も踏まえまして、そうしたことも検討させていきたいと思います。

山本孝史君 検討するというお答えですけど、是非お聞きをいただきたいと思うんですが、その後にいただいたメールを紹介をします。

  もうこの選挙は始まっておりましたので、既に指定施設のことについてはどうしようもなかったと思いますけれども、投票の手段はないと患者様にその旨を伝えましたところ、おかしいよな、仕方がないかとの返事でした。本人が納得したんだからいいじゃないという人もいますが、違います。とても重い仕方がないなのです。病気になるということは、失ったりあきらめたりの積み重ねです。ある日入院が必要と言われ、歩くのは無理と言われ、トイレもベッド上でと言われ、食べることもあきらめる。結果としてそれを強いている医療者が投票まで無理と言わなくてはならないのが無念ですと、こんなメールを後でいただきました。

  今御指摘申し上げましたように、投票の基準がばらばらになっている。私は、民主主義の根幹を成す参政権、その参政権を実質的に奪ってしまう指定制度の運用がばらばらの状態であるということについて、総理はどのようにお考えになるでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、一つの目安として国としては示しているんだろうと、五十人というのは一つの目安として、恐らくそれによって適切な規模と公正性が担保されるという点においてのこれは一つの目安としてであって、あとはそれに準じて各都道府県において対応していると、このように思います。

  今、山本委員からもいろいろと御指摘もございました。そういう中にあって、所管の総務省として適切に対応していくと思います。

山本孝史君 この五十床というのは指定病院の基準で、昭和二十五年の質疑集の中で、これはその前に国会の議論等もあって、おおむね五十人以上の患者を収容するに足るベッドを有する病院を指定することとされたいという、こういうQアンドAの中で示されている基準なんですね。しかも、申し上げたように、それぞれができるから、片や五十床、片や神奈川県のように二十床。でも、選挙としては、参議院選挙のように全国区でやっているものもありますし、あるいは衆議院もブロック制度になってきましたので、そう考えますと、やはり基本はすべての人に参政権を保障するということであって、それをこうした指定制度の何か目安というときの目安。

  じゃ、これは目安ではないんなら目安ではないということをちゃんと通知で出して、各都道府県、例えば神奈川の二十床でもありますよ、二十床ぐらいまでのところはみんな行けるようにしようじゃないかというふうに是非内閣として取組をしていただきたいというふうに、それが僕は普通の姿だと思うんです。

  もう一度お願いします。検討するだけじゃなくて、総理。

内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそもその五十という目安を決めた、それは先ほど総務大臣が答弁したような基準を勘案をして決めたんだろうと。その中で、それは一つの目安でありますから、あとはその目安を勘案しながら都道府県で判断してきたことであろうと、こう思います。その中で、実際の全国でそういうばらつきもあるわけでありますし、そうしたことを勘案しながら総務省において適切にこれは検討していくということになる、対応していくということになると思います。