2007年2月15日 参議院厚生労働委員会
 

山本孝史君 山本です。

  本題に入る前に、中国残留孤児と在外被爆者の問題について、厚生省にとっては大変重要な問題ですので、お尋ねをしたいと思います。

  大臣は、二月の九日、中国残留孤児の皆さんと面会し、謝罪をされたと聞いております。

  そこで、お尋ねをしますが、何について謝罪をされたのか。帰国を妨げた、早期帰国を図る義務を怠ったことを謝られたのか、あるいは帰国後の自立支援策が十分でなかったとして謝罪をされたのか、あるいはその双方で謝罪をされたのか、お答えをいただきたいと思います。

国務大臣(柳澤伯夫君) 私は、今、山本委員の御指摘にありましたとおり、去る二月の九日、中国残留邦人の方々とお会いをいたしました。その際、実は私が、この東京地裁での判決のあった日に総理官邸でその原告団の方々が総理にお会いになり、その流れで言わば私のところにお寄りになられて、そこでも私、お会いしたんですけれども、何しろ日程が詰まっていて十分な時間が取れなかったわけです。

  この前お会いした残留邦人の方々というのは、実はその東京地裁原告団の方も若干名、二名かそこいらですけど……

山本孝史君 済みません、時間が押しているんですけれども。何を謝罪したのか。

国務大臣(柳澤伯夫君) ごめんなさい。

  その方々も入っておりましたが、ほかの方々が大半でございましたので、私は今回こうして皆さんにお会いするいきさつからお話を申し上げました。特に総理から指示のあった向きをお話し申し上げまして、この一連の政府側の動きというのは、法律理論であるとか、あるいは裁判の結果であるとかということとは全く離れて、別途のものとしてお会いをさせていただいていますということで、その辺りのことをすべて、総理からの御指示のいきさつ等を含めて私から申し上げました。

  その間、私も本当に皆さん方の御苦労に対していわゆるおわびを申し上げましたが、今あえて山本委員の方から、どちらであったか、あるいはそのいずれでもあったのかというお問い掛けがございましたので、あえて申しますと、私は、帰国後の支援策、細かくやったけれども、一番語学の点等について私どもの想定と違ってしまって、それがゆえに皆さんに大変な御苦労を掛けた、本当に申し訳なかったと、こういう趣旨での謝罪というか、陳謝をいたしたと、こういうことでございます。謝罪はちょっと取り消させてください。

山本孝史君 帰国後の自立支援策が十分でないことについて謝ったんだと。ここは裁判でいろいろと言われているところですから、また、それはいいんですけど、何を謝られたのかなというふうに思ったんですが。

  そうすると、支援策はいつまでにまとまるのか、手順として、厚生省と残留邦人の皆さんがお会いになって決まるのか、あるいは検討会のようなものを設けて決めるのか、これはどうでしょうか。

国務大臣(柳澤伯夫君) 私どもといたしましては、これは、まず何といっても中国の残留邦人の方々のお話を、あるいは実情を聞かせていただくということ、これをやらせていただいております。同時に、私ども、総理からの御指示の一か所でもあったわけですが、一部分でもあったわけですけれども、第三者である有識者の意見もよく聞きなさいということも言われたのでございます。

  そういうようなことで、率直に申して、与党にもPTなどもございますので、それとのすり合わせも事実上必要になろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、この中国残留邦人の皆さん方の実情をお聞きするということ、それから有識者を中心に取るべき方策についていろいろな御意見をお聞きするというようなことがメーンの手続になろうかと思います。

山本孝史君 これから考えるということですね。これまでいろいろ言われてきたのにというふうに思いますけれども。

  与党PTの案は白紙に戻ったというふうに聞いております。残留邦人の皆さんが帰国されて生活保護を受けなきゃいけないのは尊厳を傷付けられたと、こういうふうにおっしゃる気持ちは私はよく分かるんですね。しかしながら、生活保護制度の利用は日本国民に与えられた権利でございますし、もしそこに制度運用上の問題があるとすれば、それは解消しなければいけないだろうと思います。

  しかし、与党PTの案、今白紙だと言いつつも、もし厚労省が生活保護制度に代わる特別給付金制度を設けるということになりますと、生活保護制度を自ら否定するようなことになってしまうのではないかと今私は危惧をしているのですが、ここは皆さん方の御要求の部分もありますので、どんなふうに受け止めておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

政府参考人(中村秀一君) 生活保護制度との関係でございます。これからの対応案につきましては、大臣から御答弁申し上げましたように、有識者の方の御意見も賜りながら中国残留邦人の方々の実情をよくお聞きした上で、また与党ともよく御相談してという手順になるかと思います。

  先生から御指摘いただきましたように、生活保護制度、年金等の社会保障給付などを活用してもなお生活に困窮する場合に最低限度の生活を保障するものであり、すべての国民の権利として保障されている最後のセーフティーネットでありますので、正に安心の基盤でなければならないと考えております。

  私も、大臣が中国残留邦人の方々にお会いいただきました際に残留邦人の方々の実情を聞かしていただいたときに、特に生活保護を受けておられる方が残留邦人の六割ないし原告団の七割とお聞きしておりますが、大変やはり運用、受ける上では誇りを傷付けられたとか大変制約があるというようなことはお伺いいたしておりますので、どういう問題が更にあるのか、生活保護の立場からも中国残留邦人の置かれている特別な御事情ということをよく踏まえて、改めるべき点があれば改めていく必要があると、こういうふうに考えております。

  所得保障制度としては、年金等生活保護制度ございますので、給付金というようなお考えも各方面からいただいておりますが、所得保障制度の体系としてはなかなか一般制度として、老後についていえば老後を中心として年金があり、それでセーフティーネットとして不十分な場合に生活保護があるという所得保障制度の体系からいいますと、給付金制度、いろいろ根拠はあるのかも、御主張の根拠はあるのかもしれませんが、社会保障制度の体系についてかなり大きな問題があるのではないかというふうに考えており、よくその辺については有識者の方々の御意見も承りながら今後の対応策について検討を進めさせていただきたいと思っております。

 
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