2006年5月22日 参議院本会議で”がん告白”
「自殺対策基本法」と「がん対策基本法」の制定を訴える

孝史を見守る扇千景参議院議長
がん対策基本法採決の瞬間 全会一致で可決成立
宿舎に戻り安堵の色を見せる
「がんになって『生きるってなんだろう』と考え続けました・・・」
参議院選挙に出馬 「がんイコール リタイアではない! 命を切り捨てない政治を!」と訴える
当選を果たすも入院
  「生きたい、生きて仕事がしたい」
イチ、ニ イチ、ニ イチ、ニ イチ、ニ ・・・・・・
『救える「いのち」のために』をまとめ上げ、孝史は黄泉の国へ旅立つ
再び主をなくしたランドセルは・・・
会場に響き渡る孝史の声 

(ゆき)今も孝史の声が聞こえてくるようです。イチ、ニ、イチ、二・・・。

(孝史・声)イチ、ニ、イチ、二・・・。

朝、目覚めると「きょうも一日分の命をいただいた」と思うようになりました。

がんも末期になると、思うように身体が動きません。目覚めてもすぐには起き上がれないのです。

目を開けたり、眠りに戻ったり、しばらく行きつ戻りつしながら、頭と身体を眠りの世界から現実に呼び戻すのです。

妻が作ってくれる人参とリンゴのジュースを飲んで、痛み止めを飲むと身体が動き始めます。そして、「きょうはこの仕事をしよう、と目標を立てると、不思議と気力もわいてくるのです。

「一日一生、一日一善、一日一仕事」。そう自分に言い聞かせて、新しい一日、一日を重ねています。長く生きたいとも思うけれど、「どのように生きるか」を考えるようになりました。

「いのちを見つめ、いのちを大切にする」―これが僕の生き方です。治らないがんになったのも、僕に使命、天命が与えられてのことだと思っています。

「自殺」と「がん」の2つのいのちの法案を成立させました。これからは自分自身の「いのち」を見つめ、最後まで自分の人生を生き抜きたいと思っています。

イチ、ニ、イチ、二・・・・・・・。

 
ケーナと古筝演奏「ふるさと」
 
 
第2部
 トーク 「これからの自殺対策」
「自殺対策基本法」が成立したとき、山本孝史は、清水康之さんと佐藤久男さんにバトンタッチができると肩の荷を下ろしていたことなど、秘話を交え、しばし、山本の人柄についてのトーク。清水さんは、「基本法の制定過程で、山本さんが「尾辻ー武見ライン」が動き出したから、自分は身を引こうと思う」と電話してきた話を披露。山本が所属する民主党は当時は野党。尾辻秀久先生と武見敬三先生は与党・自民党の重鎮。常にゴールを見据え、最短距離での目標達成に向かう山本孝史の姿が見えた。

佐藤久男理事長は、中小企業の一人ひとりの経営者の相談にのり、10年間で2000人以上の相談にのったという。この地道な活動をもとに、秋田県の自殺対策は全国のモデルとなっている。

基本法は成立から丸6年になろうとしている。不備なところは改善していきながら、自殺防止のために、民間団体や行政、専門家たちが横の連携をとりながら対策を進めていく重要性が話し合われた。

写真: 左から総合司会の工藤東子(くどう・とうこ) 清水康之(「ライフリンク」代表) 山本ゆき 佐藤久男(「蜘蛛の糸」理事長)