久留米大学大学院石川捷治ゼミ主催 山本ゆき氏講演会
(2013年3月20日 於: 久留米大学御井学舎500号館51A教室 )

協賛:久留米大学法学会 立命館大学福岡県校友会 津田塾大学同窓会福岡支部

「がん、自殺、交通事故 -- 生きる力を見つめて 
  〜山本孝史に学び、今、被災地を思う〜

石川ゼミのスタッフの皆さん
久留米大学法学部のホームページに掲載された講演会案内

山本ゆきさんをお招きして、「いのち」をキーワードに「私たちができることは何か」を再び考える機会になればと思い企画しました。山本さん自身、3月11日は被災地で過ごされるそうです。がん、自死、交通事故と継続的に現場にかかわってきた山本さんが、「いのち」をどう語るのか、是非とも皆さんと一緒に考えられればと思います。

講演骨子はこちらです

今回の講演は、石川ゼミの学生さんが、インターネットの動画で、がんを告白し、がん対策基本法と自殺対策基本法の成立を訴える山本を見て、ゼミの仲間に呼びかけられて実現したと伺いました。

「山本孝史」といえば、がん患者の国会議員として最後まで責任を全うし、「がん対策基本法」と「自殺対策基本法」を一ヶ月も残っていない会期内に成立させて彼岸に渡った政治家、ということで知られています。

なぜ、山本は、自らに課した「いのちの二法案を成立させる」という最期の仕事を完遂できたのでしょうかー幼少時から山本の生涯を貫いた「いのちへの思い」、そして、大学3年の時に初めて知った「人の役に立つ喜び」の二つ要素が大きく関係していることをお話ししました。最期の日々を自分亡き後の世のために捧げることーそれは、山本自身の「不治のがんを生きる力」の源でもありました。

そして、岩手県大槌町の人たち。東日本大震災の巨大地震、津波、火災で大切な命も家も財産も失った人たちが、懸命に生きながら、どのような思いを抱いておられるかを、写真をお見せしながらお伝えしました。

うまく伝えられたかどうか自信はありませんが、今後、学生の皆さんが生きていく上で、少しでもお役に立てばと思っています。

ご協賛くださいました久留米大学法学会 立命館大学福岡県校友会 津田塾大学同窓会福岡支部の皆様に心より感謝申し上げます。校友会副会長の久間康弘さん、津田塾大学福岡支部長の西川ともえさん、「生きる力がつく授業」を実践されております北九州私立小倉中央小学校の菊池省三先生、福岡がんサポートセンターから、そして一般の方にもご参加いただきました。ありがとうございました。

閉会のあいさつで、主催者側から次のような感想をいただきました。

「思えば、私たち大学2年生は、高校の卒業式の直後に東日本大震災が起こり、大学の入学式も自粛ムードのなか行われた世代です。

ふと、そう思い返しながら、「東日本大震災から2年」というのは、私たち 大学2年生にとっては、多くの人たちとは、また違った意味があると思いました。

『いのちを守るのが、政治家の仕事だ』と信念と使命感を持って突き進まれていた山本孝史さんから、『いのちを守りたい』という大学生である私が、どのような形で『いのち』のバトンを受け取れるのか、不安な部分もありますが、この気持ちだけは決して忘れず、大切に育んでいきたいと思いました。

なんだか私たちは『一日一日を大切に生きる』ということを、うかうかしていると、ついつい忘れてしまいがちです。がん患者を生きること、自死遺族を生きること、被災地を生きること、そしてこれらのいずれでもない、『普通の日常』を生きる私たちだからこそ、実は冷静に、『 いのち』を静かな眼差しでしっかりと見つめることができるのだと確信しました。どうやらそれが、恥ずかしながらですが、『私の役目だ』と実感し、明日からまた「一日一日を大切に」生きようと思います。」

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とても印象に残ったあいさつでした。「卒業式」、「入学式」という人生の節目の時、喜びや希望にあふれる時を自粛ムードの中で過ごした世代は、特に、「普通でいること」の幸せも強く感じているのではないかと思います。

人間は同じ体験をするわけではありません。 体験がなくても想像力がありますし、感情移入もできます。普通の生活をしながら、静かに「いのち」を見つめ、異なる境遇の中で生きる人たちへ想いを馳せること、その大切さに気づかれたことは、講演をさせていただいた私にとって、とても嬉しいことでした。