山本孝史の記録
第一章 いのちの政治家(国会質問 4.社会保障<2>)
 
社会保障制度の改革のため、自らのスタッフを引き連れ役所に乗り込む意気込みを
丹羽雄哉厚生大臣 に質問 

- 参 - 厚生労働委員会 -平成16年11月16日

山本(孝)委員・・・そういうふうに見ておりますと、私は、社会保障制度の改革が、今後、分配から分担へというふうに議論の焦点が変わっていく中で、社会保障制度を再構築するには政治のリーダーシップというのは不可欠だと思うわけです。そういう意味では、腰を据えて改革に取り組む大臣がおられるか、あるいは……(発言する者あり)静かにしていただけませんでしょうか。

江口委員長 静粛に願います。

山本(孝)委員 みずから自分のスタッフを連れて役所に乗り込んで改革をするぐらいの意気込みがありませんと、社会保障制度改革はできないのではないかと私は思います。
  そういう意味で、ちょうど七年前、私の当選する前まで丹羽先生は厚生大臣でおられたわけで、政務次官等々も御経験される中で、この社会保障制度改革、あるいは大臣として今回御担当なさっておられる中での年金改革等々、さまざま御意見があろうかと思います。ぜひ御所見を、心情をお聞かせいただければというふうに思います。

丹羽国務大臣 私が申し上げることが適当かどうかよくわからないわけでございますけれども、ただ言えますことは、今我が国においては、一つは財政の問題であり、もう一つは社会保障の問題というものが大変大きな問題でございます。
  率直に申し上げて、これは何も厚生省だけではございません。縦割り行政ということが指摘されておるわけでございまして、まさに政治のリーダーシップが問われておるわけでございますが、法案も多いし懸案も多くて山積みであります。率直に申し上げて、目配りして、朝の新聞を見るだけでも精いっぱいでございまして、何が起きたかなということでありまして、リーダーシップを発揮することが非常に難しい状況にあります。
  しかし、それは政治家としてのあるべき姿ではありません。日本の役人というのは大変優秀であるけれども、これまでのかじ取りというのはなかなか変えない傾向があるのではないか、こう私は思っておるわけでございますし、基本的なかじ取りというものは、私たち政治家がリーダーシップを持って、国民の皆さん方のニーズ、さらに将来を見据えてきちんとしていくことが大事ではないか、こう考えているような次第でございます。・・・ 要は、私は、やはりその任に当たった者のやる気、姿勢の問題ではないか、このように考えているような次第でございます。

 
大臣の頭の中にあるものを大臣の考え方に沿って御発言を 「今後自立支援という、そういう表現にさせていただきたい」
尾辻秀久厚生労働大臣に質問

- 参 - 内閣委員会 平成13年11月20日

山本孝史君 ・・・社会保障制度全般の話についてお聞かせをいただきたいと思います。
  大臣は、大臣の所信の中で社会保障制度構築のキーワードは自立であると繰り返し述べておられます。この自立であるということについてもう少し説明をされないと、私は誤解を招いているのじゃないかと。大臣の立場からして、私は思うのですが、もう一度大臣がおっしゃっておられる自立がその社会保障制度再構築のキーワードであるという、この意味を御説明をいただきたいと思います。

国務大臣(尾辻秀久君) この自立という言葉を私が使いましたのは、前にここでお話ししたかと思いますけれども、障害者団体の方とお話ししたときに、自分たちはタックスイーターからタックスペイヤーになりたいんだとおっしゃった、その発言が大変印象に残っておりまして、感動も覚えたものですから、正にポイントの一つがここにあるなと思って、その言葉をキーワードの一つに挙げたところであります。
  しかし、今言っていただきましたように、自立と言って余り説明しませんと、これを非常に狭く解釈されて、仕事をやれやれと言うのかと、仕事に就けと言うのかというふうな理解のされ方もしますので、改めて、今日いい機会をいただきましたので、私の考え方を申し上げておきたいと思います。
  我が国の社会保障制度は、自助と自立の精神を基本として、個人の責任や自助努力では対応し難いリスクに対して社会全体で支え合う制度である、私はこう思っております。急速な少子高齢化が進む中で持続可能で安定的なものとしていくためには、いつも不断の改革を行っていく必要がございます。
  その際でございますが、例えば、これから私が申し上げたいことでありますが、障害者ができるだけ身近な地域で自立して暮らせるようにすること、あるいは要介護の高齢者も住み慣れた地域でできるだけ自立した生活を送れるようにすること、生活保護の被保護者について、その実情に応じてできるだけ自立できるようにするといったような視点、すなわち、申し上げましたように、広い意味での自立という言葉で解釈していただければ有り難いと思うところでございます。

山本孝史君 今の御答弁は、ほかの機会に質問されたときに同じ御答弁をされておられます。答弁は変わるわけではないと思いますが、余り書いたものを読まれると、それはだれが書いたんだと、こう思うわけです。大臣の頭の中にあるものを大臣の考え方に沿って御発言をしていただきたいというのが私の今日の思いでございまして。
  そうなんですが、しかし必ずしも、ほかのところの箇所を見ておりますと、そういう意味合いには取れないような感じがするんですね。
  それで、こういう思いを持つのは私だけかなと思っていましたら、衆議院で社民党の阿部知子さんが全く同じ質問をしておられるので、ああ同じようにみんな思うんだなと、こう思ったんですが。
  自立という言葉を広辞苑で引きますと、「他の援助や支配を受けず自分の力で身を立てること。ひとりだち。」と書いてあります。ちなみに新潮の国語辞典では、「自力で生計を立てること。」、岩波の国語辞典では、「自分以外のものの助けなしで、または支配を受けずに、自分の力で物事をやってゆくこと。独立。ひとりだち。」と書いてあるんです。
  要は、自分の力で生計を立てる、他の者には依存しないというのが自立なんですね。同じような意味合いで、かどうか知りませんが、小泉総理大臣は、自助あるいは自律、このときの律は自ら律するの自律ということを使っておられます。
  一般論として、自立とか自助とかということを私も否定するものではありません。しかしながら、厚生政策の運営の最高責任者である尾辻厚生大臣が自立という、私が先ほど申し上げました、他の力に頼らず自ら生計を立てることということの自立ということを強調されますと、これは社会保障制度の在り方というものをどう考えておられるんだろうというふうに思わざるを得ないわけです。
  けど、どうも考え方としては、自らの力で立ってほしい、この社会保障制度に頼るなと、こういう思いでおっしゃっておられるように私には聞こえるのですが、そうではないのでしょうか。

国務大臣(尾辻秀久君) 私が、この自立というのがキーワードだというふうに大臣になりましてから盛んに言いましたことが今みたいな理解のされ方をするのかなと思いまして、その点については率直に反省もしたいと思います。
  ただ、日本の今まで社会保障制度を支えてきた考え方、特に総理が言っております自助と自律などという考え方、これはもうずっと取ってきた考え方でありまして、そういうことからすると自立といっても二番せんじみたいなところもないわけではないんですが、私があえて言うとそこだけがこう突出するというんですか、何か、そしてそれで日本の社会保障をというふうに理解をされると、そういう理解のされ方もあるのかなとつい思うんですが。
  私が言いたかったのは、今までの社会保障の考え方、自立とか自助とか、自助自立とかいったようなことに加えて、改めてこう、それぞれの皆さんが、今言っていただいたように自ら立つ。自ら立つという意味は、仕事をするというだけではなくて、社会の中でしっかり生きていかれるというようなことも含めて自立をしていただく。改めてこういう視点も必要なんじゃないでしょうかというような意味で申し上げたつもりでございます。

山本孝史君 私、例えば中越地震の被災者の方も障害者の方も高齢者の方も生活保護を受けている皆さん方も、すべての人たちは自ら自立したいと願っていると思うんです。しかしながら、そうならない世の中になっている。そこのところに自立だ自立だと言われますと、ちょっとその意味の取られ方が違うんじゃないか。中越地震の被災地に行って、これからの社会保障制度の再構築のキーワードは自立ですと言えないですよね。障害者の方を目の前にして自立です、こう言い切ってしまうと言葉がその先続かないんです。本来は自立を支援するんですよ。自立を促すとか図るとか自立せよというんじゃなくて、厚生省の立場は自立を支援するんです。
  厚生省の立場は、皆さん方がいろんな生き方ができるようにいろんな選択肢を準備して、それを選択をできるようにすること、それが厚生省の、生に厚いという厚生省の仕事であって、今は厚生労働省ですけれども、ということなのであって、自立というところで止めてしまうと、私は大臣の、恐らく、今のお話を聞いていて、お考えと言葉から取られるイメージは違うのではないだろうかと思います。
  しかしながら、多分大臣の頭の片隅には、自立をしないで社会保障制度を、依存している、悪用しているフリーライダーがたくさんいるという思いもおありになるのかなと思うんですが、そういうことですか。

国務大臣(尾辻秀久君) まず、確かにおっしゃるように、自立支援と正確には言うべきだと思いますから、今後自立支援という、そういう表現にさせていただきたいということは、御指摘いただきましたのでまず思いますということを申し上げたいと思います。