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「グリーンピア土佐横浪」視察記(2004年3月27日、28日)

 4月6日にテレビ朝日が「スクランブル」で、「黒字化でも閉鎖・・・年金事業怒りの裏切り体質」 と題して「グリーンピア土佐横浪」の特集を放映しましたので、番組の内容と合わせて視察の模様を報告します。
写真上:テレビ朝日「スクランブル」より 写真左:黒字に転換した深田智之社長(右端)と清水氏(3/27)。 写真右下:須崎市長(右から2人目)から閉鎖の経過と今後のビジョンを聞く(3/27)

  大型保養施設グリーンピアは、廃止後も悲劇を生んでいます。
  グリーンピアは、年金給付に充てるべき保険料から3800億円もの巨費を投じ、全国13ヶ所に建設されました。毎年、多額の赤字を出し続けてきたため、小泉首相は国会で「2005年度までに、安くてもすべて廃止処分」と言い切りました。「やっかいものは切捨てごめん」という小泉流のやり方です。しかも、運用主体となった国や県、年金資金運用基金などの責任はいっさい問われることはないのです。その無責任さに、地元の怒りは爆発しています。

  2年前に、民間の手によって、赤字から奇跡の脱出を遂げた高知県須崎市の「グリーンピア土佐横浪」も、突然の廃止通告を受けました。「土佐横浪」は、100万坪の敷地に135億円をかけて、スキー場などの大型レジャー施設を併設したホテルとして1987年に開業。2年目から赤字を出し続け、累積赤字が11億円にのぼっていました。

  その「グリーンピア土佐横浪」に新風をもたらし、黒字転換に成功したのが、民間のベンチャー企業・リゾート・コンベンション企画の深田智之社長でした。2年前に県から運営委託を受けた深田社長は、経営を徹底的に見直し、運営コストを圧縮し、短期間に赤字を黒字に転換させました。地元の特産品や農業、漁業、豊かな自然を活かすことによって、たった2年間で1500万円もの黒字を出したのです。

  「グリーンピア土佐横浪」が町おこしの核となり、須崎市の発展に期待を寄せ始めていた地元住民にとって、国からの閉鎖命令は晴天の霹靂でした。すぐに、存続の署名を行ったところ、4日間で、2600人中1800人分の署名が集まりました。

 直訴された笹岡豊徳市長は、「存続したい気持ちは私も同じ。ただ、あとの財政負担をどう無くしていくかがネック。」の一点張り。結局、存続を望む地元住民の声は聞き入れられず、3月31日、「土佐横浪グリーンピア」はついに強制閉鎖に追い込まれました。

 いったい、グリーンピアとは何だったのでしょうか。国民の巨額の年金資金を費やし、運営の赤字を地方自治体に押し付け、民間企業の黒字の芽を摘み、地元住民と国民に犠牲を強いてきただけではないでしょうか。役人の無責任体質を浮き彫りにし、国民の年金資金を食いつぶした責任を問わなければなりません。

 年金資金運用基金の浅利裕室長は、「責任をとらないのか?」の問いに「私の立場からは申し上げることではないと思います」。一方、高知県は、「今後については、運営の主体となるのは須崎市だから口を出す立場にはありません」と逃げ口上のみで、どちらも「我関せず」の態度を貫いています。

 県から1億円で土地と建物を譲渡される須崎市は、今後のグリーンピア活用ビジョンを住民に示すべきです。性急に入札を行い、老人福祉施設とホテルへの転換を希望している医療法人に委託する話が進んでいるといわれています。10年後には、その医療法人に、現在でも相当の資産価値がある敷地を安価な値段で売却するのではと心配する声もあります。

  地域活性化の核となるべくグリーンピア土佐横浪を、一法人が資力に物を言わせて独占しようとしていることに、住民は反発し立ち上がりました。自分たちが1億円を用意し、買い取る決意もしているようです。この熱き住民の想いに冷や水を浴びせるようなことを須崎市はすべきではありません。

 国会でも、国民の年金資金の無駄遣いを徹底検証していきます。 

 

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