第1回 希少がん患者サミット 〜これまでの希少がん、これからの希少がん〜
国立がん研究センター 新研究棟 大会議室
2019年4月27日(土)、第1回 希少がん患者サミット 〜これまでの希少がん、これからの希少がん〜(主催:日本希少がん患者会ネットワーク、共催:国立がん研究センター 希少がんセンター)が開催され参加しました。
山本孝史のいのちのバトンは2018年2月に発足した一般社団法人日本希少がん患者会ネットワークの正会員団体となっております。
初めての試みとなったこの患者サミットは、「希少がんを知る」「取り組みを知る」「課題解決を探る」をキーワードに展開。患者自らが、課題解決に向けて大きな一歩を踏み出したイベントとなりました。
報告書 (一般社団法人日本希少がん患者会ネットワーク ホームページより)
パネルディスカッション「それぞれの立場からの治療選択とは」
中村健一・国立がん研究センター臨床研究支援部門研究企画推進部長、佐々木治一郎先生、 福岡敏雄先生と RCJ理事3名(患者側代表)による討論。
座長は眞島喜幸 RCJ 理事長と西舘澄人副理事長。 最初に腹膜偽粘液腫(PMP)患者支援の会東靖子副代表、小児脳腫瘍の会馬上祐子代表、胸腺腫・胸腺がん 患者会ふたつばの山本ゆき共同代表が、それぞれの疾患の治療状況を説明し、希少がん特有の問題、(1)治療法が確立されていない (2)保険適用となっている薬が少ない (3)ガイドラインがない (4)患者が求める治療法を認めてもらえないことなどを指摘した。
これらの指摘を受け、中村氏が、原因は希少がんの臨床試験が行われてこなかったためであり、現在は、少ないながらも試験が走り出していると説明。ガイドライン作成に関しては福岡氏が、これからは患者の参画が必要であり、また、エビデンスの検証プロセスの中で未解決部分を課題として提示することも重要、と今後の在り方を示唆。
ゲノム医療に関しては、「現段階では検査を受けても6割の人に薬がない状況。キーになる遺伝子は8割~9割は見つかると言われている。検査を受けていれば、将来の患者さんのみならず、今の患者さんにも新薬の治験にアクセスする可能性も出てくる」と中村先生と佐々木先生。1例としてマスターキープロジェクトへの登録が紹介された。
最後に、川井章・希少がんセンター長が、「治るべき希少がんをきちんと治す。治らない希少がんの新しい治療法を開発する」がモットー、と語り、眞島、西舘両座長が、「RCJの目的は、患者、医療者、行政、製薬企業が連携することにより、患者さんによりよい医療と薬を提供することであり、ゲノム医療においても希望をもっていきましょう」と締めくくった。