がん患者会合同勉強会
国立がんセンター対策情報センターの祖父江友孝さんを講師に迎え、標記の会合が開かれました。がん罹患者を洩れなく、また重複なく把握して「がん罹患率」を知ること。それらの患者さんの5年後の生死情報を重ね合わせて、「5年生存率」を知ることは、がん対策の効果測定や方向性を定めるうえで不可欠の事業です。
がん診療連携拠点病院での「院内がん登録」の精度の高い実施を支援するともに、地域がん登録の全国での実施を進めて都道府県単位で各種データが比較できれば、がん医療の水準向上に大きく寄与することは、先行する欧米の例からも確実です。また、がん登録の情報と、病院内における治療記録を重ねあわせれば、各病院における治療成績の向上にもつながります。
問題は、把握洩れ(登録洩れ)をなくす対応が必要だということです。がん対策基本法には、「がん登録」との文言は盛り込めませんでしたが、参議院厚労委での附帯決議で「がん登録は不可欠の制度。院内がん登録、地域がん登録制度の更なる推進と登録精度の向上並びに個人情報の保護を徹底するための措置について、本法成立後、検討を行い、所要の措置を講ずること」を政府に求めています。
センシティブな情報を扱いますので、がん登録制度の必要性に関する国民の理解と協力がないと実施できません。がん登録が国民の健康と生命を守るために絶対必要な制度であることを、がん患者会が先ずもって良く理解しておくことが現時点では一番求められていることです。