金子みすヾ ーー 最期の写真館
芝居屋無門館公演 MANDALA南青山店にて
早坂暁先生の脚本・演出による小野山千鶴さんの一人芝居「金子みすヾ ーー 最期の写真館」を観ました。私自身、童謡詩人・金子みすヾの詩に3~4年前に出会い、なんて素直で無垢なんだろうと感激した事を思い出します。
早坂先生に、「参議院は郵政改革法案で忙しいでしょうけれでも、このような違った世界も味わってください」とお声をかけていただきました。実は、私の頭の中は、郵政のことよりも官民挙げての「自殺予防対策」でいっぱいです。26歳の若さで自ら命を絶ってしまったみすヾさんが、僕を呼んでくれたのかもしれません。
会場には、 みすヾの娘さんのふさえさんもお見えで、「今ならば、私も道連れにされていたところ。心の中で、長い間、『なぜ? なぜ?』と思ってきたが、今では、母のことが理解できる」とおっしゃっていました。
パンフレットからこの芝居について引用します。
童謡詩人・金子みすヾは、愛児ふさえのおしゃべりを「南京玉」と名づけた一冊の手帳に綴っていた。「金子みすヾ ーー 最期の写真館」は、この「南京玉」をモチーフにしながら展開する。
死を覚悟したみすヾが、最期に訪れた写真館。店主を待つあいだ、みすヾは、愛児ふさえに語りかけるように、自らの来し方を語り始める。
みすヾは、写真館を出ると、桜餅を買って帰宅する。ふさえをお風呂に入れ、一緒に桜餅を食べたその夜、一人で旅立っていく。26歳の短い命だった。
作家早坂暁は問いかける。「命の大切さをうたう詩人のあなたがなぜ?
みすヾの答えとは・・・。
金子みすヾの詩を一つ紹介します。
蜂と神様
蜂はお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土塀は町の中に、
町は日本の中に、
日本は世界の中に、
世界は神様の中に。
そうして、そうして、神さまは、
小ちゃな蜂の中に。