vol.1 2001年11月~12月

11月12日(月)号

「蝸牛のつぶやき」再開

参議院選挙のために中断していました「蝸牛のつぶやき」を、再開します。

山本孝史は、現在、参議院議員(大阪選挙区選出・民主党)として活動しています。所属委員会は、内閣委員会、行政監視委員会、災害対策特別委員会です。民主党政策調査会副会長 参議院国会対策副委員長としても活動しています。

今後ともご指導ご支援を賜りますようお願いいたします。

ちょっと変じゃありませんか

いわゆる「テロ特措法」審議の一コマ。

小泉総理は「自衛隊は危険なところには行かせない」と答弁しているのに、自民党の議員は「派遣 された自衛隊員が死亡したら弔慰金はいくらか?」と、何度も質問するのです。
沖縄への観光客が減少していることにも、「炭そ菌のワクチンは十分に用意してあるので、安心して沖縄に来てください」と答弁する奇妙さ。変ですねぇ。

参院初質問は村井大臣に

11月6日の内閣委員会で、参議院議員として初質問にたちました。相手は警察・治安維持の責任者村井仁・国家公安委員長です。

冒頭、米国同時多発テロ事件に関連して、国内におけるテロの危険性について質問。国民の不安をあおるのではなく冷静かつ慎重な対応をと求めました。

続いて、年間3万人を超える自殺者問題を取り上げ、内閣全体の問題として省庁横断的に取り組むべきだと要求。村井大臣は問題の重要性は認めつつも、「警察としての対応については研究させてもらいたい」と答弁するのみで、まだまだ認識が甘いと感じました。

さらに、犯罪の検挙率が急落している現状を指摘。「犯罪の急増に捜査人員が足りないことが原因」との答弁に、必要に応じた増員をするよう強く申し入れました。
最後に、ライフワークでもある交通事故問題を取りあげ、ドライブレコーダーの開発普及や違法駐車対策の促進など、様々な手段を講じて少しでも被害者を減らしていくよう求めました。

いずれも国民の生命と安全に直接関わる問題です。くらしの安心・街の安全・社会の安定を目指して、今後も力いっぱいに取り組んでまいります。

11月26日(月)号

連載の再開に、激励のお言葉ありがとうございます。今後ともご声援お願いします。

竹中平蔵経済財政担当大臣に質問

20日(火)、参議院内閣委員会で、竹中平蔵経済財政担当大臣に対して、政府の経済政策を中心に質問しました(37分)。

16日に、補正予算が成立したばかりだというのに、翌日から新聞各社は「第二次補正予算編成へ」と報じ、質問当日の朝刊も「昨日、総理は塩川財務相、竹中経財相らと、第二次補正予算について協議した」と報じています。
そこで、竹中大臣に事実関係をたずねると、「補正予算が成立したばかりで、そんな話はしていない」と否定。来年度の経済見通しはマイナス成長もあり得ると答えたものの、税収見通しなど、最後まで明確にせずじまい。自民党の会合では明らかにしている数字でも、国会では答えない姿勢は、小泉内閣になっても変わっていません。

社会保障負担増と経済動向についての質問には、「税制や年金の議論は、骨太の方針ではまだ入口の部分しか議論されていない」と認め、予算編成を終えた段階で、それらの基本設計を諮問会議で議論したいと、先送りの姿勢にとどまりました。小泉大統領も拙速な社会保障改革でつまずくのではないでしょうか。

妻? 家内? いや「つれあい」です

忙中閑あり。24日(土)、支持者からお誘いをいただいたコメディ「バラードはお好き」を観に、つれあい(組合関係では、妻とか家内とか言わないのです)と一緒に阪急ヘップホールへ。ついでに、ビルの屋上に設置された観覧車に、初めて乗りました(遅れてるなぁ)。久しぶりにデート気分。観覧車から観る夕陽が最高だそうです が、西日を受けた妻の顔に年齢を感じて(失礼)、胸中は、演歌調でした。

25日(日)、早めに上京。国会議事堂前のイチョウが黄色く色づいて、これまた西日に映えていました。今週は、水曜日に参議院本会議場で、総理らに「雇用対策特別措置法案」で、民主党・新緑風会を代表して質問します。しっかりとした質疑になるよう、資料の読み込みを続けています。ご期待ください。

12月2日(日)号

雇用対策臨時措置法案で代表質問

11月28日(水)、政府提出の「雇用対策臨時措置法案」に対して、参議院本会議で代表質問。完全失業率が月ごとに上昇するなか、政府は有効な雇用対策を持っているのか? 答えは「NO」です。

失業率の高まりの背景には、「製造業の大空洞化」(竹中大臣)がある。対策を尋ねると総理は、「規制改革で魅力的な国内事業環境を整備し、高付加価値等により国際競争力をつける」と答えるのみ。産業界が期待する中国元の切り上げに対しても、塩川財務大臣は「重大な関心を持っている中国のWTO加盟で議論が起こる」と待ちの姿勢。

公共サービス改善のために人員の適正配置を進める、優秀な人材育成のために教育課程を見直す、日本経済発展のために中国と競争しながらアジアの自由貿易圏を形成するなど、失業率の改善には、残念ながら時間が必要です。

短期的には、労働時間をみんなが短縮して仕事を分け合う「ワークシェアリング」を導入すべき。総理の考えは?と尋ねたら、「連合と会談し、ワークシェアリング問題に取り組むことを提案した」。坂口厚労大臣も「来年3月ごろまでに結論を得たい」。本来は民主党が連合と一緒になって経済界を巻き込みながら議論を深めるべきテーマなのだが、小泉流パフォーマンスに、影が薄い?

テロ特措法で波乱

11月30日(金)、テロ特措法に基づく事後承認案件を採決。全員一致した行動にならず残念。党の意思決定プロセスに課題を残したが、議員のわがままな行動は認められない。一方、国民の利益より政局を優先していると見られていることも猛省すべし。政権交代は選挙によって実現すべきで、そのためにも、「小泉改革を支持する」というのではなく、「我々なら、こうする」とアピールすべきだ。

もっとも、アフガン情勢が変化し、自衛隊の活動の場面は遠ざかった。内戦の一方に加担すると大きな悲劇を招くことは、ユーゴ内戦の教訓。今回の派遣経費をアフガン再建に使った方が日本らしいと、私は思います。

タクシーの運転手さんは情報源

私の移動はもっぱら、公共交通とタクシー。街の様子が良くわかって、楽しくもあり、悲しくもあり。
先日も、朝9時30分に上本町6丁目で乗ったタクシーの運転手さん。「朝7時から走ってて、初めてのお客さんですわ」。
毎日200キロ走ることが、社長から課せられたノルマとか。「走行距離に比例して売り上げが上がるはずというけど、走っても客はいてへん。今度は、営業部長から、ガソリンがもったいないと怒られて、散々ですわ」。
運転暦30年とか。でも尼崎と八尾(私が衆議院議員として選挙区にしていた所)は行かない。住人の経済感覚が発達していてタクシーの利用者が少ないからだという。「この間も、珍しく八尾へのお客さん乗せたら、歯ブラシ屋さんで。作り損ねたという豚毛の歯ブラシ仰山もろて。磨いたらいっぱい毛が抜けますねん。1週間ぐらいしたら、抜けるものはみんな抜けて落ち着きますねん」。
私の父も歯ブラシ屋でしたが、そんな歯ブラシ、人にあげません。「おっちゃんも、歯ブラシぐらいこうてんか(買ってください)」と出掛かった言葉を、飲み込みました。

12月9日(日)号

未成年の喫煙・飲酒禁止法の改正案で質問

12月4日、内閣委員会で、未成年者喫煙・飲酒禁止法の改正案を審議し、質問をしました。衆議院議員提出法案(いわゆる議員立法)のため、衆議院では審議をせずに可決成立しましたが、そこは「良識の参議院」、審議をしようということになりました。各党10分の持ち時間です。

提案の趣旨は、未成年者の飲酒・喫煙は社会的にも問題なので、酒やタバコの販売にあたっては、年齢確認のための措置を講じることにしようというものです。
趣旨そのものはもっともで、反対者はいません。でも、この禁止法案や酒販免許に関わる酒税法などは、この数年、毎年改正されていて、未成年者と知っていて販売したときは、免許を取り消すとの罰則強化もされました。

裏事情はといえば、規制緩和で酒店設置に伴う人口や距離基準が廃止されることによって、安売り店が進出して、いっそう売り上げをさらわれる。それを防ぐために、販売にあたっての規制をかけようという狙いがあります。青少年の健康よりも、店の売り上げが法案改正の動機になっているという人もいます。

アメリカでは運転免許書など年齢が明らかになる書類を見せないと酒やタバコを売ってはくれません。日本ではそこまでやる気はないようです。「年齢確認を求めればいざこざも起きる」というのが理屈ですが、自動販売機も、年齢確認装置がついたものに順次置き換えるとそうなので、「改正の趣旨を生かそうとすれば、店の中に年齢確認のできる自販機を置いたら、ええのとちゃいますか」と、提案者に突っ込んでしまいました。

12月7日、臨時国会閉会。実に慌しい国会でした。

12月16日(日)号

ネクストキャビネット厚生労働大臣

民主党ネクストキャビネット(影の内閣)の厚生労働大臣に任命されました。
「おめでとう」という声と、「大変ですね」という反応が交錯しました。私自身は、後者です。来年の通常国会は「医療国会」。厚労省の職員も、「健康保険法の改正法案が成立すれば、他の法案はどうなっても良い」という姿勢です。それほどの与野党激突法案。採決での乱闘は避けたいと思うのですが・・・。

その上、年金制度の改正論議を端緒に、社会保障制度の世帯単位から個人単位への切り替え、専業主婦やパート勤務者に対する負担のあり方の再検討がスタートします。これも難問。失業率の上昇への対応など、労働行政に関する課題も山積です。
いずれのテーマも、党内の意見は一本ではないでしょう。大変だから、やりがいがあるといえば、ありますが。

国会コーラスに参加

ところで、国会には様々な議員グループがありますが、このたび「国会コーラス同好会」に入りました。来年6月に、ボニージャックスや岡村喬生さんらと舞台を同じくします。プロの歌手と国会議員グループの、どちらがゲストかは、ヒミツ。
「ふるさと」「星に願いを」などの楽譜を渡されて、「さあ歌いましょう!」。コ ーラスは好きでも、急に男女混声4部合唱に加わるのは大変です。国会議員らしく、やたら声のでかい人がいるのには、不思議と納得しました。
何事もハーモニーが大切。党内の社会保障議論も、沸騰しても、最後にはきれいな和音を響かせたいものです。