vol.4 2002年5月〜6月
5月6日(月)号
「役所や図書館などから届いた資料があったら、大阪に送ってください。連休中に読むから」と、東京事務所のスタッフにお願いしていたら、資料請求先の都合で、連休後半になって届きました。それも、大型封筒の箱にぎっしりの量。スタッフの奮闘に感謝しつつ、「こんなに読めないよう!」と悲鳴をあげています。
審議録を読む楽しさ
東京から届いた資料のなかに、「介助犬の訓練基準に関する検討会」の議事録がありました。連休明けに審議を予定している「介助犬法案」に関連しての資料です。官庁の審議会や検討会は、公開が原則になっています。議事録もインターネットで公開されるようになりました。時たま、発言者名が「A委員」と、匿名化されていたり(発言内容から委員名を特定するという、骨の折れる楽しみはありますが)、議事要旨だけが公開されたりする場合があります。全文の公開が望まれます。そして、もう少し早く公開してくだされば嬉しいのですが、これは無理かな。
「介助犬の訓練基準検討会」の議事録は、委員名も入って、忠実に採録されています。しかも、なかなか臨場感に溢れています。冒頭から、獣医師会代表の委員が、最終段階まで相談がなかったことに対して不満を表明。座長が、「別途ご一緒に協議をさせていただきたい」と引き取りました。
そして、介助犬の訓練期間について、「概ね何日」との表現に、「概ねとは、どの程度の範囲までをいうのか」と詰める委員。厚労省の担当者は「概ね60日と言えば、30日では概ねにならない。例えば58日とか59日なら、概ねになる」と解説。なるほど。
こうした感じで、国会審議で詰めなければいけない論点について、議論が交わされて行きます。発言の裏に、それぞれの委員が所属する団体の利害や、厚労省が持って行きたい結論が透けて見えます。 審議録を読む楽しさに、思わず時間を忘れてしましました。
今週もムネオ・ウィークでしょうか
この1週間に、井上参議院議員が辞職し、鈴木宗男代議士の秘書が逮捕されました。明日からの国会は、有事法制や健保法改正案など、懸案の審議が本格的にスタートします。鈴木代議士の辞職問題に早く決着をつける責任が自民党や与党にあることを、確認したいと思います。
5月12日(日)号
連休明けの国会は、日焼けした顔が目立ちました。票田の手入れに、家族サービスに、休養にと、戸外での活動が多かったのでしょう。情報収集で海外に出かけたり、自宅で資料整理に精を出したりした人も含めて、「さあ仕切りなおしだ」と国会に集まりました。
しかし、そんな気分を、有事法制審議での小泉総理らの滅茶苦茶な答弁と、中国・瀋陽の日本総領事館での亡命未遂事件が吹き飛ばしました。
先ずは身近なことから始めよ
「備えあれば憂いなし」といって国内有事法制の成立を急ぐ政府ですが、瀋陽の日本総領事館の敷地内も、日本国内とされています。
そこに、亡命を求めて外国人が逃げ込んでくる、中国の警察官が踏み込んでくる。これも有事です。日本国内での出来事と想定すれば、難民が来ても知らぬ顔をする、米軍が勝手な行動をしても感謝する、ということです。
そもそも、中国では同様の事件が続発していたのですから、日本の大使館や領事館で起きた場合を想定した「対応マニュアル」はなかったのでしょうか。領事館の入口やビザ発給の待合室を、常時監視するカメラや体制はなかったのでしょうか。
ペルーの日本大使館占拠事件の教訓はどこにいったのでしょうか。待合室にいた男性はなぜ保護されなかったのか。領事館員は、どのような対応をしたのか。疑問ばかりです。いろいろな事態を想定して、対応策を検討しておくのが「備えあれば」ではないですか。
今回のように発生する可能性の高い事態に対しての対応策をまったく考えていない政府に、 今回の有事法制を提出する資格はありません。日本側と中国側の説明が食い違うに至って、 川口外相や外務省の責任問題に発展するのは避けられません。きちんとした説明を、国民全体が待っています。
人権感覚の薄さが恐ろしい
瀋陽での事件を聞いて、まず思い出したのは、金大中氏が東京・九段のホテルで拉致され、韓国で発見された事件です。当時の日本政府は、金氏を日本国内に戻させませんでした。
人権擁護の観点も薄いものでした。そうした主権や人権感覚の乏しさは、今日も変わっていないのが残念です。為すべきことをおろそかにしている政府の精神風土の上に、政府や自衛隊の勝手な行動を許可するような有事法制は、 日本国や国民への危険が増すだけです。成立阻止に向けて頑張りましょう。
5月19日(日)号
議員宿舎のベランダに置いてあるアマリリスが、私が大阪に帰って不在となる週末に咲きました。しかも2週続けてです。「なんて不憫な奴」と思ったのですが、明日20日の月曜日に、参議院行政監視委員会が開会され質問に立つことになって、予定より早く上京し、ご対面!真っ赤な色から中国国旗を連想し、瀋陽の事件を反芻しています。
外務省による事実解明は可能か
日本側が反論すると、中国側も反論する。どちらが正しいことを言っているのか、どちらの調査が正しいのかと聞かれれば、大半の日本人は「中国側」と答えるのではないでしょうか。残念ですが、それほど、日本側、すなわち外務省の調査は信用されていません。
亡命を希望する手紙の存在や阿南中国大使の「訓示」など、重要な事実が外務省調査の後から明らかになりました。大使訓示は、正規の訪問者以外は公館の敷地内に入れるなと受け止められたと思います。亡命を求めてきた人をどのように処遇するかの、肝心の点が抜けていることが問題です。
入口で中国警官の帽子を拾っているのが、厚生労働省から出向している査証担当の副領事だったことから、坂口厚労大臣が「女の子を抱きかかえるなど、適切な行動が望まれた」と批判しました。でも、副領事の肩を持つわけではありませんが、彼は事態をどこまで把握していたのでしょうか。館内に亡命希望の男性2名がいたことを知らずに、また、3人が敷地内に駆け込もうとしたことを知らなければ、敷地入口の外側で、もめているようにしか受け止めなかったのではないでしょうか。事実の解明が、まずなされるべきです。
小泉総理は、民主党の現地調査団の活動を、「日本が悪いと言って、自虐的な行動をしている」と立腹されたようですが、批判すべきは、しっかりとした調査が出来ない川口外務大臣と外務省官僚ではないでしょうか。
大相撲の決まり手は、何でしょうか
日本から「ウソをついている」と言われた中国側は、簡単には交渉に応じないでしょう。そもそも、不審者の侵入を防いだのだ(日本側から「感謝された」かどうかは不明ですが)、保護した5人の処遇を決めるのは中国側であり、「第3国への出国」は日本側から要請されて決めることではない、「交渉する事項などない」という立場でしょう。
反対を押し切って靖国参拝を強行したり、中国と太いパイプを持つ田中外相を更迭したり、有事法制の成立を目指したりする小泉政権。今回の事件でも、中国側を批判するばかり。そんな小泉政権の崩壊を、中国が望んでいると考えるのは、深読みしすぎでしょうね。中国と小泉総理の大相撲の決まり手は、何でしょうか。
5月27日(日)号
先週は、参議院行政監視委員会(20日)と厚生労働委員会(21日)で質問をしました。質問の要旨と答弁概要をご報告します。
NPO法人を育てる観点に乏しい政府答弁
行政監視委員会では、寄付金控除の対象となる認定NPO法人が5団体しかないことは、NPO法人を育てようとする姿勢が政府に乏しいからだと指摘し、認定NPO法人の要件見直しやNPOへの法人税の軽減措置、みなし寄付金制度の創設を求めました。竹中大臣は「租税を減免するには、相当の公益性を有する事業を営んでいるとの判定が必要」と答弁。
でも、公益性が優れているとか普通とか判断できるのでしょうか。また、その判断を「公・官」が行うことが妥当でしょうか。判断するのは、市民の側だと思います。民間出身の竹中大臣が、官僚と同じ答弁をされては、面白みがありません。
先天性疾患の児童の簡易保険加入拒否事件に関連して、「将来、遺伝子情報によって差別される事態も想定されるが」との質問に、片山総務大臣は「生活インフラである簡保では遺伝子情報で仕切ることはありません。やりません」と答弁。さらに、「私なんかもいっぱい遺伝子がある。いい遺伝子は伸ばしていって悪い遺伝子はだんだん少なくしていきたい」と続けるに至っては、「大丈夫かいな」と思いました。
「遺伝子情報によって差別されないこと、すなわち、もって生まれたものによっては差別されないこと」を基本原則とする必要性を痛感します。
独立行政法人発足から1年の評価
昨春、国立の調査・研究・教育機関を中心に57の独立行政法人が発足しました。常勤の役員は91人から207人と増え、そのほかに非常勤の役員も100名以上増員。独立採算制をとらずに、運営に必要な経費は国から交付されるため、その総額には変化はありません。したがって、経費総額が変化しないなか、役員報酬総額が増加し、その分を職員減か業務減で補ったという図式ではないかと石原行革担当大臣に質問しました。
石原大臣は実態を把握します、改めるべきものは改めていきたいと答弁しましたが、独行法人の総合的な評価を担当する片山総務大臣は「役員が増えるのは仕方がない。6月以降に各独行法人の評価が出るので、それによって判断され、減らしていくだろう」と答えるにとどまりました。
評価は、財政が赤字になればマイナスで、黒字であればプラスと一概には判定できないこと、成果主義が調査研究部門で採用されると、成果の出やすい、あるいは世間の関心を引きやすい調査研究に偏る恐れがあることを指摘し、慎重かつ大胆な評価の実施を求めました。
身体障害者補助犬法案が成立
厚生労働委員会では、身体障害者補助犬法案(超党派での提出)と、シックハウス対策の一環としてのビル管法改正案(民主党単独提出)について質問をしました。どちらも政府が提出したのではなく、関係議員が法案作りを進めてきた、いわゆる「議員立法」です。議員立法が委員会で審議されることは稀なことですが、大変充実した審議になりました。今後も、こうした機会が増えることを望んでいます。
6月2日(日)号
ワールドカップが開会しました。これからの1ヶ月、熱戦から目が離せません。日本チームと韓国チームに大声援を送りましょう。
年金改革に超党派で取り組み
自民党・津島雄二代議士の永年在職議員表彰祝賀会に出席。列に加わって祝意を述べたら、「(超党派での)年金の会合、6月末から始めましょう」と津島代議士。
さらなる少子化を予測する将来人口推計が1月に発表され、厚労省も与党も、「年金保険料を引き上げ、年金給付額を抑制する」という従来の手法は通用しないと考えているようです。給付額の自動安定装置を内蔵し、すべての国民に最低年金額も保障する方式を、スェーデンの年金改革などを参考しながら模索することになりそうです。
会場で、橋本龍太郎元総理と再会。衆議院時代に、ずいぶんと攻め立てましたが、当方を見とめて「やぁ」と笑顔をくださったので、「また、よろしくお願いします」と握手。「奥様と、国会コーラスでご一緒しています」「僕は、(歌は)だめでねぇ」。お元気なご様子に、何よりと思いました。
血液事業法の修正を巡って動き
5月30日の参院厚労委員会で、薬事法と採決及び供血あっせん業取締法の改正案について質問。4月12日に本会議場で会派を代表しての質問をしてから1ヶ月以上が経って、ようやく委員会での審議入り。その間、水面下での法案修正の議論が、民主党と厚労省・自民党の間で進むという、変則的な法案審議になっています。
薬害エイズや薬害ヤコブを受けての法案改正という色合いもあって、厚労省は、「修正できるところはすべてして、全党一致で成立させたい」との意向。したがって、「これは呑まないだろう」と思う修正点も、すべて丸呑みの形です。
夕方、委員会の自民党席に、めずらしく委員全員が着席。自民党の理事が「どうです」と自慢げに、全員そろったところを指差します。「法案の採決があると勘違いしたんじゃないの」と、野党席から冷やかしました。
国会移転を巡って全議員で討論
国会の移転先を5月末までに決めることになっていました。各議員の利害もあるだろうと言うことで、党内での全議員懇談会を開催。
私は、移転の必要なしの立場です。首相官邸も新築となり、官庁街でも改築が進んでいるし、財政も厳しいのに、国会や官庁街を那須や中部に移転することに国民の理解が得られるとは思えません。ただし、首都圏での大災害に備えて、万が一の時に国会が開ける場所を確保し、官庁との連絡体制をどのように維持するかを考えておくことが求められていると思います。
永年議論をしすぎて、結論を得るべき時は過ぎてしまいました。国会移転の特別委員会も「臨時休業」か「閉店」するときが来ていると思います。
6月9日(日)号
日本サッカー、対ロシア戦は、すばらしい試合でした。「歴史的勝利」だそうですが、「これで、北方領土の返還は遠のいた」と解説する人もいます。実際にロシア国内では暴徒化して死者も出たとか。難しいことだと思いました。
新しい血液事業法を制定
4日の参議院厚労委員会で、新たな血液事業法の制定に向けての審議と採決が行われました。
献血による血液製剤の「国内自給」の達成や、血液製剤の安全性確保のための薬事審議会の機能強化など、民主党が求めていた修正が盛り込まれることになりました。
最後まで議論が残った血液製剤の安全性等を議論する委員会への、薬害エイズ被害者の代表など、血液製剤を利用する患者代表の参加問題も、民主党の朝日委員の質問で「参加させる」との確認がなされました。
最終的には、大幅な修正になりました。全党一致での修正のため、参院の厚労委員長が提案する形になりましたが、民主党の粘りは評価されて良いと思います(ちょっと、自画自賛気味ですが)。
災害対策特別委員会で地震対策等を議論
参院の災害対策特別委員会にも所属しています。台風での風水害などが発生すると、がぜん活気付く委員会で、普段はあまり開かれません。今回は、地震対策等に絞って参考人をお呼びし、委員が自由に質問するという形式で、毎週開催されています。
地震の予知は難しいけれど、活断層の位置などから、被害の程度を予測はできるとのこと。日米の違いは、災害が起きたときに、政府で一元的に対応する体制があるか、ないかだと参考人は一様に指摘しました。
阪神淡路大震災と、サンフランシスコでの大地震に対する対応はまったく違いました。反省から、官邸に危機管理監が常駐し、災害に対処するとされていますが、まだまだ不完全に思います。
武力攻撃に対処する法制度の整備が必要と力説する前に、自然災害やテロなどの発生に迅速に対応する体制を整えるほうが、先決ではないでしょうか。
非核3原則を巡る「不規則発言」
福田官房長官や、安倍副長官の、非核三原則を巡る発言で国会は混乱しました。「政府首脳に聞いたが、そのような発言はなかった」と福田官房長官が記者会見で否定したのに、後日、「政府首脳とは、私のことです」と釈明。吉本新喜劇なみにおもしろい話でした(福田発言と比較したら、吉本に怒られるかな?)。
佐藤栄作元総理のノーベル平和賞の受賞理由が非核三原則だったと記憶しますが、事実を覆い隠したままで釈明を続けるのは、「知恵」だった時代もあったとは思います。でも、若い世代が日本社会の大半を占めるようになってくると、「無理があるな」と、率直なところ思います。
いよいよ、健保法の衆院での採決日程が議論になってきました。今週が山場のようです。
6月16日(日)号
森島、宮本、柳本と、大阪ゆかりの選手が活躍して、日本代表、決勝トーナメントに進出。 道頓堀に飛び込んだ人が、640人もいたとか(数えている人もいるんですね。お巡りさんでしょうけれど)。とにかく、うれしいですね。 韓国の街が真っ赤に染まっているニュースも感動的でした。日韓で決勝戦になったら最高!
健康保険法、衆院厚労委で強行採決
14日は、感動的な日になりましたが、国会では健康保険法を与党だけで強行採決しました。前日、名古屋と宇都宮で「公聴会」を開いて、市民の声を聴いたばかりですが、国会の会期末を19日に控えて、14日には委員会採決をしないと、会期内での衆院通過が不可能になる事態を避けたかったのでしょう。国会日程をにらんでの、一方的な話です。
議員会館前に座り込んだ連合の皆さんと抗議集会。 連合幹部によれば、「午後から、サミットを前にしての恒例の、総理と連合幹部の会合が予定されている。官邸からは、3時半までで日程を調整して欲しい」と言われたとか。「サッカーの応援に、大阪に行きたい」と小泉総理は言ったけど、山崎幹事長に「ノー」といわれたので、官邸でのテレビ観戦を最優先の業務に選んだようです。
重要法案と位置づけた有事法制や情報保護法などを、すべて見送りとするなかで、政府・与党は国会の会期を8月上旬まで延長して、健康保険法の成立をめざすようです。
サッカーは感動を与えてくれましたが、小泉総理からの国民へのプレゼントは、「負担増」です。 1時前には、震度3の地震があって、久しぶりに議員会館も大きく揺れました。大魔神も怒っているようです。
外務省の不透明な金銭運用を徹底解明すべし
10日に開かれた参議院の行政監視委員会で、民主党の岩本司委員が、「外務省には、北方支援委員会と同様に、国会承認を経ていない国際機関が26もあり、政府から多額の支出がなされ、しかも繰越金が多くある」と指摘。
答弁に立った植竹外務副大臣は「ODAなど海外援助は、国際捕鯨委員会などでの、日本への支持票を増やすために重要」と、本音を隠さずに答弁したので、驚きました。
鈴木代議士に任意での事情聴取を行っているとのニュース速報。国会の会期延長を見計らっての検察の動きでしょうか。 この際、外務省の不透明な資金の流れを徹底的に解明すべきです。
3行報告
◆民主党の「大躍進パーティー」(13日)。来賓の小沢・自由党、土井・社民党の両党首の挨拶は、「鳩山代表の挨拶がかすんでしまう」と心配するほど、力がこもっていました。
◆菅幹事長が雑誌に「政権構想」を発表。鳩山代表も「第二次政権施策のバージョンアップを」とネクストキャビネット(民主党の閣議)で指示。自民も民主も、秋の党内役員改選に向けて動き始めています。
6月23日(日)号
ワールドカップ、韓国の闘志はすごかったですね。日本は、またとない上位進出のチャンスを逃してしまいました。チャンスはきっちりとつかまないといけません。
与党、健保法を強行採決。舞台は参議院へ
健康保険法は14日の衆議院厚労委員会での強行採決の後、21日に総理が出席しての「補充質疑」を行い、本会議で採決となりました。本来の会期末の19日を過ぎての衆議院通過です。 強行採決などで国会が「不正常」な状態となると、与野党の国会運営の責任者(国会対策委員長)が集まって、打開策を協議します。話し合いがまとまらないと、議長に仲裁を依頼し、「議長裁定」が出て一件落着となります。今回も、そうして衆議院は正常化しました。
参議院では、「24日の月曜日に本会議を開会して、健康保険法の審議を始めたい」という与党側の提案に野党は反対しました。でも、国会の会期延長幅と健康保険法の成立を一体のものとして、官邸の小泉総理と自民党執行部が合意をしているため、野党が反対しても、参議院の与党は、与党単独でも健保法の審議を進める覚悟です。それでは、7月上旬にも採決となってしまいますので、野党も出席しての審議が始まることになりました。
この間の事情を説明しましたが、わかりますか?
民主党政権運営委員会を開催
民主党政権樹立後、すぐに政権運営が進められるように準備をしておくことが大切との認識から、党政権運営委員会を開催。講師は、細川政権でブレーンを務め、当時の状況を描いた『官邸』の著者でもある成田憲彦氏。鳩山代表は細川内閣の官房副長官でした。
閣議は「習字の時間」に過ぎず、閣議後の「閣僚懇談会」が重要事項を決定しているので、閣僚懇談会を正式な会合に位置づけること。
官邸の「事務秘書官」を通じて、霞ヶ関の官僚機構と総理が直結していることを改革しなければいけないので、総選挙後の特別国会で政治主導の官邸となるよう、官邸組織の整備を行う法案を成立させること。 「最強野党自民党」と渡り合える人材を党内に残しておくこと。とりわけ、衆議院で過半数を制しても、与野党が逆転していない参議院での野党対策が重要であること。 政権を獲得したらすぐに実行に移せるように政策・法案を準備しておくことなど、なかなかリアリティに溢れたお話でした。
3行報告
◆鈴木宗男代議士逮捕を受けて、辞職勧告決議案を採決。新聞報道等で鈴木代議士はクロとの心証を持つけれど、確証(すなわち判断基準)がないなかで賛成するとすれば、いかなる理由によるのでしょうか。田中真紀子代議士の処分も不可解。疑惑は晴れていません。
◆三重県で宅建業を営む高校の友人が上京。北川知事は、当選後、業界団体と一切会わない姿勢を貫いているとか。「選挙の前は、会ってくれてたんやけどなぁ」とのことです。
◆国会コーラス同好会のコンサートで、ボニージャックスなどの豪華ゲストに混じって、練習の成果を披露。「普通なら1万円近い入場料が、今日はチャリティで3千円。差額は、僕らが出演するからかなぁ」。
6月30日(日)号
楽しませてくれたワールドカップもブラジルの優勝で閉幕しました。3位決定戦の韓国・トルコ戦は、両国とも赤がシンボルカラーで会場は真っ赤。両国国旗を振っての応援が良かったですね。これまでの観戦を通じて、常に闘争心を奮い立たせ、持続させることが、いかに難しいかを垣間見ました。国会でも闘争心をもって委員会審議に臨まなければと心を引き締めています。「委員会審議は格闘技だ!」
小泉総理に医療制度改革を巡り質問
医療保険改正法の審議が参議院でも本格化。2日に開かれる参院厚労委での第1回目の審議には、小泉総理も出席します。山本が質問の1番バッターを務めます。いまや税金をはるかに超える社会保険料負担は、今後の少子高齢化社会において、どのように扱われるべきかを、質問の中心テーマに据えます。
公益法人改革と医師養成の視点から真相解明
帝京大の寄付金強要と、隠し財産作りはすごいですね。NPO法人の育成と公益法人改革を個人的にも政策課題としているので、真相解明に取り組みます。医師の養成の観点からも解明が求められます。
また、東京女子医大の医師逮捕も衝撃的です。医療事故は刑事事件になじまないと言われても、カルテの改ざんなどの証拠隠滅を図る行為は、明らかに犯罪です。医療改革の本質は、医師と患者の信頼関係の回復にあります。賢い患者になるとともに、医療従事者には高いモラルが求められていることを、再確認したいと思います。
3行報告
◆平成16年の次期年金改革法案に向けて、与野党の壁を超えて各党の年金担当者が集まって勉強会を開こうと計画しています。民主党内は前向きですが、「国会内で激突しているときに、同じテーブルに着くのは如何なものか」と消極的な党もあります。
◆横浜市議の「一発退場」は、間違っています。市議らの行為を認める訳ではありませんが、だからといって市議資格を剥奪するのは、それこそ市議会の権威を自ら貶める行為だと思います。