vol.8 2003年1月〜2月
1月5日(日)号
明けましておめでとうございます。
今年も「蝸牛のつぶやき」では、国会内や政治活動で感じたことを率直にお話しながら、ご一緒に、「現実を直視し、未来を創造する」作業を続けていきたいと願っています。本年も、どうぞよろしくお願いします。
今年の12大テーマ発表!
年末は31日まで事務所で仕事。書類や名簿の整理に追われた。元旦は、地元の生国魂神社に初詣し、四天王寺に墓参りへ。
不景気だからか、正月飾りが少ない。それに、元旦から営業する店舗が増えたからか、シーンとした静寂がない。伝統や文化は変容するものとは思いつつ、ちょっと寂しい気がする。三が日とは言わない。せめて元旦はお店も閉めて、静かに過ごそう。そして、心も新たに1年の計を立てよう。
というわけで、私の今年の目標は、ちょっと欲張って12項目。
(1)信頼できる年金制度の構想(2)安心できる医療提供体制の確立(3)雇用の創出と働き方の見直し(4)救急医療体制の整備(5)難病対策の確立(6)在外被爆者への援護法適用(7)自殺防止体制の整備(8)創薬や新医療法の開発体制整備(9)障害者の投票権保障(10)交通事故防止議連の活動拡大(11)国際たばこ条約 への参加(12)子育て支援のための「こども保険」構想の練り上げ。
少しでも目標達成に近づけたい。また、昨年の臨時国会から、参議院厚生労働委員会の野党筆頭理事を勤めている。委員会での議論も活発にして、政治を動かせるよう頑張りたい。
雪のなか、難波で街宣活動
4日、難波・高島屋前で、羽田孜最高顧問と羽田雄一郎参議院議員を交えての街宣活動。熊田あつし・第1区総支部長が司会。長安たかし(19区)、尾立源幸(17区)、樽井良和(16区)の各衆議院選挙予定候補者がマイクを握った。
大学時代に起業した樽井は、「税金をまけてくれると言われたから、会社を作るのではない。夢を実現するためだ」と、不景気を嘆かずチャレンジしようと、元気に呼びかける。同じく企業家の長安は、「泉州を元気に」と大声を上げる。公認会計士の尾立は、中小企業の声を国政に届けたい。熊田も、環境問題を交えて大阪再生を訴える。
降る雪を溶かす熱気。みんな元気いっぱい。平均年齢34.8歳。私は今年54歳。「まだまだ負けないぞ!」。
羽田最高顧問は、「小泉内閣は、イージス艦を居住性が良いからとの理由で派遣した。なし崩し的にやっていると、戦争に巻き込まれる。日本の役割は、平和の創造。飢餓や貧困との戦いに使命を持って取り組もう」と、米国のイラク攻撃を念頭に語った。同感だ。
今日5日は、民主党大阪府連所属議員の新年会に連続して出席。春の統一地方自治体選挙を前に、どの会場も熱気に溢れていた。「選挙は、どんな地域を創造するかを市民同士が考える絶好のチャンスだ。そして、地方主権の確立をめざして頑張ろう」と挨拶。
1月12日(日)号
6日の月曜日から、行政機関や各種団体、議員の「新年会」が始まりました。太田房江知事とは、連日、会場を変えて顔をあわせました。「同じ内容の挨拶はしにくいなぁ」と、知事は苦笑いです。ちなみに、12日までに10回、太田知事の新春の挨拶を聞きました。
医療制度改革の本格議論を前に
医師会、歯科医師会、薬剤師会を「三師会」と呼びます。いずれの会長も挨拶で、医療制度改革について言及しました。
その趣旨は、医療領域における規制緩和によって「混合診療」が認められ、医療保険が適用されない診療行為が拡大されることに反対する。なぜならば、保険証を持っていても治療が受けられないとなれば、「国民皆保険制度」が崩壊するからである。株式会社が医療の領域に参入することにも反対である、というものでした。副作用により多くの死者を出した抗がん剤「イレッサ」を例にして、規制緩和による弊害について研究しようとの提案もなされました。
実態は患者や保険加入者の負担増でしかなかった昨年の「医療制度改革」を受けて、この3月末までに、坂口厚労大臣が、保険制度、高齢者医療制度、診療報酬制度のあり方について、検討のたたき台を提示することになっています。いわば、本来の医療制度改革の議論は、これからです。三師会の会長の挨拶は、論戦開始の号砲のように聞こえました。
規制緩和の光と影を見つめよう
三師会の会場以外でも、規制緩和の問題点を指摘する声が多く聞かれました。交通関係の組合の新年会では、タクシー運賃を自由化した昨年の道路運送法の改正に、批判が集中しました。
いま大阪の街を走るタクシーの料金体系は、23通りあるそうです。最初の運賃(初乗り運賃)も様々ならば、5000円を超えた分は半額とか、2割引とかで多種多様です。乗り合わせた運転手さんに聞けば、「夜の街では、そうした安値のタクシーを待つ客が増えています。お客さんを乗せて走っても、以前と同じように売上はないけれど、お客がいないよりマシ」とのこと。
規制緩和は、例えば、乗務員の接客態度が改善されるなどの効果もあるけれど、全体としては、物価の下落(デフレ傾向)を招きます。そして、労働はきつくなったが、収入は上がらないという状況を生み出しています。10年前、運転手の年収は430万円だったのが、現在は300万円だそうです。昨年、タクシーが第一当事者となった交通事故が前年より増えたのも、過労運転が原因と考えられています。適正車両数に抑えるべきだとの声が多くありました。
経済界は「日本人の賃金は高い」と大合唱ですが、「日本の物価は安いのか」もあわせて考えなければいけないでしょう。そして何より、デフレ経済下での、働き方や生き方を真剣に考えるべきではないでしょうか。不思議なのですが、一時あれほど脚光を浴びた「ワークシェアリング」という言葉が、まったく聞かれなくなったのは、なぜでしょうか。
挨拶での切実な声に耳を傾けて
新年会で、心に残った言葉を紹介します。「子どもを戦場に送るな。職場に送ろう」(大阪府教職員組合で)。高卒就職難を春闘で訴えるそうです。「5人未満の従業員しかいない事業所への、社会保険の強制適用に反対」(大阪府建設組合で)。適用により企業負担が増えれば、解雇が増えるといいます。「私鉄で、定期昇給がある会社は3社しかない」(私鉄総連で)。賃金体系は、千差万別。どの会社も同じと考えていたら、大きな間違いを犯します。組合の旗開きは、春闘開始と同義語です。
1月19日(日)号 その1
参議院厚生労働委員会のメンバーと一緒に、秋田県と宮城県へ厚生労働行政の問題点を把握するため出掛けました(14日・15日)。
浅野知事が「解体宣言」した理由
浅野史郎宮城県知事には、厚生省障害福祉課長の経歴もあります。昨年12月、障害者の大規模入所施設である宮城県・船形コロニーの「解体」を宣言しました。浅野知事に、その真意を訊ねました。
「設立当時は障害者施設がありませんでしたが、民間の障害者施設も育ってきました。それに、もう収容の時代ではありません。だから、コロニーを運営する県福祉事業団は、仕事がなくなるはずです。コロニー解体とは、地域に障害者の受け皿を作る方向に政策転換をしょうということです」。
唐突に示された支援費の「上限」
そんな浅野知事が怒りをあらわにしたのが、昨年末に厚労省が、「障害者支援費に支給の上限を設定する」と突如発表したことです。
これまでの障害者施策は、利用者からの申請に基づいて行政が入所施設等を決定する「措置制度」でした。この4月からは、利用者が施設等を「選択」し、費用は国と市町村が支給する「支援費」の制度に変わります。これまでの制度のもとで、国は「支給額に上限は設けないように」と市町村を指導してきました。ところが、この4月からは、補助金の算定に当たって、一人当たりの利用時間あるいは総額などを基準に、補助単価を設定するというのです。
その結果、国が決めようとしている基準(1日あたり4時間と言われています)を超えて福祉サービスを利用してきた障害者は、基準を超える部分は市町村の単独事業となり、財政的に苦しい市町村は対応ができず、結果として、国の基準が「上限」となると猛烈に抗議しています。厚労省での抗議行動に警察官が出動する騒ぎにもなっています。
浅野知事も、「4月から支援費制度が始まるのに、今頃そのような制度の骨格に係わることを言われて、現場は大混乱です。もっと早くから言われていれば、県として財政的な措置ができたはずです。支援費制度に移行した場合、市町村間で障害者サービスの格差が生じるでしょうが、地方分権、地方主権の時代です。地域で考えて、決めれば良いのです」と、厚労省の唐突な対応に、怒りが収まりません。
民主党は、国会内で厚労省担当者に改めて経緯説明を求め、抗議しました(17日)。今回の件は、厚労省が財務相の予算編成における厳しい姿勢を読み違えて、夏の概算要求どおりに予算が編成されると考えたところにあります。しかし、これから審議される「平成15年度予算案」が、与党の賛成多数で成立すれば、こうした制度改正も「認められた」と厚労省は言いぬけ、混乱の責任をうやむやにするでしょう。
重要な制度改正を予算案と同時に提案するのであれば、政府・与党は、事前に情報公開をして、関係者の理解を求めるべきです。そのことを怠ったのですから、解決策は、平成15年度予算では、従来どおりの補助基準とすることしかありません。
1月19日(日)号 その2
厚生労働行政の問題点を把握するため、秋田県と宮城県に行った話の続編です(14日・15日)。
国会議論に無頓着な国の出先機関
労働行政を推進するため、各都道府県には厚労省の出先機関として、都道府県「労働局」が設置され、労働基準監督署やハローワークの業務などを監督しています。
宮城県庁でのことです。宮城労働局から、障害者や高卒者の就職状況についての説明を受けたので、「昨年の臨時国会では、児童扶養手当の減額に関連して、母子家庭の就業支援が大問題になったのですが」と、現場での母子家庭の就労支援策を質問しました。答えは、「特にありません」とひとこと。「国会で議論になったことはご存知ですよね」と、ちょっと嫌味を言いました。
国会で大きな議論を呼んだ問題でも、厚労省からの通知などで情報伝達がされなければ、現場に国会内の動き(すなわち、国民の声)は伝わらないということです。「今月21日には、都道府県担当課長会議が開催されますので」と、厚労省の担当者は言い訳をしましたが、その種の会議は、法案の改正内容の説明や、4月以降の地方自治体における厚労行政の対応について説明をするものであって、国会の議論には触れません。
行政や政治への働きかけは、東京(中央官庁や政党本部)だけではなく、都道府県レベルでも展開することの重要性を痛感しました。
養育費の天引き制度導入を検討
ところで、今日の朝日新聞は1面で、離婚に伴う養育費の支払を確実なものにするため、法制審議会は、養育費の「給与天引き方式」を可能にする新制度の導入方針を固めたと報じています(19日)。
これは民主党が昨年の臨時国会で、「児童扶養手当を大幅に削減するのであれば、養育費の公的な確保制度の創設が前提だ」との主張を展開し、関連の法案も提出したことが影響していると思います。早速、明日にでも、情報の確認をしなければなりません。わかり次第、お伝えします。
町村合併を超えて都道府県合併へ
閑話休題。「仙台市と山形市は隣り合わせ? えっ、ホント?」と思うでしょう。でも、本当なのです。私も地図を広げてビックリ。仙台市青葉区と山形市は、市域が、ともに宮城と山形の両県境がある奥羽山脈まで広がり、接しています。県庁所在地の市が直接に隣り合っているのは、日本国内でここだけだそうです。市町村合併の産物です。
さらに話が進んで、青森・秋田・岩手の3県の知事は、増田・岩手県知事の音頭とりで、一緒に行政を進めようと話し合っているそうです。道州制を念頭に置いた行動ではないようですが、やがて、「みちのく州」が誕生するかも知れません。
1月26日(日)号
26日、映画「able/エイブル」の上映会に出かけました。「私たちはたくさんの可能性を持っている。みんなが夢に向かって動いたら、日本は元気になる」と、制作者の細川佳代子さん。スペシャルオリンピックスと出会って考えが変わったと言う細川さんは、「障害者に何かをしてあげようと考えるのではなくて、みんなが可能性を探して、一緒に生きていこうとすることが大切と思います」と、体験を交えて話されました。そうなれば良いのですが、一番遅れているのが厚労省です。
支援費制度の「上限設定」に抗議続く
先週も、厚労省前では大勢の障害者が、「支援費に上限設定」との厚労省の突然の発表に、怒りの抗議行動を続けました。民主党では21日に、改めて三沢さんや松友さんら、障害当事者やご家族から現状をお聞きし、私の部屋には、尾上さんら大阪のメンバーが行動要請に来られました。
厚労省の担当者は、「ホームヘルプ事業は、例年、予算全額を消化していません。また、これまでは前年比5%アップで予算を組んできましたが、来年度は14.5%と大幅に増額しています(だから大丈夫ですと言うニュアンスです)。障害者の類型を設定して、一人当たりいくらという考え方で補助金を交付します。もし、市町村段階で、今年度と比べて補助金総額が減額となるようであれば、激変緩和措置を講じて、そのような事態を回避します」と、私の問い合わせに説明しました。
要は補助金交付の仕方という、テクニカルな問題だと言うのですが、補助金総額が増額されることはないのですから、支援費制度の浸透の度合いによっては、予算が足りなくなることもあるはずとの心配は消えません。
介護保険の対象者拡大の議論も必要
先週号の「つぶやき」にも書いたように、そもそも、このような制度の根幹にかかわる情報が、今になって唐突に発表されることが理解できません。大阪府知事も抗議書を厚労省に送りました。
今年は、障害者基本計画が見直され、新・障害者プランがスタートします。その時に、このような時代に逆行した施策を打ち出すというのは、どういう神経でしょうか。こうした措置が認められたのでは、バリアフリーとかノーマライゼーションを推進するという政府の言葉が、まったくのウソになります。私からは、石毛えい子・民主党障害者施策担当大臣に、予算委員会で菅代表に取り上げてもらうようお願いしました。
現行の介護保険の対象に障害者を加えることについて障害者の皆さんは、「介護保険のケアマネージャーは、介護サービス利用制限マネージャーだ。障害者のコーディネーターは、ワンストップの総合的相談を専門的に行っているし、介護サービスの開拓もしてきた。性格が違う」と、慎重です。しかし、年齢を問わずに、介護に要する財源の確保策を考えると、介護保険の対象者拡大は議論しなければなりません。
今年は、ホームヘルプ事業に係わる補助金の配分基準を決めずに、1年をかけて、障害者が地域で暮らすために、どのような施策が必要か、また、その財源はどのように確保するかを考えるなかで結論を見出すのが、混乱の回避策だと考えます。
国会ミニレポート
◆予算委員会での菅代表の追及に、「公約を破ったと言われても、たいしたことではない」と、口がすべった小泉総理。8月15日の靖国参拝、国債30兆円枠堅持、ペイオフ解禁は、いずれも小泉総理の重要な政策選択です。今春は統一選挙。各候補者の「公約」の内容を吟味しましょう。
◆20日、通常国会開幕。参院本会議場に衆参の国会議員が集まって行われる開会式には、ご病気の天皇陛下に代わって、初めて現皇太子殿下が出席されるとあって、いつもより大勢の議員が出席しました。議場の前方は閣僚や各委員長の指定席ですが、その他は自由席。先着順に、衆参、与野党を問わずに議員が混じりあい、新人も古参議員も並んで着席します。たまたま、私の隣に宮下創平・元厚相(自民党長野県連会長)が座られました。思わず「先生の一言で、長野県の民主党代議士が離党しまして」と話しかけたら、「新聞は、いろいろ書きますから」と、軽くいなされました。
2月2日(日)号
明日は節分。4日は立春で、暦のうえでは春。でも、小泉寒波は、まだまだ日本を覆いそうです。
精神論を唱えるだけの小泉総理
1月31日、平成15年度予算案の国会提出と、小泉総理の所信演説などが行われました。
小泉総理は演説で、ノーベル賞のダブル受賞など、各界での日本人の活躍を引き合いに(「千と千尋の神隠し」も引用されました)、「日本の潜在能力を信じよう。今は苦しいけれど、我慢すれば、きっと景気は回復し、以前のような日本社会になる」と呼びかけました。
しかし、そのための具体策には乏しく、自民党席からも拍手はまばら。そのなかで、世耕議員が熱烈に拍手するので、その後に会ったとき、「すごい拍手だったね!」といったら、「親分だからね」と、熱い忠誠心を、ちょっと恥ずかしげに示しました。
小泉総理、消費税議論を避けるな
小泉総理は、「消費税の議論は妨げないが、在任中は引き上げない」と明言しています。しかし、総理自身が言うように、「税の裏打ちがないと施策ができない」のですから、「検討は妨げない」と言うだけではなく、もっと前向きに税制の総合的なビジョンも示しながら、消費税の議論をすべきではないでしょ
うか。
例えば、平成16年度の年金制度改正の際には、基礎年金の国庫負担割合(現行3分の1)を2分の1に引き上げることが決まっています。しかし、消費税の議論を避けているため、その財源の確保策は一向に示されません。
民主党では、国民年金と厚生年金等に分かれている現行制度を、全国民共通の所得比例年金と、最低保障年金(基礎年金)の組み合わせに再編することを検討しています(いわゆる「スェーデン方式」)。そのためには、自営業者も含めた国民全員の所得の完全捕捉と、所得に応じた保険料の負担、基礎年金での所得再配分機能の強化(公的年金控除制度の見直しなど)が、最低条件となり
ます。
基礎年金所要額を全額税で賄っても(税方式化)、税負担の増額分は保険料負担が軽減されます。総体としての国民負担総額は変わりません。要は、基礎年金の所要財源を、誰が、どのようにして負担するかの問題だということをご理解ください。
薬剤師も6年制の教育課程に
1月29日、東大病院の薬剤部を訪問し、伊賀薬剤部長から、院内で使用する薬剤の調剤方法や、薬に関する事故の防止策について説明を受けました。病棟の各フロアーにも薬剤師が配置され、調剤をする体制を目指しています。看護婦が調剤することによる医療事故を防ぎ、医師からの急な薬剤の変更にも対応できるからです。
厚労省は、薬剤師の一層の資質の向上が求められているとして、医師や歯科医師、獣医師と同様に、薬剤師も6年間の薬学教育を修了して初めて薬剤師国家試験の受験資格要件を得るとしたい考えです。でも、学校教育を所管する文科省が同意をしていないため、関連の改正法案提出の目途は立っていません。省庁の中で一番の石頭は、文科省だと思います。
国会ミニレポート
◆小泉総理の所信演説と同時に行われた川口外相の外交演説には、アメリカに「イラク攻撃を思いとどまれ」とのメッセージが、まったくありませんでした。極めて残念です。こんな外務大臣なら要りません。
◆難病対策について、平成15年度予算の編成課程で見直しが盛り込まれました。財政難を理由に、さらに対策が後退することも予測されることから、難病対策の議員立法作業を本格化することで、谷博之参議院議員ら関係議員間で一致しました。
◆1月31日、「薬害エイズ裁判史」の出版記念会に出席。平成5年の初当選直後から、私も「薬害エイズ事件」の真相解明に取り組み、厚生省に、「隠されているファイル」があることや、加熱製剤の製造承認後も非加熱製剤が販売されていた事実を明らかにしました。依然として、薬害再発防止策は不十分なままです。薬害への義憤をエネルギーに薬害根絶をめざして頑張りますと挨拶。
2月9日(日)号
小泉総理の所信演説(1月31日)を受けて、先週は衆参本会議で、各党の代表質問がありました。なお、民主党は、歳出額は政府原案と同額としつつ、歳出内容を大幅に見直した民主党版予算案を作成しました。雇用の創出に重点が置かれています。詳細は民主党のホームページでご覧ください。 民主党のHP
現実の数字を見て柔軟な対応を
サラリーマンの受診時自己負担を3割に引き上げる問題で、野党はこぞって反対を表明しましたが、総理は「保険料の引き上げ幅を極力抑制するためにも、3割負担は必要」と繰り返しました。
しかし、14年度の政管健保の財政は、14年4月からの診療報酬の引き下げや、患者の受診手控え、政管健保加入者数の減少などから、大幅に改善されていて、今すぐに自己負担を重くしなければならない状況にはありません。それに、負担増が先行すると、これまでと同様に、医療制度改革が逆に遅れてしまいます。日本医師会と自民党の関係にくさびを打ち込むなどと言った姑息な考えではなく、数字を冷静に見て、我々は主張しています。
基礎年金の国庫負担引き上げは
年金改革に関連して小泉総理は「歳出の見直しを含めた徹底した行財政改革が重要。在任中に消費税率を引き上げる考えはない」と繰り返しました。任期中は国庫負担割合を引き上げないと言っているのでしょうか。
身内の参院自民党の竹山議員すら、「国庫負担の引き上げに要する財源の確保は法律に規定されており、年金制度の安定化、信頼性の確保の第一歩です。(総理の言われる)財政支出の削減がどの程度の安定財源となりうるのか。その辺のことも含めて、基礎年金の国庫負担引き上げへの取り組み方針をお伺いします」と、やんわりと切り返しました。
総理の答えは「社会保障財源や財政状況の解決策として消費税を引き上げる考えはありません」。小泉さん、あなたは、厚生大臣だったことを忘れてはいませんか。
官僚の思いを代弁しての質問か
与党の代表質問には、官僚の影が見え隠れするので、聞き逃せません。自民党の山崎幹事長が「バラバラになっている育児支援施策、児童手当、出産育児一時金、保育所への助成、育休手当などを財源も含めて統合し、強力な次世代支援システムとなるよう検討すべき」と、「子ども保険(仮称)」の創設を念頭に質問。子育て支援に係わる財源確保の議論が始まりそうです。公明党の浜四津議員は、年金積立金を活用しての子育て支援策の創設、不妊治療への保険適用などを取り上げました。これは厚労省の思惑と言うより、公明党の路線ですね。
学校に行こう、街に出よう!
大阪府教育委員会は平成13年度から、知的障害のある生徒を府立高校4校で試験的に受け入れています。現在16名が在籍。大阪市教委も14年度から1校で2名を受け入れています。その中間報告会が8日、大阪市西区でありました。
どの学校でも、身体障害者を受け入れてきた経験をベースに、「ともに学び、ともに育つ」学校運営を展開しています。障害のある生徒や同級生の意見発表、みんなが一緒になっての合唱・合奏などを通じて、大きな成果をあげていることが良くわかりました。
生徒個人に注目するか、クラス全体に注目するのか。「障害者には障害者にあった教育がある」との主張もあるなか、全国初の大阪での試みを、ぜひとも成功させたいと思います。また、同じ8日に加島友愛会の主催で、本場アメリカから講師を招いて、「ジョブコーチ」の研究集会が開かれました。「施設での生活を脱して、地域での生活を支援する」との流れを定着させるには、ジョブコーチ制度の定着による障害者雇用の拡大が不可欠です。
国会ミニレポート
◆障害者の投票権PTで、郵便投票制度を改正し、障害のため自書できない場合でも、投票補助者や立会人等の要件を定めて投票を可能とする法整備を行う方向を確認しました。
◆支援費制度の混乱で朝日俊弘議員は「中央省庁再編で中央障害者施策推進協議会が廃止され、政府と障害者との接点が切れたことが要因でもある」と指摘。坂口厚労相は「反省している。制度化も考えたい」と参院本会議で答弁。「改革=廃止」の弊害です。
◆死刑廃止議連で映画「13階段」を鑑賞。殺人という「仕事」は許されるのでしょうか。
お知らせ
◆朝鮮通信使を題材としたジェームズ三木作・演出のミュージカル「つばめ」は、3月6日(木)、7日(金)、いずれも午後6時30分から、大阪厚生年金会館芸術ホールです。お問い合わせは、わらび座(06-6864-9600)まで。ハンカチを忘れずに!
◆母校ミシガン州立大学所蔵の「キルト」展を三越日本橋店で鑑賞。神技にうっとり。
2月13日(木)号
大阪府茨木市の知的障害の男性が「投票権の保障」を求めていた裁判で、大阪地裁は11日、原告敗訴を言い渡しましたが、同時に、現行の郵便投票制度は不完全との判断を示しました。以下、判決要旨から、障害者等の投票権保障への道筋を考えました。
必ずしも完全とは認めらない
村岡裁判長は、判決文で、「様々な障害者や寝たきり老人等、投票所に行けないために選挙権の行使が不可能か事実上極めて困難な状況にある者は増加傾向にあり、その権利行使のための制度確立の要請が一段と高まっていること、障害者に対する権利保護の要請は国際的潮流であること、外国においては投票所に行くことができない者のために、様々な投票制度が設けられているなどの諸事情に鑑みれば、現行の投票制度は必ずしも完全なものとは認められず、その対象の拡大や投票方法の簡略化などの方向での改善が図られて然るべきものであると認められる」との判断を示しました。
在宅での郵便投票制度の改善を
また裁判長は、「どのような要件の下にどの範囲の者まで在宅投票制度の利用を認めるのか、対象者に該当することの証明方法はどうするのか、どのような仕組みでどのような時期からこれを実施するのかなどの具体的決定は、国会の裁量にゆだねられている」との認識も示しました。
あわせて、「国会の裁量」のなかには「短期間に極めて多数の選挙人によって行われる選挙を、混乱なく、公正かつ能率的に執行するために必要な措置を採ること」が含まれると述べるとともに、「投票方法は、選挙の公正を確保し、投票の秘密を保護する必要があるとともに、選挙の執行には、おのずと一定の時間的、人的・物的設備からの制約を伴うものであるから、そのような制約の中での選挙の執行を可能にするものであることが要請される」との考えも示しています。
今回の判決から、最善の策と思われる「巡回投票制度」は、総務省(選挙管理委員会)が強く反対しているので、採用し難い選択肢となったと思います。現行の郵便投票制度の改善を検討するなかで、「公正かつ能率的な投票方法」についての合意を形成することが課題となったと判断しています。
寝たきり老人等も視野に検討を
昨年11月には東京地裁が、ALS患者の訴えに対して、自書に限定している現行の在宅投票制度は憲法違反との判断を示しました。今回の大阪の原告は、自書ができるうえ、在宅投票の対象者とされる身体障害者手帳の保持者でもないため、判決が注目されていましたが、「一般的な投票所における通常の投票を行うことは事実上極めて困難な状況にある」と認定されました。
投票所に行けず自書もできないALS患者はもとより、身体障害者と認定はされていないが投票所まで行けない寝たきり老人等で、自書はできるという人をも対象に含んだ郵便投票制度への改正を、民主党の「障害者の投票権WT」で検討するよう求めます。
国会ミニレポート
◆10日(月)15時、大阪市人権協会創立50周年記念式典に出席。
◆11日(火)10時、大友康亘府議(茨木)、11時、北口裕文府議(寝屋川)の後援会事務所開き。例年参加している府母子寡婦福祉大会は10時30分からなので秘書が出席。13時、印刷物でお世話になった障害者の井上憲一さんの葬儀に参列。
◆12日(水)朝7時40分の空港バスで伊丹へ。最後の乗客で最前部の補助席に座りましたが、景色が目に飛び込んでくるので、怖くて居眠りできませんでした。11時から、井上和雄代議士の部屋で18日の「命のメッセージ展」の最終チェック。13時、木倉年金課長と14日の年金PTの進行について打ち合わせ。14時、来室された後援会員と懇談。15時10分、「命のメッセージ展」の井上夫妻が来室。遺族が思いを込めて書いた小泉総理への出席依頼カードの束を見せていただきました。小泉総理、ぜひ展示を見に来てください!
2月16日(日)号
厚労省、労基法改正案を大幅に変更
「企業が従業員を解雇しやすくするように法整備するのか」と批判が集中した労働基準法の改正法案について、厚労省は、解雇にともなうトラブルを金銭で解決できるとした条項を、今回は法案に盛り込まないと決めました。大声を上げるのならば法案提出前だという事を実証しました。
そこで、14日の民主党総合雇用対策特別政策・厚労部門会議では、日本労働弁護団長の宮里邦雄弁護士を講師に、厚労省の方針転換を踏まえての今後の対応策を検討しました。
厚労省を押し返したとは言え、原案では「使用者は、労働者を解雇することができる」との規定が置かれています。宮里弁護士は、「労基法は労働者保護法で、使用者に対し、『してはいけない』と、各種の禁止規定を置いています。それなのに、使用者は労働者を解雇『できる』との規定を置くことは、強い違和感があります」と批判。
「解雇の正当理由の立証責任は使用者にあるとされてきたのに、解雇の正当理由がないことの立証責任を労働者側に負わせるような改正にも、反対しなければなりません」。
あわせて、今回の労基法改正に盛り込まれようとしている「有期労働契約」関連条項の改正(契約期間の上限を1年から3年ないし5年に延長など)については、欧州並みに、有期労働契約は、臨時的な雇用や例外的な雇用に限定する方向で取り組んでいくべきだとの意見が述べられました。
失業率の高止まりなど、厳しい労働環境の今こそ、望ましい労働と雇用のあり方を国民全体で議論する好機です。読者の皆さん、「雇用と労働」についてのご意見をお寄せください。お待ちしています。
国会アクションレポート
2月13日(木)
7時45分宿舎発の連絡バスで、議員会館事務所へ。朝刊をチェック。9時、内閣府部門会議。水島広子・子ども政策担当大臣より、子ども政策会議への参画の最終確認。他党に負けない「こども政策」を練り上げます。食品安全基本法案を内閣官房からヒアリング。
11時、「1050円で叩き売った」とテレビ番組で批判されている、雇用能力開発機構の所有施設「廉売」問題で、厚労省担当者が説明に来室。「民間に売却すべきと批判されますが、土地は地元自治体の所有です。建物を地元自治体に売るので、施設はそれまで通りに使えます。売却後は、自治体が建物補修費を負担する一方、自治体には土地の賃貸料が能力開発機構から入らなくなるので、自治体にとっては、決して安い買物ではありません」と強調。国有財産の処分方法に依拠しているそうですが、衆院予算委での長妻昭代議士の厳しい追及も参考に、参院決算委員会で、さらに掘り下げた議論をと準備中です。
15時、財務省主税局から、税制改正についての説明で来室。引き続いて、大阪府東京事務所から、大阪府15年度予算案の説明を受ける。財政破綻を回避する方策の模索が続きます。
16時30分、官邸から「小泉総理、命のメッセージ展に出席」との連絡あり。総理、ありがとうございます。
2月14日(金)
7時45分宿舎発の連絡バスで、会館事務所へ。
8時、税調・年金改革PTの合同会議。厚労省が次期年金改正の論点を説明した後、前回改正の経緯と、これまでにまとめた民主党の年金改革案を私が説明。五島NC大臣より「基礎年金は最低生活保障水準に届いていない。巨額の年金積立金の運用も問題」との指摘がありました。来週21日は、税制と年金をテーマに、財務省からのヒアリングを予定。
10時30分、総合雇用対策特別政策・厚労部門会議(詳細は上述)。
11時40分、参議院議員総会。18日の「命のメッセージ展」への来場をPR。
12時、参議院本会議。小柴、田中両氏のノーベル賞受賞に対して、議長が祝意を述べました。議場のみんなは、「どこかに田中さんらが来られてるのかな」と見渡したが、もちろん不在。受賞からずいぶん日にちも経っているので、なにか気の抜けたお祝いでした。米の臨特法案を可決して、10分で散会。
14時、障害者の参政権を確保するためのPT。大阪府茨木市の知的障害者が提訴した事件の大阪地裁判決を紹介。障害者手帳の所持を在宅投票の要件にしている現行制度を、どのように改正するかを協議。
15時50分、社会保険診療報酬支払基金労組の役員が来室。先の臨時国会で民営化が決まった同基金の、将来像について意見交換。「医療機関と保険者の間に入って、診療報酬の支払機能を果たしているだけでは存在意義が問われます」と、基金の在り方について注文。「でも厚労省は、民営化されても、『手を離しても目は離さない』と、自らの管理下に置く姿勢を変えていません。自主的な運営は難しい」とのこと。医療費の適正化に、支払基金がどのような役割を果たすのか、果たせるのか。古くて新しい議論です。
18時、NPO法人国際自然大学校の設立20周年記念パーティ。佐藤校長、桜井氏の労をねぎらいました。「自然学校」の極意を一挙公開した「実践・自然学校運営マニュアル」も出版。これは貴重な実践記録であり、指導書です。会場には松沢成文代議士の顔もあり、神奈川知事選への出馬が話題に。同じ民主党の浅尾慶一郎参議院議員が自民党から出馬を働きかけられている件で、こちらは、「変な話だね」と話題に。19時30分の飛行機で伊丹へ。
2月15日(土)
深夜0時30分、NHKテレビで国連安保理から中継。国連監視検証査察委員会のブリスク委員長と国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は、追加報告で「自らは一定の成果を上げている。職務を継続したい」と要望。責任者として当然の発言と受け止めました。
続いて理事国が意見を表明。議長の「申し合わせの通り、各国7分以内に」との発言にもかかわらず、最初のシリアの発言時間は倍以上。「イスラエルの暴力的行為は、なぜ放置されているのか」と、イラクへの差別的な対応に疑念を表明し、アメリカこそ暴力的だと批判。その後の国も、制限時間にお構いなし。我が国会で議長や委員長が「〇〇君、発言時間が過ぎています」と、度々注意するのとは大違い。
査察は効果を上げているし、継続すべきだ。「武力によって大量破壊兵器を破壊する」と言っても、どこにあるかも判らないのに、どうして破壊できるのだろう。武力は解決手段とはならない。
12時30分、眠気まなこで高槻京都ホテルでの肥田美代子代議士の集いに出席。会場から八尾に移動して、後援者が勤務する新井病院の事務長さんと、高齢者医療や介護の諸問題について意見交換。その後、事務所へ。
2月16日(日)
10時、森みどりさんの後援会事務所開きに参加。大阪府議会で教育や環境などの問題に取り組みたいと、意欲満々。折から小雨。「これは春を呼ぶ慈雨。4月には桜が満開となって、その後は、いよいよ、みどりの季節です」と激励。
会場から、兵庫県氷上郡の円応教本部へ。初代教主令室様のご葬儀に参列。大阪市内に戻って、心斎橋大丸前の宇治園で開催されている義兄の写真展に立ち寄り。趣味が広いといいなと思います。
2月19日(水)号
「生命のメッセージ展 in 国会」を開催
交通事故や犯罪、医療過誤などによって、突然に命を絶たれた人の等身大のオブジェ。足元には、死亡時に履いていた靴が置かれています。
昨年、クルマ社会を問い直す会の会合で、東名高速で飲酒運転の大型トラックに追突された井上保孝・郁美夫妻にお会いし、焼死された二人の娘さんの小さなオブジェに出会ったとき、私は、その訴える力の大きさに圧倒されました。「ひとりでも多くの国会議員にオブジェと対面してもらいたい。国会でも開催してくださいますか」と持ちかけたところ、実行委員会の皆さんの快諾を得て、2月18日、衆議院議員会館での開催が実現しました。
会場の入口に立って、通りがかりの国会議員に「1分でもいいから見て行って」と呼び込み。河野太郎、坂本剛二、大村秀章代議士らが立ち寄ってくださいました。でもなかには、急ぎ足で通り過ぎていく議員も。
時あたかも、アメリカのイラク攻撃が秒読み段階。「生命のメッセージ展」というタイトルから、反戦平和の集会と勘違いされたのかも知れませんね。
オブジェの胸元には、事故や事件の概要が記されています。涙もろい私は、数体のメッセージを読むのが精一杯。交通事故で夭折した兄の無念さ、両親の悲しみが胸にこみ上げてきました。
理不尽にも命を絶たれた人たちの無言の訴えを、しっかりと受け止めて、国会での活動に力を入れたいと改めて誓いました。
国会アクションレポート
2月17日(月)
大阪事務所で打ち合わせ、書類整理の後、17時27分の新幹線で上京。発車3分前でも、早業で乗車券を発券してくれた窓口の女性に感謝。
2月18日(火)
朝8時前から衆院議員会館で「命のメッセージ展」の準備。
正午過ぎには、小泉総理、森山法相、谷垣国家公安委員長も来場。
展示会場での付き添いの合間を縫って、14時、参院法制局と自殺予防施策推進法案(仮称)と中国残留邦人自立支援法の改正について協議。
16時、臨床心理士の資格問題で、日本臨床心理士会が説明に来室。
17時、命のメッセージ展終了。200名近い国会議員(代理を含む)が来場。
18時30分、枝野政調会長、五島NC厚労大臣等と、今国会での法案対応などについての打ち合わせを兼ねた夕食会。
2月19日(水)
7時30分、今日は歩いて議員会館事務所へ。
8時、厚生労働部門会議。生活保護費の生活扶助基準が、1950年の制度発足以来、初めて減額改定される。厚労省と国会図書館から、最低生活保障の意味合いや、年金の給付水準との関連などについてヒアリング。失業率の上昇に生活保護率の伸びが大きく下回ること、生活保護水準以下で生活している人がかなりいること、約2兆円の生活保護費の55%は医療扶助費で、その7割は入院医療費であることなど、注目する点が多かった。
続いて9時から、内閣府・厚生労働・農林水産合同での部門会議。食品安全基本法案について、政府からヒアリング。BSE問題を端緒に、食品の安全性についてのリスクを評価する食品安全委員会を内閣府に設置するなどを内容とする法案だが、そもそもの農水省の失政を解明せずして、安全に軸足を置いた農政が実現するのか疑問。消費者の参画手段が不明確なのも問題。
10時15分、しごと創出PT。リクルートの大久保氏から、雇用にかかわる15の課題と、解決法のレクチャー。アイデァいっぱいの雇用創出策に、さすが餅は餅屋だと感心。11時、参院政審勉強会。連合の予算組替え要求について。
14時30分、米国製薬業協会の役員が来室。画期的新薬の価格決定方法と、厚労省から発売後の薬価引き下げを要求される点について、善処を要望される。
15時20分、民主党NC(次の内閣)の「閣議」で、次期年金改正を巡っての民主党の対応について説明。出席者が自由討議。
18時、両院議員懇談会。自由党との政策協議、選挙協力等について、石井副代表、岡田幹事長等が報告。反対の声は聞かれない。代議士の多くが、もはや大筋を変えられないと受け止めているようだ。
2月23日(日)号
今国会から、決算委員会に所属しています。国会中継もあって、予算案の審議には注目が集まりますが、税金の使われ方をチェックする決算委員会は、予算委員会以上に重要な委員会だと思います。
憲法第90条は、「国の決算は、会計検査院が検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、国会に提出しなければならない」と定めています。本来ならば、決算の内容が吟味され、その後の予算編成に反映されるべきです。しかし、従来から、決算案は年末の予算案編成が終わったあと、翌年の1月に国会に提出されています。さらに、その審議は予算成立後や通常国会の閉会後となるため、決算審議と予算案の編成には、時間的に大きなズレが存在しました。
そこで今国会より、通常国会の閉会までに審議を終え、翌々年度の予算案編成に反映させようということになりました。これは、憲法が「衆議院は参議院に対して、予算案の先議権と議決に関して優越される」と、衆議院の予算案に置ける優位性を謳っている為、決算審議は参議院が重点的に行おうとの、参議院側の意向が実現したものです。
2月21日、10時からの参議院本会議で、平成13年度決算について審議。塩川財務相が決算書の数字を羅列しましたが、「税金の無駄遣いを会計検査院から指摘された」とひと言触れただけで、その詳細についての説明は省略しました。国民は、そこが知りたかったのではないでしょうか。
TV中継が入っていたことを意識したのでしょう、社民党と共産党は、決算に関する質問より、アメリカのイラク攻撃に反対するよう政府に求めることに質問時間の大半を費やしました。「決算案に対する質問をしろ!」と、自民党の大仁田厚議員の大声が議場に轟きました。
国会アクションレポート
2月20日(木)
会計検査院の職員が来室。雇用能力開発機構所有施設の「廉売」問題について見解を求めた。「雇用促進事業団を廃止して組織を変更する法案を審議した際、附帯決議で、機構は施設における雇用を継続することが求められた。また、現下の雇用情勢では、雇用の確保が第一義に置かれる。だとすれば、施設を閉鎖・解体する方策は選択しがたい。問題とすべきは、販売価格ではなく、なぜ問題となるような施設を建設したかではないか」。同感。今度の騒動で、自治体は厚労省の足元を見て、さらに値切ってくるだろう。
木倉・年金課長が来室。年金の給付状況について議論。社会の成熟を受けて、高齢者の消費支出の構造は今後大きく変化するはず。そうした変化を盛り込んだ議論が必要ではないか。議論の前提として、年金受給開始時と年金受給中の人について、年金額別に受給者の人数を示して欲しいとお願い。
2月21日(金)
8時、年金PT。財務省主計局からヒアリング。「基礎年金の国庫負担割合が3分の1か2分の1か、その財源はといった議論でなく、本当に年金は今のままで大丈夫かを徹底的に議論すべきだ」と、向井主計官(厚生担当)。
10時、参議院本会議。平成13年度決算についての本会議質疑。
14時、吹田・ぷくぷくの馬垣さん来室。インターネットを活用して、全国1万か所の投票所でバリアフリーチェックをする話で盛り上がる。名古屋の中日新聞だけが報道したのだが、障害者福祉法では、施設内で支給を受けた金品は非課税とされているのに、名古屋の授産施設で、障害者が受け取った
工賃が課税された。課税されるほどの対価を得ていることは喜ばしいことだが、新たな事態に法律が追いついていないようです。
18時30分の飛行機で伊丹へ。竹中大臣に会ったので、「経済財政諮問会議での社会保障議論に注目しています」とエール。「ご指導のほどよろしく」と大臣。もちろんです!
2月22日(土)
9時、民主党大阪府連の常任幹事会。統一地方自治体選挙への対応などが議題。14時、母校、清水谷高校同窓会「清友会」主催の講演会。講師は卒業生の湯浅富士郎さん(大阪音大講師)で、尺八の第一人者。尺八の「号」は「山(ざん)」を名前につけるとかで、「富士山」。すごい! モーツアルトの曲も演奏され、またまたビックリ。
2月23日(日)
9時30分、東淀川の長尾秀樹・大阪市会議員予定候補、11時、西川ひろき・大阪府会議員予定候補者の後援会事務所開き。此花区の大野政彦、旭区の和田充弘・大阪市会議員予定候補の後援会事務所開きには、秘書が代理出席。14時、藤井寺市の井関市長の後援会決起集会。終了後、自宅に戻って、自殺予防対策推進法(仮称)の内容を研究。
2月26日(木)号
大島農水相のために、法制局が想定問答集を作成したとか。法制局に法案の解説を求めることはあっても、自らの疑惑に対する質問への回答の作成を依頼する議員がいるなどということは、まさに、想定外でした。法制局の手助けがなくても、明確な答弁ができるでしょう、大島農水相!
国会アクションレポート
2月24日(月)
8時45分の飛行機で上京。
12時10分、決算委員会。塩川財務相が13年度決算の概要等を報告。「なぜ本会議でやらないのか」と疑問に思っていた会計検査院の検査状況を、会計検査院が報告。審議日程はこれから決まるが、参議院には、決算委員会とは別に行政監視委員会が設置されている。決算委員会の会期内での開催を受けて、決算と行政監視という同趣旨の両委員会を合併して、他の委員会の審議がない月曜日に、定例開催することを提案したい。25分で散会。
2月25日(火)
8時、雇用問題PT。山川隆一・筑波大教授による労働基準法改正案の問題点解説。解雇に関する規定を設ける点で、厚労省の原案(下記)では、解雇不当の証明を労働者側が行わなければならなくなるとの懸念が消えない。解雇事案に対する労基署の姿勢が、どのように変わるのかも不安要素だ。
*厚労省原案:「使用者は、この法律又は他の法律の規定によりその使用する労働者の解雇に関する権限が制限されている場合を除き、労働者を解雇することができる。ただし、その解雇が、客観的かつ合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」
9時30分、障害者の参政権を確保するためのPT。法案骨子を了承。
11時30分、小児慢性特定疾患治療研究事業の法制化を願う親たちの集いに参加。「厚労省児童家庭局の予算で事業を行う限り、対象年齢が満18歳で打ち切りとなってしまう。総合的な難病対策法案が不可欠」と挨拶で述べた。
13時、全日本年金者組合の皆さんと懇談。
14時10分、厚生労働部門会議役員会。
18時、民主・自由・社民党共催で、公務員改革大綱の問題点を指摘する集会。3党のILO調査団が報告。山岡代議士が「日本は国連中心主義のはず。なぜILOの勧告を無視するのか」と、政府の姿勢を批判。笹森連合会長は、「政党が集会を主催して、連合を激励する会合は初めてだ」と挨拶。なるほど、いつもは逆ですよね。
2月26日(水)
8時、厚生労働部門会議。健保自己負担3割問題。講師の西田在賢・国際医療福祉大学教授は、「3割にしても、近い将来、医療保険財政は破綻する。フリーアクセスと出来高払いの現行制度にメスを入れるべき」と主張。企業の医療参入には、「日本の企業には病院経営のノウハウがない。違反切符を切られて初めて反省する体質は、東電事件でも明らか。病院経営を透明にする体制が前提だ」。
10時、しごと創出PT。電機連合から、職業アカデミー構想の説明。組合が主導して、従業員の「キャリアの棚卸」を行うという計画。資源のない我が国で、人を強くすることに労使の区別はないと言うことです。11時、参議院政策審議会勉強会。民主党予算の評価判定を田中宏樹・PHP総合研究所研究員からいただく。
12時、国対・理事合同会議。日銀総裁は、就任にあたっては国会の同意を要するが、どんな人物か、どんな考え方をもっているのか判らないままに、党としての態度は決められない。任期が5年で、しかも解任はできないのだから、同意の是非を問う前に、本人と質疑できる場を設けるべきだ。
14時、行政改革部門会議。昨夏に行った「独行法人の組織に関する予備的調査」の結果について説明。16時10分の飛行機で伊丹へ。茨木に移動して、森みどりさんの決起集会。