年金改革関連法

参議院

2004年11月16日 厚生労働委員会で質問

「給付水準の確保より保険料上限の維持優先」厚労相答弁 坂口氏と矛盾 朝日新聞(11月17日)より

尾辻厚生労働相は16日の参院厚労委員会で、先の通常国会で成立した年金改革関連法について、厚生年金の保険料上限である18.3%の維持を、モデル世帯の給付水準である50%の確保より優先させる考えを示した。同法の成立前、坂口前厚労相は「50%を維持することが先」と答弁しており、説明の整合性が問われそうだ。

山本孝史氏(民主)が「18.3%の保険料率で収入が不足した場合、給付水準を47%に下げたり、支給開始年齢を65歳から67歳にしたりしてバランスをとるのか」と聞いたところ、尾辻厚労相は「その通りだ」と答えた。

坂口前厚労相は、法案審議中の5月27日の同委員会で「50%の年金額を維持していくことを先に考えて、それに対する負担をどうするかを考えていく手順が大事だ」と答弁しており、食い違いを見せている。

年金財政悪化の場合 「保険料、上限堅持」 日本経済新聞(11月17日)より

尾辻秀久厚生労働相は16日の参院厚生労働委員会で、政府の年金改革法で想定した以上に年金財政が悪化した場合も厚生年金保険料は「(上限の)18.3%で止めるべきだ」と述べ、負担上限は堅持したうえで給付水準の見直しによる対応を検討する考えを示した。民主党の山本孝史氏の質問への答弁。

先の通常国会で成立した年金改革法は保険料に上限を設ける一方、給付水準も夫婦2人のモデル世帯で現役平均所得の50%以上という下限を定めている。山本氏は将来、保険料が上限に達しても収入不足になった場合の対応策として「給付水準を47%に下げたり、受給開始年齢を引き上げたりしてバランスをとるのか」と質問。これに対し尾辻厚労相は「その通りだ」と述べた。年金改革法は現在、会社員の年収の13.934%の厚生年金保険料を毎年小刻みに引き上げ、上限の18.3%に達したら同水準で固定するとしている。

年金保険料率 厚労相「上限を堅持を」 毎日新聞(11月17日)より

年収に対する厚生年金保険料率の上限と給付水準の下限を定めた年金制度改革法について、尾辻秀久厚生労働相は16日の参院厚生労働委員会で、将来的に保険料収入が不足した場合、個人的見解としながらも「(保険料率は上限の)18.3%で絶対止めるべきだと思う」と述べ、保険料率上限の維持を給付水準維持より優先させるべきだとの考えを示した。民主党の山本孝史議員の質問に答えた。

年金制度改革法は、現行の保険料率(13.934%)を順次引き上げて17年度以降に18.3%で固定すると同時に、受給開始時の年金給付水準はモデル世帯で、現役世帯の所得の「50%以上」を確保するとしている。厚労省は財政見通しが推計より悪化した場合、給付水準維持を優先する考えを示していた。