山本孝史・最後の質問 がん対策はどの方向に進んでいくのか?(議事録)
参議院
2007年6月12日 厚生労働委員会で質問
がん対策と年金保険料納付記録の消失問題について質問しました。
がん対策に関しては、柳澤厚労大臣が、がん対策推進協議会に患者・家族の代表が参加しており、医療者以外の視点が入っていることを高く評価しました。
また、今後とも、協議会を継続的に開催することを約束しました。
疼痛緩和薬のメサドンを日本国内で早期に承認して欲しいとの要求に対しては、「疼痛緩和薬の選択肢が増えることは望ましい」として、承認に向けて積極的に取り組むことを約束しました。
年金の納付状況が正確に記録されていない問題については、銀行が預金通帳を渡しているのに対して、社会保険庁が加入者に対して「年金通帳」を作らず、納付状況を毎年知らせなかったことが、今回の問題の根源にあると指摘しました。
あわせて、これまで指摘された問題について、原因と背景をしっかりと検証しない限り、いくら組織を変えても、同じ問題が起きる。政府案の社保庁解体案は、業務ごとに社保庁をバラバラにするので、かえって問題を起こしやすくするのではという懸念を述べました。しかし、明確な回答はありませんでした。
詳細はメールマガジン6月17日号をご覧ください。
議事録
山本孝史君
山本孝史でございます。
冒頭、済みません。がん対策基本計画が決まりましたので、そのことについて大臣等に質問させていただきたいと思います。
この五月三十日にがん対策推進協議会が開催をされまして、今後五年間の国のがん対策の方針を決めるがん対策推進基本計画が了承されました。委員十八人のうち四人ががん患者、家族、遺族の代表でございまして、私は、自らのことにかかわる重大な政策が協議され決定される場にはそれらの者が当事者として参画をしているのは当然のことだというふうに思っておりますし、今回の厚労省の対応を高く評価をしております。その英断にエールを送る一人でもございます。
そこで、お尋ねをしたいんですが、大臣は、今回の患者等の代表委員の協議会への参画をどのように評価しておられるのか、また今後、国の審議会や検討会などにおいても原則として当事者に参加をしてもらうということを是非進めていただきたいと思っておりますが、どのようにお考えでしょうか、お伺いします。
国務大臣(柳澤伯夫君)
がん対策協議会は、基本法、委員らを含めて与野党の議員の皆さん方の大変な御努力の下で成った法律でございますけれども、この法律に基づきまして、協議会にはがん患者及びその家族又は遺族を代表する方々にも委員として参画をしていただくということになりました。これまで開催された本協議会の議論におきましては、当事者である患者等の委員の方から、従来、医療提供者側の視点だけでは分からない発想など貴重な御意見をいただいたものと考えております。
こうした基本計画策定における成果を踏まえながら、それぞれの行政分野において最も効果的な御審議をいただけるよう、審議会の在り方、人選等については引き続き検討してまいりたい。今回のことは重要な参考事例と考えております。
国務大臣(柳澤伯夫君)
がん対策協議会は、基本法、委員らを含めて与野党の議員の皆さん方の大変な御努力の下で成った法律でございますけれども、この法律に基づきまして、協議会にはがん患者及びその家族又は遺族を代表する方々にも委員として参画をしていただくということになりました。これまで開催された本協議会の議論におきましては、当事者である患者等の委員の方から、従来、医療提供者側の視点だけでは分からない発想など貴重な御意見をいただいたものと考えております。
こうした基本計画策定における成果を踏まえながら、それぞれの行政分野において最も効果的な御審議をいただけるよう、審議会の在り方、人選等については引き続き検討してまいりたい。今回のことは重要な参考事例と考えております。
山本孝史君
ありがとうございます。
外口局長も本当にお疲れさまでございました。
今回、一つのモデルケースとして、今後ともに、やはり最後にちょっと呼んで話を聞くというのではなくて、協議の最初から当事者の意見が反映できるような、そういう場をつくっていただく方向に進んでいただきたいというふうに思っております。
前回、五月十日の質問で、がん対策推進基本計画ががん患者が喜ぶようにしてくださいというふうにお願いをして、大臣からもそのようにいたしたいという御答弁をいただきました。
協議会の席上で出ました重要な御意見、例えば診療報酬上の評価を適切に行うですとか、欧米諸国にも遜色のないたばこ対策、価格等を含む、を講じるべきであるといった意見が委員意見集というところに入れられてしまったこと、そして私は前回の質問で、進行がん患者に対しても生き切るという姿勢をサポートしてくれる、あるいは生き抜こうとする力を奪わない、そういう医療や社会の体制をつくってほしいという、そのことを目指しますという姿勢を是非この基本計画に書き込んでほしいと、こう申し上げたわけですが、残念ながらそこは明確にはなっておりません。私は、多分これからは、標準治療が終わると、もう治療法はありません、あとはホスピスへどうぞ、あるいは退院してくださいというふうに勧められる患者が増える。だから、これから先は、私は、がん難民がむしろ増えるだろうというふうに思っております。
そこで、そういうことにならないように、一つの方策として、このがん対策推進協議会を定期的に開催をして基本計画の進捗状況を検証する、計画の見直しにつなげるようなデータを収集し、それを検討する、がん対策予算の確保、関連する検討会からの報告を受けて協議をするといった作業を行って、どの方向に今進もうとしているのかということを見定めるということが極めて私は大切だというふうに思っております。また、政令で定めました専門委員会も動かさなければいけないというふうに思っておりますので、このがん対策推進協議会を年に少なくとも三回あるいは四回は開いていただきたいというふうに思っておりますが、大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。
国務大臣(柳澤伯夫君)
現在策定中の基本計画案におきましては、「がん対策推進協議会は、がん対策の進捗状況を適宜把握するよう努めるとともに、施策の推進に資するよう必要な提言を行う。」と、このような記載がなされております。したがいまして、協議会は、今後とも、基本計画の進捗状況ということ等について御意見を出していただくということが想定されているわけでございます。
そういうことから、基本計画策定後の協議会の具体的な進め方もこの文脈で考えられなければならないわけでございますが、具体的には今後検討させていただきたい、このように考えております。
いずれにしましても、基本計画の進捗状況を踏まえながら、年に何回かは開催することを考えてまいりたいと、このように考えます。